電波環境協議会による「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き(改訂版)」(令和3年7月)について (97 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190382_00010.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和3年度第2回 3/16)《厚生労働省》 |
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旧規格及び新規格による離隔距離の具体例を以下に示します。各医用電気機器の離隔距離
は通常は附属文書(添付文書や取扱説明書など)に記載されていますが、確認できない場合
は製造販売業者に確認しましょう。
1. 旧規格(JIS T 0601-1-2:2012)
(1)非生命維持機器
放射 RF イミュニティ試験条件:
試験周波数: 80MHz~2.5GHz
試験レベル: E=3V/m
推奨分離距離:d=3.5/E×√P = 1.2√P m(80MHz~800MHz)
d= 7/E×√P = 2.3√P m(800MHz~2.5GHz)
P:送信機の最大定格出力電力(W)
(2)生命維持機器
放射 RF イミュニティ試験:
試験周波数: 80MHz~2.5GHz
試験レベル: E=10V/m
推奨分離距離:d=12/E×√P = 1.2√P m(80MHz~800MHz)
d=23/E×√P = 2.3√P m(800MHz~2.5GHz)
P:送信機の最大定格出力電力(W)
現在の日本の携帯電話方式では、端末の最大出力電力は第 3 世代の W-CDMA 方式の 250mW
(0.25W)であるため、800MHz 帯の携帯電話の場合、d=2.3√P に 0.25W を入れて計算すると
推奨分離距離 d は 1.15m となります。
2.新規格(JIS T 0601-1-2:2018)
RF 無線通信機器からの近接電磁界に対するイミュニティ試験:
試験周波数: 規格で規定された試験周波数注 1)
最小分離距離:0.3m(30cm)
試験レベル: E=6/d×√P V/m 注 2)
P:無線通信機器の最大電力(W)
注 1)規格に示されている周波数はあくまで無線通信機器(携帯電話や無線 LAN 機器)で使われる周波
数の代表例であり、例えば日本で使用されている携帯電話の周波数帯が全て網羅されているわけ
ではない。各国で用いている周波数及びサービス、最新の通信サービスを考慮して試験周波数を
追加することが望ましいとされている。
注 2)より高い試験レベル(電界強度)で適合している場合は、より高い試験レベルから算出したより
短い最小分離距離としてもよい。
上記のとおり、新規格では 30cm の最小分離距離に基づき試験レベルが設定されます。例
えば、LTE 方式の 700MHz 帯の最大電力 200mW(0.2W)の携帯電話の試験レベルは 9V/m とな
ります。また、附属文書には「警告:携帯形 RF 通信機器(アンテナケーブル及び外部アン
テナなどの周辺機器を含む)を、
(ME 機器または ME システムの)あらゆる部分から 30cm よ
りも近づけない。近づけた場合、機器の性能の低下が生じる可能性がある」という趣旨の警
告が記載されます。
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