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【資料No.1】★審査報告書 (63 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26901.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第3回 7/20)、医薬品第二部会(令和4年度第6回 7/20)(合同開催)《厚生労働省》 |
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さなかった。なお、第Ⅱb 相パートでは 2 つの主要評価項目を co-primary endpoint と位置付けてお
り、2 つの主要評価項目の間で仮説検定の多重性の調整は計画されていなかった。したがって、「12
症状合計スコアの治験薬投与開始(Day 1)から 120 時間(Day 6)までの単位時間当たりの変化量」
について統計学的な有意差が認められていないため、「Day 4 における SARS-CoV-2 のウイルス力
価のベースラインからの変化量」についての統計学的な有意差についての評価はできない。
本薬による臨床症状の改善効果について、第Ⅱb 相パートの主要評価項目の一つとして「SARS-CoV)
2 による感染症の 12 症状合計スコアの単位時間当たりの変化量 57(AUC
を 120 時間で割った値)」
が設定されているが、最終評価時点の転帰と評価が一致しない可能性もあり、症状スコアの推移を
AUC により評価することの意義は不明である。なお、12 症状合計スコアの推移は本薬群とプラセ
ボ群で概ね同様であった(7.1.2、図 5 参照)。
申請者は、12 症状のうち、omicron 株に特徴的な症状と考えられる「呼吸器症状[鼻水又は鼻づま
り、喉の痛み、咳、息切れ(呼吸困難)]の合計スコア」及び「ベースラインにおけるスコアの平
均値が 1 以上であった症状(鼻水又は鼻づまり、喉の痛み、咳、熱っぽさ又は発熱)に、重症度分
類の指標の一つである息切れ(呼吸困難)を加えた 5 症状の合計スコア」は単位時間当たりの変化
量がプラセボ群と比較して本薬群で大きかったと説明しているが、以下の点を踏まえると臨床症状
の改善効果が確認できたとは判断できない。
多様な症状を呈する SARS-CoV-2 による感染症において、一部の症状スコアの結果から臨床症
状の改善効果を解釈することには限界があること。
単位時間当たりの変化量の比較ではプラセボ群と比較して本薬群の変化量が大きい傾向が認め
られているが、群間差の推定値は各症状スコアの最小単位である 1 を下回り、これらの症状に
ついて意義のある群間差が認められているとは解釈できないこと。
臨床症状に係るいずれの副次評価項目63)についても、プラセボ群と本薬群の結果に明らかな相違は
認められていない。
申請者は、第Ⅱa 相パート及び第Ⅱb 相パートにおいて、Day 4 のウイルス力価のベースラインから
の変化量の平均値が、プラセボ群と比較して本薬群において減少したと説明している。臨床試験に
おいて、プラセボ群と比較して本薬群でウイルス RNA 量やウイルス力価が低下すること(又は早
期に低下すること)を確認することは重要であると考えるものの、以下の点を踏まえると当該ウイ
ルス力価の減少の臨床的意義を評価することは困難である。
・
SARS-CoV-2 による感染症は、通常は、自然経過においても比較的短期間でウイルス量が減少
すること。
63)
国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験(T1221 試験)の第Ⅱb 相パートにおける臨床症状に係る副次評価項目
・
各時点及び追跡評価期間中における 8-Point Ordinal Scale が Score 1 以上、2 以上、3 以上、4 以上、5 以上、6 以上、7 となった
被験者の割合
・
8-Point Ordinal Scale が Score 1 以上、2 以上、3 以上、4 以上、5 以上、6 以上、7 となるまでの時間
・
各時点における SpO2
・
EQ-5D-5L のベースラインからの変化量
・
SARS-CoV-2 による感染症の症状が回復するまでの時間
・
SARS-CoV-2 による感染症の症状が回復するまでの時間(回復状態の持続:72 時間以上)
・
SARS-CoV-2 による感染症の症状が回復するまでの時間(回復状態の持続:120 時間以上)
・
SARS-CoV-2 による感染症の各症状が回復するまでの時間
・
