【参考資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書2023 (71 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》 |
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データ元:動物由来薬剤耐性菌モニタリング(JVARM)
JVARM では海産養殖水産分野における薬剤耐性に関する監視・動向調査として、病魚由来のレン
サ球菌症原因菌、類結節症原因菌(Photobacterium damselae subsp. piscicida)及びビブリオ病原
因菌(Vibrio spp.)、並びに水産養殖環境由来の腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)の薬剤感
受性の調査を実施している。供試株は、都道府県の水産試験場で病性鑑定のために分離・同定した株
等を用いており、2011 年から 2016 年においては毎年4~6 県、2017 年においては8県、2018 年に
は 12 県、2019 年から 2021 年において毎年 11 県から菌株の提供があった。
また、海産養殖水産分野における薬剤耐性の動向調査をさらに充実させるために、2017 年度から
は、対象を全ての養殖魚類に拡大し、レンサ球菌症原因菌及びビブリオ病原因菌における薬剤感受性
の調査を実施している。
薬剤感受性試験には、CLSI のガイドラインに準拠した寒天平板希釈法又は微量液体希釈法を用い
て MIC を測定した。BP は、CLSI で規定されている薬剤についてはその値を採用し、CLSI で規定さ
れていない薬剤については、微生物学的 BP(二峰性を示す MIC 分布の中間点)を採用した。
病魚由来細菌
ⅰ. 病魚由来レンサ球菌症原因菌 Lactococcus garvieae
2011 年から 2021 年まで、レンサ球菌症に対する水産用医薬品として承認されている 4 薬剤の調査
を行った。2021 年は、LCM に対する耐性率は 66.2%であった。2021 年の EM に対する耐性率は
14.5%と、耐性率は低値で維持されていたものの、上昇傾向にあった。OTC に対する耐性率は 1.0%
と、低値で維持されていた。フロルフェニコール(FF)については二峰性の MIC 分布を示さず、BP
を設定できなかったため、耐性率を求めることができなかったが、全ての菌株で低い MIC(≦4
µg/mL)であった(表 60)。
Lactococcus garvieae の耐性率の推移(%)
表 60
レンサ球菌症原因菌
BP
BP
薬剤*1
(~
(2020
2019)
~)
EM
8
16
0.0
10.3
0.0
0.0
2.2
1.7
1.9
0.0
3.1
0.6
14.5
LCM
8
16
92.6
76.9
68.2
40.0
53.3
58.3
61.0
31.5
54.6
53.8
66.2
8
16
0.0
12.8
0.0
0.0
2.2
1.7
0.0
0.0
2.6
0.6
1.0
27
39
22
25
45
60
105
149
194
158
207
OTC
検査株数(n)
2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
2017年
*2*3
2018年 2019年
2020年 2021年
BP の単位は µg/mL。
*1:FF についても調査対象としているが、BP が設定できないため、耐性率は掲載していない。
*2:2016 年までぶり類由来株のみを対象にしていたが、2017 年からは海産養殖魚由来株を対象としている。
*3:2016 年まで寒天平板希釈法で調査を実施していたが、2017 年からは微量液体希釈法で調査を実施している。
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