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【資料No.1】★審査報告書 (71 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26901.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第3回 7/20)、医薬品第二部会(令和4年度第6回 7/20)(合同開催)《厚生労働省》 |
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考えられていたことから、早期のウイルス減少による症状の改善効果を評価することを目的として、delta
株流行期に実施した本薬の第Ⅱa 相パートのデータを参照し、本薬の投与後 120 時間までの 12 症状合計
スコアの単位時間当たりの変化量を臨床学的な主要評価項目として設定し、第Ⅱb 相パートを実施した。
その結果、第Ⅱb 相パートにおいては、流行株が omicron 株となり特徴が従来株と大きく異なったこと
から、第Ⅱa 相パートのデータに基づいて設定した 12 症状に基づく有効性が検証できなかった。一方で、
omicron 株で特徴的な症状として報告されている呼吸器 4 症状や、呼吸器 4 症状に発熱を加えた 5 症状
において、本薬の投与後 120 時間までの 12 症状合計スコアの単位時間当たりの変化量はプラセボと比
較して統計学的に有意な差が認められた。なお、12 症状合計スコアの単位時間当たりの変化量である
AUC(単位時間当たりの変化量に 120 時間を掛けた値)については、他社の COVID 試験や RSV ウイル
ス感染症の臨床試験においても用いられているエンドポイントであり、急性感染症の治療効果を評価す
る上でのエンドポイントとして用いられ始めている72)73)。第Ⅱb 相パートにおいては、感染後初期の症
状の速やかな改善の評価に重きを置いて、投与後 120 時間までの 12 症状の合計スコアの単位時間当た
りの変化量を主要評価項目に設定して評価し、一定の有効性を示唆する評価結果が得られた。特に
omicron 株では症状が軽く、軽い状態のまま症状が遷延することがあり、完全に回復するまでに時間がか
かる特徴があることから、症状消失までを評価した臨床エンドポイントで評価することも重要である。
そこで、グローバルで実施する第Ⅲ相試験における主要評価項目として海外規制当局が推奨している、
症状消失までの時間を評価するため解析した。その結果、症状消失までの時間においても、プラセボと
比較して臨床的効果を示唆する短縮が確認された。また、Kaplan-Meier 曲線の推移からも、120 時間程度
で本薬群とプラセボ群の罹病期間に差が確認され、その傾向が 120 時間以降も維持されていることから、
症状スコアを 120 時間で評価することは可能と考える。
以上のことから、omicron 株の特徴は従来株とは大きく異なり 66)、重症化率が低く、さらにワクチン
接種により重症化率が低下している状況において、入院率や死亡率で有効性を評価することは困難であ
り、第Ⅱb 相パートでの流行株である omicron 株で症状の改善傾向が認められたことから、本剤の有効
性が推定されたものと考える。
「7.R.4 臨床的位置付け及び効能・効果について」関係
「7.R.4 臨床的位置付け及び効能・効果について」における機構の見解を受け、申請者は以下のよう
に考える。
オミクロン株の感染者は重症化率が低く、さらにワクチン接種により重症化率が低下している状況に
おいて、入院率や死亡率で有効性を評価することは困難な状況である。特に、omicron 株の臨床学的特徴
は従来株とは大きく異なることから
66)
、従来株の特徴を参照して設定した 12 症状での評価以上に、
omicron 株に特徴的な症状に対する評価が重要であると考える。第Ⅱb 相パートでは、ワクチン接種や重
症化リスク因子の有無を問わず対象とした上で、omicron 株感染により特徴的に起こる症状に関する改
善傾向が見られたことの臨床的意義は大きいと考える。
また、本薬の高い抗ウイルス効果により罹患後症状のリスク低減、重症化抑制及び伝播抑制が期待で