各時点における SARS-CoV-2 による感染症の症状合計スコアのベースラインからの変化量
・
各時点における SARS-CoV-2 による感染症の症状及び各症状が回復した被験者の割合
・
各時点における味覚異常又は嗅覚異常を有する被験者の割合
・
平熱に回復するまでの時間
61
ゾコーバ錠 125 mg_塩野義製薬株式会社_審査報告書
63 / 82
り、2 つの主要評価項目の間で仮説検定の多重性の調整は計画されていなかった。したがって、「12
症状合計スコアの治験薬投与開始(Day 1)から 120 時間(Day 6)までの単位時間当たりの変化量」
について統計学的な有意差が認められていないため、「Day 4 における SARS-CoV-2 のウイルス力
価のベースラインからの変化量」についての統計学的な有意差についての評価はできない。
本薬による臨床症状の改善効果について、第Ⅱb 相パートの主要評価項目の一つとして「SARS-CoV)
2 による感染症の 12 症状合計スコアの単位時間当たりの変化量 57(AUC
を 120 時間で割った値)」
が設定されているが、最終評価時点の転帰と評価が一致しない可能性もあり、症状スコアの推移を
AUC により評価することの意義は不明である。なお、12 症状合計スコアの推移は本薬群とプラセ
ボ群で概ね同様であった(7.1.2、図 5 参照)。
申請者は、12 症状のうち、omicron 株に特徴的な症状と考えられる「呼吸器症状[鼻水又は鼻づま
り、喉の痛み、咳、息切れ(呼吸困難)]の合計スコア」及び「ベースラインにおけるスコアの平
均値が 1 以上であった症状(鼻水又は鼻づまり、喉の痛み、咳、熱っぽさ又は発熱)に、重症度分
類の指標の一つである息切れ(呼吸困難)を加えた 5 症状の合計スコア」は単位時間当たりの変化
量がプラセボ群と比較して本薬群で大きかったと説明しているが、以下の点を踏まえると臨床症状
の改善効果が確認できたとは判断できない。
多様な症状を呈する SARS-CoV-2 による感染症において、一部の症状スコアの結果から臨床症
状の改善効果を解釈することには限界があること。
単位時間当たりの変化量の比較ではプラセボ群と比較して本薬群の変化量が大きい傾向が認め
られているが、群間差の推定値は各症状スコアの最小単位である 1 を下回り、これらの症状に
ついて意義のある群間差が認められているとは解釈できないこと。
臨床症状に係るいずれの副次評価項目63)についても、プラセボ群と本薬群の結果に明らかな相違は
認められていない。
申請者は、第Ⅱa 相パート及び第Ⅱb 相パートにおいて、Day 4 のウイルス力価のベースラインから
の変化量の平均値が、プラセボ群と比較して本薬群において減少したと説明している。臨床試験に
おいて、プラセボ群と比較して本薬群でウイルス RNA 量やウイルス力価が低下すること(又は早
期に低下すること)を確認することは重要であると考えるものの、以下の点を踏まえると当該ウイ
ルス力価の減少の臨床的意義を評価することは困難である。
・
SARS-CoV-2 による感染症は、通常は、自然経過においても比較的短期間でウイルス量が減少
すること。
63)
国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験(T1221 試験)の第Ⅱb 相パートにおける臨床症状に係る副次評価項目
・
各時点及び追跡評価期間中における 8-Point Ordinal Scale が Score 1 以上、2 以上、3 以上、4 以上、5 以上、6 以上、7 となった
被験者の割合
・
8-Point Ordinal Scale が Score 1 以上、2 以上、3 以上、4 以上、5 以上、6 以上、7 となるまでの時間
・
各時点における SpO2
・
EQ-5D-5L のベースラインからの変化量
・
SARS-CoV-2 による感染症の症状が回復するまでの時間
・
SARS-CoV-2 による感染症の症状が回復するまでの時間(回復状態の持続:72 時間以上)
・
SARS-CoV-2 による感染症の症状が回復するまでの時間(回復状態の持続:120 時間以上)
・
SARS-CoV-2 による感染症の各症状が回復するまでの時間
・
各時点における SARS-CoV-2 による感染症の症状合計スコアのベースラインからの変化量
・
各時点における SARS-CoV-2 による感染症の症状及び各症状が回復した被験者の割合
・
各時点における味覚異常又は嗅覚異常を有する被験者の割合
・
平熱に回復するまでの時間
61
ゾコーバ錠 125 mg_塩野義製薬株式会社_審査報告書
63 / 82