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【資料No.1】★審査報告書 (35 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26901.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第3回 7/20)、医薬品第二部会(令和4年度第6回 7/20)(合同開催)《厚生労働省》 |
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本薬は、ウサギを用いた胚・胎児発生に関する試験において、胎児の軸骨格及び外表に奇形を示唆す
る所見が認められたことから、潜在的な催奇形性リスクを有する。ウサギ胚・胎児において当該毒性所
見に対する本薬の無毒性量を投与した場合と、ヒトにおける本剤投与時の本薬の血漿中曝露量との曝露
比は約 2.4 倍であり、十分な安全域を有しておらず(5.5 参照)、また、臨床試験の除外基準として、妊
娠している可能性のある女性及び妊婦が設定されていたことから、妊婦への投与に関する安全性情報は
得られておらず、ヒト胎児に対する安全性は確立していない。また、本邦において、SARS-CoV-2 によ
る感染症に対する治療薬で妊婦に対して投与可能な薬剤も承認されていることを考慮すると、本剤が承
認される場合には、妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対する本剤の投与は禁忌に設定すること
が適切である。
5.R.7
出生児発育への影響について
申請者は、ラットを用いた出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験において認められ
た、全児死亡、出生児の出生率及び生存率の低下、並びに離乳後発育及び性成熟の遅延について、以下
のように説明している。
本薬は胎盤を通じて胎児へ移行すること(4.2.4 参照)及び乳汁中に移行すること(4.4.2 参照)から、
胎盤又は母乳を介して本薬に曝露されたことによる影響である可能性は否定できないが、以下の点から
母動物への毒性による影響が大きいと考える。
・
当該試験において、哺育 0~4 日目の体重増加量が低値を示した母動物では、生後 4 日目に出生児生
存率の低値傾向が認められ、全児死亡が認められた母動物では哺育期間中に著しい体重減少を伴っ
ていた。母動物の摂餌量減少は、胎児栄養に悪影響を及ぼし、生存率を低下させることから
(Reproductive Toxicology 2009; 28: 489-94)、出生児生存率の低下は、母動物の毒性により生じたと
考えられること。
・
当該試験では、哺育期間中において、母動物摂餌量と出生児の体重増加量との間に関連性が認めら
れ、母動物の摂餌量減少は出生児体重の低値を示すことが報告されている(日本栄養・食糧学会誌
2011; 64: 011-17)ことから、出生児の体重低値は母動物の毒性に起因すると考えられること。
・
出生児の体重低値が発育及び性成熟の遅延と関連することが知られており(順天堂医学 2009; 55: 273、Biology of Reproduction 2003; 68: 390-400)、当該試験の出生児においても、体重低値を示した個
体において発育・性成熟遅延が観察される傾向があることから、摂餌量低下等の母動物の毒性によ
る出生児の体重低値に関連する変化であると考えられること。
機構は、本薬の出生児発育への影響について、母動物の毒性発現との関連性に関する申請者の説明は
理解可能であるが、現時点において、本薬を授乳婦へ投与した場合のリスクは不明であることから、本
剤が承認される場合には、非臨床試験で認められた毒性所見について添付文書において情報提供する必
要があると考える。
6.
生物薬剤学試験及び関連する分析法、臨床薬理試験に関する資料並びに機構における審査の概略
6.1
生物薬剤学試験及び関連する分析法
本剤の臨床試験では、本薬の懸濁剤及び錠剤(125 又は 250 mg 錠)が使用され、125 mg 錠が市販予定
製剤とされた。各製剤を用いた臨床試験は表 23 のとおりであった。
33
ゾコーバ錠 125 mg_塩野義製薬株式会社_審査報告書
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る所見が認められたことから、潜在的な催奇形性リスクを有する。ウサギ胚・胎児において当該毒性所
見に対する本薬の無毒性量を投与した場合と、ヒトにおける本剤投与時の本薬の血漿中曝露量との曝露
比は約 2.4 倍であり、十分な安全域を有しておらず(5.5 参照)、また、臨床試験の除外基準として、妊
娠している可能性のある女性及び妊婦が設定されていたことから、妊婦への投与に関する安全性情報は
得られておらず、ヒト胎児に対する安全性は確立していない。また、本邦において、SARS-CoV-2 によ
る感染症に対する治療薬で妊婦に対して投与可能な薬剤も承認されていることを考慮すると、本剤が承
認される場合には、妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対する本剤の投与は禁忌に設定すること
が適切である。
5.R.7
出生児発育への影響について
申請者は、ラットを用いた出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験において認められ
た、全児死亡、出生児の出生率及び生存率の低下、並びに離乳後発育及び性成熟の遅延について、以下
のように説明している。
本薬は胎盤を通じて胎児へ移行すること(4.2.4 参照)及び乳汁中に移行すること(4.4.2 参照)から、
胎盤又は母乳を介して本薬に曝露されたことによる影響である可能性は否定できないが、以下の点から
母動物への毒性による影響が大きいと考える。
・
当該試験において、哺育 0~4 日目の体重増加量が低値を示した母動物では、生後 4 日目に出生児生
存率の低値傾向が認められ、全児死亡が認められた母動物では哺育期間中に著しい体重減少を伴っ
ていた。母動物の摂餌量減少は、胎児栄養に悪影響を及ぼし、生存率を低下させることから
(Reproductive Toxicology 2009; 28: 489-94)、出生児生存率の低下は、母動物の毒性により生じたと
考えられること。
・
当該試験では、哺育期間中において、母動物摂餌量と出生児の体重増加量との間に関連性が認めら
れ、母動物の摂餌量減少は出生児体重の低値を示すことが報告されている(日本栄養・食糧学会誌
2011; 64: 011-17)ことから、出生児の体重低値は母動物の毒性に起因すると考えられること。
・
出生児の体重低値が発育及び性成熟の遅延と関連することが知られており(順天堂医学 2009; 55: 273、Biology of Reproduction 2003; 68: 390-400)、当該試験の出生児においても、体重低値を示した個
体において発育・性成熟遅延が観察される傾向があることから、摂餌量低下等の母動物の毒性によ
る出生児の体重低値に関連する変化であると考えられること。
機構は、本薬の出生児発育への影響について、母動物の毒性発現との関連性に関する申請者の説明は
理解可能であるが、現時点において、本薬を授乳婦へ投与した場合のリスクは不明であることから、本
剤が承認される場合には、非臨床試験で認められた毒性所見について添付文書において情報提供する必
要があると考える。
6.
生物薬剤学試験及び関連する分析法、臨床薬理試験に関する資料並びに機構における審査の概略
6.1
生物薬剤学試験及び関連する分析法
本剤の臨床試験では、本薬の懸濁剤及び錠剤(125 又は 250 mg 錠)が使用され、125 mg 錠が市販予定
製剤とされた。各製剤を用いた臨床試験は表 23 のとおりであった。
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ゾコーバ錠 125 mg_塩野義製薬株式会社_審査報告書
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