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【資料No.1】★審査報告書 (33 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26901.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第3回 7/20)、医薬品第二部会(令和4年度第6回 7/20)(合同開催)《厚生労働省》 |
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5.R
機構における審査の概略
5.R.1
血中コレステロールの減少への影響について
機構は、カニクイザルを用いた反復投与毒性試験で認められた血中総コレステロール、HDL 及び LDL
コレステロールの減少について、以下のように考える。
反復投与毒性試験において、血中コレステロール減少に関連した組織傷害を示唆する所見や生理機能
障害は認められていないものの、臨床試験において、脂質関連の有害事象が認められており(7.2.1、7.2.2
参照)、ヒトでの忍容性については、臨床試験における脂質関連の有害事象の発現状況を踏まえて検討
する必要があると考える(7.R.3 参照)。
5.R.2
赤血球系パラメータの低下への影響について
申請者は、カニクイザルを用いた反復投与毒性試験において認められた赤血球系パラメータの低下に
ついて、以下のように説明している。
赤血球容積及び赤血球中ヘモグロビン濃度に変動がないこと、脾臓のうっ血が認められたこと及び血
液生化学検査及び尿検査において血管内溶血を示唆する所見が認められていないことから血管外溶血に
起因する可能性がある。また、臨床試験において、貧血等の当該所見に関連する有害事象は認められて
いないこと(7.1.1、7.1.2 参照)から、臨床使用時に安全性上の問題が生じる可能性は低いと考える。
機構は、当該毒性所見のヒトでの安全性について、臨床試験における貧血等の有害事象の発現状況を
踏まえ検討する必要があると考える(7.R.3 参照)。
5.R.3
血中ビリルビン上昇への影響について
申請者は、カニクザイルを用いた反復投与毒性試験において認められた血中ビリルビン上昇について、
血管外溶血、並びに本薬の OATP1B1 及び OATP1B3 阻害作用による当該トランスポーターを介した間
接ビリルビンの肝臓への取込み阻害が関与した可能性があると説明している。
機構は、当該毒性所見について、非臨床試験において、血中ビリルビン上昇に関連する有害性は認め
られないものの、安全域が狭く(5.2 参照)、臨床試験において、申請用量において血中ビリルビン増加
が認められ(7.1.1、7.1.2 参照)、発生機序についてもヒトへの外挿性が否定出来ないことから、ヒトで
の忍容性については、臨床試験における血中ビリルビン上昇に関連する有害事象の発現状況も踏まえて
検討する必要があると考える(7.R.3 参照)。
5.R.4
免疫系への影響について
申請者は、カニクイザルを用いた反復投与毒性試験で認められた脾臓とリンパ節における組織球及び
形質細胞の増加並びに複数の器官・組織における単核細胞主体の炎症性細胞浸潤について、以下のよう
に説明している。
生存例の炎症性変化が認められたいずれの器官・組織においても、実質細胞や血管壁に病理組織学的
な変性病変は認められず、炎症性変化は外来異物によって炎症が起こりやすい器官・組織に認められた
ことから、炎症性変化は細胞傷害に対する反応ではなく、免疫機能の亢進によって誘発されたと考えら
れる。
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ゾコーバ錠 125 mg_塩野義製薬株式会社_審査報告書
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機構における審査の概略
5.R.1
血中コレステロールの減少への影響について
機構は、カニクイザルを用いた反復投与毒性試験で認められた血中総コレステロール、HDL 及び LDL
コレステロールの減少について、以下のように考える。
反復投与毒性試験において、血中コレステロール減少に関連した組織傷害を示唆する所見や生理機能
障害は認められていないものの、臨床試験において、脂質関連の有害事象が認められており(7.2.1、7.2.2
参照)、ヒトでの忍容性については、臨床試験における脂質関連の有害事象の発現状況を踏まえて検討
する必要があると考える(7.R.3 参照)。
5.R.2
赤血球系パラメータの低下への影響について
申請者は、カニクイザルを用いた反復投与毒性試験において認められた赤血球系パラメータの低下に
ついて、以下のように説明している。
赤血球容積及び赤血球中ヘモグロビン濃度に変動がないこと、脾臓のうっ血が認められたこと及び血
液生化学検査及び尿検査において血管内溶血を示唆する所見が認められていないことから血管外溶血に
起因する可能性がある。また、臨床試験において、貧血等の当該所見に関連する有害事象は認められて
いないこと(7.1.1、7.1.2 参照)から、臨床使用時に安全性上の問題が生じる可能性は低いと考える。
機構は、当該毒性所見のヒトでの安全性について、臨床試験における貧血等の有害事象の発現状況を
踏まえ検討する必要があると考える(7.R.3 参照)。
5.R.3
血中ビリルビン上昇への影響について
申請者は、カニクザイルを用いた反復投与毒性試験において認められた血中ビリルビン上昇について、
血管外溶血、並びに本薬の OATP1B1 及び OATP1B3 阻害作用による当該トランスポーターを介した間
接ビリルビンの肝臓への取込み阻害が関与した可能性があると説明している。
機構は、当該毒性所見について、非臨床試験において、血中ビリルビン上昇に関連する有害性は認め
られないものの、安全域が狭く(5.2 参照)、臨床試験において、申請用量において血中ビリルビン増加
が認められ(7.1.1、7.1.2 参照)、発生機序についてもヒトへの外挿性が否定出来ないことから、ヒトで
の忍容性については、臨床試験における血中ビリルビン上昇に関連する有害事象の発現状況も踏まえて
検討する必要があると考える(7.R.3 参照)。
5.R.4
免疫系への影響について
申請者は、カニクイザルを用いた反復投与毒性試験で認められた脾臓とリンパ節における組織球及び
形質細胞の増加並びに複数の器官・組織における単核細胞主体の炎症性細胞浸潤について、以下のよう
に説明している。
生存例の炎症性変化が認められたいずれの器官・組織においても、実質細胞や血管壁に病理組織学的
な変性病変は認められず、炎症性変化は外来異物によって炎症が起こりやすい器官・組織に認められた
ことから、炎症性変化は細胞傷害に対する反応ではなく、免疫機能の亢進によって誘発されたと考えら
れる。
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ゾコーバ錠 125 mg_塩野義製薬株式会社_審査報告書
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