資 料4-1 令和3年度第6回安全技術調査会の審議結果について (371 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26025.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会(令和4年度第1回 6/8)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
3
製造及び検査
145
血漿分画製剤を製造する際は、原血漿、その他の原料等及び製造環境に起因するウイルス
146
等による汚染の可能性を極力低減させるため、適切な製造環境、条件及び技術を採用しなけ
147
ればならない。
148
製造工程における原血漿以外からのウイルス汚染の可能性として以下のことが考えられ
149
る。
150
(1)製造従事者より汚染される。
151
(2)製造施設環境より汚染される。
152
(3)製造工程において用いる動物由来酵素やモノクローナル抗体等の原料等からウイルス
153
が混入する。
154
近年の技術進歩はめざましく、有用なウイルスの検査技術、ウイルスの除去技術及び不活
155
化技術については積極的に導入する必要がある。脂質膜を持つウイルスの除去・不活化につ
156
いては、可能な限り頑健性の高い 2 つ以上の原理が異なるウイルスクリアランス工程を導
157
入すること。脂質膜を持たないウイルスの除去・不活化については、頑健性の高いウイルス
158
クリアランス工程を少なくとも 1 工程導入することが望ましい。また、製造工程にはウイ
159
ルス安全性が確保された原料等を用いることにより、ウイルスの混入の可能性に対する安
160
全性を高める必要がある。
161
162
3.1
工程前検査
163
工程前検査の対象となるのは、一人の供血者の血液から製造された血漿、少人数の血漿を
164
プールしたミニプール血漿及びプール血漿である。一人の供血者の血液から製造された血
165
漿ではその特異性や感度、精度が十分に評価された試験法を用いて HBV、HCV 及び HIV
166
の血清学的検査を行うこと。ミニプール血漿及びプール血漿についても、その特異性、感度
167
及び精度が十分に評価された核酸増幅検査(Nucleic acid amplification test; NAT)を用い
168
て HBV、HCV 及び HIV の遺伝子検査を実施する。必要に応じて HBV、HCV、HIV 以外
169
のウイルスの試験の実施を考慮すること。既に採血時に個別 NAT 等による検査が行われて
170
いる場合にはその結果をもって工程前検査が実施されたものとみなすことができる。
171
172
3.2
中間血漿分画物(中間原料)の管理
173
血漿分画製剤を製造する際に使用する原料は必ずしも血漿とは限らず、中間原料製造業
174
者において製造された血漿由来の中間原料を、製剤の製造業者が原料として使用し、精製工
175
程を経て製品化することがある。例えば、クリオ沈殿物(血液凝固第Ⅷ 因子製剤原料)、コ
176
ーンの低温エタノール分画工程から得られる PV(アルブミン製剤原料)、PⅡ +Ⅲ (免疫
177
グロブリン製剤原料)、PⅡ (免疫グロブリン製剤原料)、そして PⅣ -1 (アンチトロンビ
178
ンⅢ 製剤原料)などの中間原料が挙げられる。
179
これらの中間原料を原料とし、血漿分画製剤を製造する場合においても、製剤の製造業者
5
369