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【資料No.1】★審査報告書 (25 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26901.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第3回 7/20)、医薬品第二部会(令和4年度第6回 7/20)(合同開催)《厚生労働省》 |
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阻害剤非存在下で 5.5 及び 4.7、P-gp 阻害剤の存在下で 2.3 及び 2.0、BCRP 阻害剤の存在下で 3.5 及び 3.1
であり、本薬は P-gp 及び BCRP の基質であることが示唆された。
ヒト OATP1B1、OATP1B3、OCT1、OCT2、OAT1、OAT3、MATE1 又は MATE2-K を発現させた HEK293
細胞を用いて、本薬の 14C 標識体(1 及び 10 µmol/L)の輸送が検討された。本薬の 14C 標識体の細胞内
への取込み量は、いずれのトランスポーターを発現した HEK293 細胞においても、対照細胞と同程度で
あり、各トランスポーターに対する阻害剤32)による取込み量の低下は認められなかったことから、本薬
は OATP1B1、OATP1B3、OCT1、OCT2、OAT1、OAT3、MATE1 及び MATE2-K の基質にはならないこ
とが示唆された。
4.5.4
薬物トランスポーター阻害作用(CTD 5.3.2.2-06)
Caco-2 細胞を用いて、P-gp 及び BCRP の基質33)の取込みに対する本薬(0.3~250 µmol/L)の阻害作
用が、ヒト OATP1B1、OATP1B3、OCT1、OCT2、OAT1、OAT3、MATE1 又は MATE2-K を発現させた
HEK293 細胞を用いて、各薬物トランスポーターの基質34)の取込みに対する本薬(0.3~250 µmol/L)の
阻害作用が検討された。その結果、本薬の P-gp、BCRP、OATP1B1、OATP1B3、OCT1、OCT2、OAT1、
OAT3 及び MATE1 に対する IC50 は、それぞれ 11.5、8.71、13.2、3.51、7.24、202、47.7、8.37 及び 82.3
µmol/L であり、MATE2-K に対する IC50 は 250 µmol/L 超であった。
4.R
機構における審査の概略
機構は、本薬の非臨床薬物動態特性は確認されたと考える。なお、in vitro 薬物相互作用試験の結果か
ら、「『医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン』について」(平成 30 年 7 月
23 日付け
薬生薬審発 0723 第 4 号)等を踏まえ、本薬の臨床使用時に薬物相互作用が生じる可能性が
あると考えられる CYP3A、P-gp 若しくは BCRP 阻害薬又は CYP3A 誘導薬との併用に係る薬物相互作
用、並びに本薬の CYP3A、P-gp、BCRP、OATP1B1、OATP1B3、OCT1 及び OAT3 に対する阻害作用を
介した薬物相互作用については、6.R.6 で引き続き議論する。
毒性試験に関する資料及び機構における審査の概略
5.
反復投与毒性試験、遺伝毒性試験、生殖発生毒性試験及びその他の毒性試験(光毒性試験、不純物に
関する試験及び HDL コレステロール減少の発現機序に関する試験)の成績が提出された。
なお、本項では、本薬の用量及び濃度はエンシトレルビルとしての値を示す。また、特に記載のない
限り、溶媒は 0.5%(w/v)メチルセルロース水溶液が用いられた。
5.1
単回投与毒性試験
単回投与毒性試験は実施されていないが、ラット及びサルを用いた探索単回 TK 試験(CTD 4.2.3.1-01
~02)、ラット及びサルを用いた反復投与毒性試験(5.2 参照)及びラットを用いた小核試験(5.3 参照)
検討に用いられた阻害剤(濃度)は以下のとおり。
OATP1B1 及び OATP1B3:リファンピシン(10 μmol/L)、OAT1 及び OAT3:プロベネシド(100 μmol/L)、OCT1:キニジン(100 μmol/L)、
OCT2:キニジン(300 μmol/L)、MATE1:シメチジン(10 μmol/L)、MATE2-K:シメチジン(100 μmol/L)
33)
検討に用いられた基質(濃度)は以下のとおり。
P-gp:ジゴキシンの 3H 標識体(1 µmol/L)、BCRP:Estrone sulfate の 3H 標識体(0.1 µmol/L)
34)
検討に用いられた基質(濃度)は以下のとおり。
OATP1B1 及び OATP1B3 :Estradiol 17 β-D-glucuronide の 3H 標識体(0.05 µmol/L)、OAT3:Estrone sulfate の 3H 標識体(0.05 µmol/L)、
OCT1、OCT2、MATE1 及び MATE2-K:メトホルミンの 14C 標識体(10 µmol/L)、OAT1:4-aminohippuric acid の 3H 標識体(1 µmol/L)
