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【資料No.1】★審査報告書 (73 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26901.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第3回 7/20)、医薬品第二部会(令和4年度第6回 7/20)(合同開催)《厚生労働省》 |
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流行している omicron 株以前の株の流行期での臨床試験成績に基づき承認されているが、本剤の臨床評
価は delta 株流行期(第Ⅱa パート)だけではなく、omicron 株流行期(第Ⅱb パート)にも実施してお
り、現在の流行株を対象に有効性を検討したエビデンスを有する唯一の薬剤である。
本邦でのワクチン接種が広く進んではいるが80)、ワクチン接種後のブレイクスルー感染が認められる
こと81)82)、ワクチンの追加接種が進むにつれて接種率は低下すると考えられること、ワクチン接種を希
望しない一定数が存在することなどから、ワクチンによる対策にも限界がある。このようなワクチンに
関する課題に加え、既存の医薬品が使用できない場合や軽症であっても罹患後症状に苦しむ場合がある
などの課題もあり、現在の医療ニーズや次の感染拡大、さらなる感染拡大時を見据えて、国民生活及び
国民経済に及ぼす甚大な影響を回避し、国民が安心して暮らせるように、治療薬の選択肢を増やすこと
は公衆衛生上の重要な点であると考える。
以上のことから、本剤はワクチン接種の有無や SARS-CoV-2 による感染症の重症化リスク因子の有無
にかかわらず、無症状の SARS-CoV-2 病原体保有者及び酸素投与を要しない SARS-CoV-2 による感染症
患者に対して広く使用可能と考える。なお、緊急承認後は、患者登録センターを使用した全処方患者の
管理を行うことから、その情報を活用し、市販直後調査中に全処方患者を対象として副作用の有無及び
詳細情報を収集のうえ迅速に評価することにより、患者の安全性を確保することを計画している。また、
本調査で得られた副作用を集計し、毎週、当局へ報告及び医療従事者に情報提供すると共に、重大な副
作用が発現した場合には、直ちに安全対策を実施できる体制を整えている。更に、現在実施中の日本を
中心とした第Ⅲ相パートが完了次第、速やかに本薬の承認申請を行う。また、世界的に流行し、経時的
に変わりゆく多様なウイルス株に対する有効性を確認するために、米国を含むグローバル各国において
国際共同第Ⅲ相試験を実施し、有効性、安全性データの分析に真摯に取り組み続けると共に、データが
得られ次第速やかに提出、公開する。こうして、今後も継続して得られるデータに基づいて、本剤の位
置付けの見直しに関して相談し、本薬の育薬を通じての SARS-CoV-2 による感染症医療対策に貢献する
努力を継続する。
首相官邸 新型コロナウイルスワクチンについて:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html
国立感染症研究所 ブレイクスルー感染者を含む医療機関、福祉施設等でのクラスター調査から得られた知見(簡略版)2021 年 12 月
8 日:https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/10834-covid19-22.html
82)
Lancet 2022; 399: 625-6
80)
81)
71
ゾコーバ錠 125 mg_塩野義製薬株式会社_審査報告書
73 / 82
価は delta 株流行期(第Ⅱa パート)だけではなく、omicron 株流行期(第Ⅱb パート)にも実施してお
り、現在の流行株を対象に有効性を検討したエビデンスを有する唯一の薬剤である。
本邦でのワクチン接種が広く進んではいるが80)、ワクチン接種後のブレイクスルー感染が認められる
こと81)82)、ワクチンの追加接種が進むにつれて接種率は低下すると考えられること、ワクチン接種を希
望しない一定数が存在することなどから、ワクチンによる対策にも限界がある。このようなワクチンに
関する課題に加え、既存の医薬品が使用できない場合や軽症であっても罹患後症状に苦しむ場合がある
などの課題もあり、現在の医療ニーズや次の感染拡大、さらなる感染拡大時を見据えて、国民生活及び
国民経済に及ぼす甚大な影響を回避し、国民が安心して暮らせるように、治療薬の選択肢を増やすこと
は公衆衛生上の重要な点であると考える。
以上のことから、本剤はワクチン接種の有無や SARS-CoV-2 による感染症の重症化リスク因子の有無
にかかわらず、無症状の SARS-CoV-2 病原体保有者及び酸素投与を要しない SARS-CoV-2 による感染症
患者に対して広く使用可能と考える。なお、緊急承認後は、患者登録センターを使用した全処方患者の
管理を行うことから、その情報を活用し、市販直後調査中に全処方患者を対象として副作用の有無及び
詳細情報を収集のうえ迅速に評価することにより、患者の安全性を確保することを計画している。また、
本調査で得られた副作用を集計し、毎週、当局へ報告及び医療従事者に情報提供すると共に、重大な副
作用が発現した場合には、直ちに安全対策を実施できる体制を整えている。更に、現在実施中の日本を
中心とした第Ⅲ相パートが完了次第、速やかに本薬の承認申請を行う。また、世界的に流行し、経時的
に変わりゆく多様なウイルス株に対する有効性を確認するために、米国を含むグローバル各国において
国際共同第Ⅲ相試験を実施し、有効性、安全性データの分析に真摯に取り組み続けると共に、データが
得られ次第速やかに提出、公開する。こうして、今後も継続して得られるデータに基づいて、本剤の位
置付けの見直しに関して相談し、本薬の育薬を通じての SARS-CoV-2 による感染症医療対策に貢献する
努力を継続する。
首相官邸 新型コロナウイルスワクチンについて:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html
国立感染症研究所 ブレイクスルー感染者を含む医療機関、福祉施設等でのクラスター調査から得られた知見(簡略版)2021 年 12 月
8 日:https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/10834-covid19-22.html
82)
Lancet 2022; 399: 625-6
80)
81)
71
ゾコーバ錠 125 mg_塩野義製薬株式会社_審査報告書
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