RS ウイルス阻害薬 EDP-938 のヒトウイルス感染試験における検討(日本語アブストラクト)(The New England Journal of Medicine
本国内版)https://www.nejm.jp/abstract/vol386.p655
73)
Antivir Ther 2000; 5:205-13
72)
日
69
ゾコーバ錠 125 mg_塩野義製薬株式会社_審査報告書
71 / 82
株流行期に実施した本薬の第Ⅱa 相パートのデータを参照し、本薬の投与後 120 時間までの 12 症状合計
スコアの単位時間当たりの変化量を臨床学的な主要評価項目として設定し、第Ⅱb 相パートを実施した。
その結果、第Ⅱb 相パートにおいては、流行株が omicron 株となり特徴が従来株と大きく異なったこと
から、第Ⅱa 相パートのデータに基づいて設定した 12 症状に基づく有効性が検証できなかった。一方で、
omicron 株で特徴的な症状として報告されている呼吸器 4 症状や、呼吸器 4 症状に発熱を加えた 5 症状
において、本薬の投与後 120 時間までの 12 症状合計スコアの単位時間当たりの変化量はプラセボと比
較して統計学的に有意な差が認められた。なお、12 症状合計スコアの単位時間当たりの変化量である
AUC(単位時間当たりの変化量に 120 時間を掛けた値)については、他社の COVID 試験や RSV ウイル
ス感染症の臨床試験においても用いられているエンドポイントであり、急性感染症の治療効果を評価す
る上でのエンドポイントとして用いられ始めている72)73)。第Ⅱb 相パートにおいては、感染後初期の症
状の速やかな改善の評価に重きを置いて、投与後 120 時間までの 12 症状の合計スコアの単位時間当た
りの変化量を主要評価項目に設定して評価し、一定の有効性を示唆する評価結果が得られた。特に
omicron 株では症状が軽く、軽い状態のまま症状が遷延することがあり、完全に回復するまでに時間がか
かる特徴があることから、症状消失までを評価した臨床エンドポイントで評価することも重要である。
そこで、グローバルで実施する第Ⅲ相試験における主要評価項目として海外規制当局が推奨している、
症状消失までの時間を評価するため解析した。その結果、症状消失までの時間においても、プラセボと
比較して臨床的効果を示唆する短縮が確認された。また、Kaplan-Meier 曲線の推移からも、120 時間程度
で本薬群とプラセボ群の罹病期間に差が確認され、その傾向が 120 時間以降も維持されていることから、
症状スコアを 120 時間で評価することは可能と考える。
以上のことから、omicron 株の特徴は従来株とは大きく異なり 66)、重症化率が低く、さらにワクチン
接種により重症化率が低下している状況において、入院率や死亡率で有効性を評価することは困難であ
り、第Ⅱb 相パートでの流行株である omicron 株で症状の改善傾向が認められたことから、本剤の有効
性が推定されたものと考える。
「7.R.4 臨床的位置付け及び効能・効果について」関係
「7.R.4 臨床的位置付け及び効能・効果について」における機構の見解を受け、申請者は以下のよう
に考える。
オミクロン株の感染者は重症化率が低く、さらにワクチン接種により重症化率が低下している状況に
おいて、入院率や死亡率で有効性を評価することは困難な状況である。特に、omicron 株の臨床学的特徴
は従来株とは大きく異なることから
66)
、従来株の特徴を参照して設定した 12 症状での評価以上に、
omicron 株に特徴的な症状に対する評価が重要であると考える。第Ⅱb 相パートでは、ワクチン接種や重
症化リスク因子の有無を問わず対象とした上で、omicron 株感染により特徴的に起こる症状に関する改
善傾向が見られたことの臨床的意義は大きいと考える。
また、本薬の高い抗ウイルス効果により罹患後症状のリスク低減、重症化抑制及び伝播抑制が期待で
RS ウイルス阻害薬 EDP-938 のヒトウイルス感染試験における検討(日本語アブストラクト)(The New England Journal of Medicine
本国内版)https://www.nejm.jp/abstract/vol386.p655
73)
Antivir Ther 2000; 5:205-13
72)
日
69
ゾコーバ錠 125 mg_塩野義製薬株式会社_審査報告書
71 / 82