32)
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ゾコーバ錠 125 mg_塩野義製薬株式会社_審査報告書
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であり、本薬は P-gp 及び BCRP の基質であることが示唆された。
ヒト OATP1B1、OATP1B3、OCT1、OCT2、OAT1、OAT3、MATE1 又は MATE2-K を発現させた HEK293
細胞を用いて、本薬の 14C 標識体(1 及び 10 µmol/L)の輸送が検討された。本薬の 14C 標識体の細胞内
への取込み量は、いずれのトランスポーターを発現した HEK293 細胞においても、対照細胞と同程度で
あり、各トランスポーターに対する阻害剤32)による取込み量の低下は認められなかったことから、本薬
は OATP1B1、OATP1B3、OCT1、OCT2、OAT1、OAT3、MATE1 及び MATE2-K の基質にはならないこ
とが示唆された。
4.5.4
薬物トランスポーター阻害作用(CTD 5.3.2.2-06)
Caco-2 細胞を用いて、P-gp 及び BCRP の基質33)の取込みに対する本薬(0.3~250 µmol/L)の阻害作
用が、ヒト OATP1B1、OATP1B3、OCT1、OCT2、OAT1、OAT3、MATE1 又は MATE2-K を発現させた
HEK293 細胞を用いて、各薬物トランスポーターの基質34)の取込みに対する本薬(0.3~250 µmol/L)の
阻害作用が検討された。その結果、本薬の P-gp、BCRP、OATP1B1、OATP1B3、OCT1、OCT2、OAT1、
OAT3 及び MATE1 に対する IC50 は、それぞれ 11.5、8.71、13.2、3.51、7.24、202、47.7、8.37 及び 82.3
µmol/L であり、MATE2-K に対する IC50 は 250 µmol/L 超であった。
4.R
機構における審査の概略
機構は、本薬の非臨床薬物動態特性は確認されたと考える。なお、in vitro 薬物相互作用試験の結果か
ら、「『医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン』について」(平成 30 年 7 月
23 日付け
薬生薬審発 0723 第 4 号)等を踏まえ、本薬の臨床使用時に薬物相互作用が生じる可能性が
あると考えられる CYP3A、P-gp 若しくは BCRP 阻害薬又は CYP3A 誘導薬との併用に係る薬物相互作
用、並びに本薬の CYP3A、P-gp、BCRP、OATP1B1、OATP1B3、OCT1 及び OAT3 に対する阻害作用を
介した薬物相互作用については、6.R.6 で引き続き議論する。
毒性試験に関する資料及び機構における審査の概略
5.
反復投与毒性試験、遺伝毒性試験、生殖発生毒性試験及びその他の毒性試験(光毒性試験、不純物に
関する試験及び HDL コレステロール減少の発現機序に関する試験)の成績が提出された。
なお、本項では、本薬の用量及び濃度はエンシトレルビルとしての値を示す。また、特に記載のない
限り、溶媒は 0.5%(w/v)メチルセルロース水溶液が用いられた。
5.1
単回投与毒性試験
単回投与毒性試験は実施されていないが、ラット及びサルを用いた探索単回 TK 試験(CTD 4.2.3.1-01
~02)、ラット及びサルを用いた反復投与毒性試験(5.2 参照)及びラットを用いた小核試験(5.3 参照)
検討に用いられた阻害剤(濃度)は以下のとおり。
OATP1B1 及び OATP1B3:リファンピシン(10 μmol/L)、OAT1 及び OAT3:プロベネシド(100 μmol/L)、OCT1:キニジン(100 μmol/L)、
OCT2:キニジン(300 μmol/L)、MATE1:シメチジン(10 μmol/L)、MATE2-K:シメチジン(100 μmol/L)
33)
検討に用いられた基質(濃度)は以下のとおり。
P-gp:ジゴキシンの 3H 標識体(1 µmol/L)、BCRP:Estrone sulfate の 3H 標識体(0.1 µmol/L)
34)
検討に用いられた基質(濃度)は以下のとおり。
OATP1B1 及び OATP1B3 :Estradiol 17 β-D-glucuronide の 3H 標識体(0.05 µmol/L)、OAT3:Estrone sulfate の 3H 標識体(0.05 µmol/L)、
OCT1、OCT2、MATE1 及び MATE2-K:メトホルミンの 14C 標識体(10 µmol/L)、OAT1:4-aminohippuric acid の 3H 標識体(1 µmol/L)
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ゾコーバ錠 125 mg_塩野義製薬株式会社_審査報告書
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