電波環境協議会による「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き(改訂版)」(令和3年7月)について (107 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190382_00010.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和3年度第2回 3/16)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
携帯電話
携帯電話と医用電気機器の間の離隔距離の設定に当たり、携帯電話等からの電波が各種医
用電気機器に与える影響調査を具体的に行うことで、安全性を確認した結果に基づいた離隔
距離を設定することができます。
そこで、携帯電話端末との接近が想定される医用電気機器や、離隔距離を短く設定しなけ
ればならないときには、利用が想定される電波利用機器などを用いて医用電気機器への影響
調査を行い、発生する影響事象や影響が発生しなくなる距離等を明らかにすることが必要で
す。
ただし、携帯電話端末から発射される電波は周囲の状態や通信内容などによって周波数や
出力(強さ)が大きく変化しますので、電波環境の調査・測定等を行う専門事業者に依頼し
て実施することを検討してもよいでしょう。
携帯電話端末からの電波が医療機関の医用電気機器に与える影響を測定した実施例を以
下に示します。
2014 年度に電波環境協議会で「電波が医療機関内の医用電気機器へ与える影響の調査」46
として、W-CDMA 方式の携帯電話端末からの電波の医用電気機器に対する干渉試験が行われ、
その結果が報告されています。影響調査は、端末実機よりも電波の放射効率の良い半波長ダ
イポールアンテナや信号発生器等を使用した模擬システムを用いたスクリーニング測定と
携帯電話端末実機を用いる 2 段階で行われました。端末実機を用いる影響測定はスクリーニ
ング測定で影響が発生した医用電気機器に対してのみ行われました。W-CDMA 方式の電波は、
規格上の最大出力で放射し、医用電気機器が影響を受けやすいとされている 1 秒周期で電波
が断続した状態としています。模擬システムを用いたスクリーニング測定と端末実機を用い
る影響測定の結果を参-表 2 と参-表 3 に例示します。
さらに、2020 年度に電波環境協議会で「電波が医療機関内の医用電気機器へ与える影響
の調査」として、2014 年以降に携帯電話で新たに利用が開始された周波数帯を含めて、電波
の医用電気機器に対する干渉試験が行われ、その結果が報告されています。この影響調査は、
端末実機よりも電波の放射効率の良い半波長ダイポールアンテナや信号発生器等を使用し
た模擬システムによってのみ行われました。照射する電波は、以前の調査と同じよう規格上
の最大出力で放射し、医用電気機器が影響を受けやすいとされている 1 秒周期で電波が断続
した状態としています。影響測定の結果を参-表 4 に示します。
2020 年度の調査は、模擬システムのみで行っており、2014 年度の調査のように携帯電話
端末実機による影響測定は行っていない点に注意が必要です。模擬システムによる影響測定
は、端末実機による影響測定に対して過大側の評価になるため、最大影響発生距離も相対的
46
「医療機関における携帯電話等の使用に関する報告書」
(2014 年 8 月)
https://www.emcc-info.net/medical_emc/pubcom2/2608_2.pdf
100