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資 料4-1 令和3年度第6回安全技術調査会の審議結果について (369 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26025.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会(令和4年度第1回 6/8)《厚生労働省》
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定できない場合はウイルス検査の必要性について検討するとともに、製造工程での十分な

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ウイルスクリアランスが得られるか評価する必要がある。さらに、原血漿以外の材料、例え

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ば、動物由来の酵素やモノクローナル抗体を用いて製造する場合における動物由来のウイ

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ルス汚染の可能性や製造環境からのウイルス汚染の可能性も推定されることから、注意深

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く安全対策を講ずることが必要である。

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1.4

安全性確保の基本

血漿分画製剤のウイルスに対する安全対策は、次に示す複数の方法を適切かつ相補的に

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行うことにより達成される。

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(1)献(供)血者の問診を行う。

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(2)献(供)血血液、ミニプール血漿又はプール血漿のウイルス検査を行う。

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(3)製造工程でウイルス除去及び不活化処理を実施する。

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(4)必要に応じて、製造工程でのウイルス検査を実施する。

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(5)原血漿に関する最新の感染症情報を採血事業者等より入手するよう努める。

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(6)採血後情報及び輸血後情報について遡及調査を行う。

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(7)製品との関連が疑われる感染症の情報を集める。

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1.5

検査の限界

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ウイルスの検査方法は技術の進歩とともに向上するため、検査の実施に当たっては常に

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科学的に最高水準の検査技術を取り入れるとともに適切に検査を行わなければならない。

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いかなる検査にも検出限界が存在するため、ウイルス検査の結果が陰性であっても、ウイル

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スの存在を完全に否定できないこともある。また、血液中には検査対象とされていないウイ

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ルスや未知のウイルスの存在も考えられる。したがって、現在採用している検査技術には検

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出限界のあることを認識し、プールした血漿を原料として製造される血漿分画製剤は、ウイ

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ルスが潜在する可能性を常に有することを前提とした上で安全対策を講ずる必要がある。

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1.6

ウイルスクリアランス試験の役割

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原料の血液には常にウイルスが潜在する可能性があることを前提にすると、製造工程に

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おいていかに既知及び未知のウイルスを除去又は不活化できるかが安全対策上重要である。

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ウイルスクリアランス試験を実施する目的は、血漿分画製剤の製造工程に導入されている

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ウイルス除去技術及び不活化技術が、期待された効果をもたらしているか否かを実験的に

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検証することである。

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ウイルスクリアランス試験においては、ウイルスの大きさ、形状、脂質膜(エンベロープ)

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の有無、核酸(ゲノム)の種類(DNA 型、RNA 型)、物理的化学的処理に対する耐性など

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の特性を踏まえて適切なモデルウイルスを選択し、実験室規模での添加試験(スパイク試験)

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を実施することにより、既知のウイルスのみならず未知のウイルスに対するウイルスクリ

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