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【資料2】新型インフルエンザ等対策政府行動計画(令和6年4月24日時点案) (49 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_39968.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第84回 5/7)《厚生労働省》
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新型インフルエンザ等対策の対策項目と横断的視点

中で極めて短い期間でワクチンが実用化された。これにより、ワクチン開発
に成功した国々や速やかにワクチンを導入することができた国や地域では
大規模な接種が進められ、重症化予防等の効果により、対策に当たって大き
な役割を果たした。
このように、新型インフルエンザ等の発生時に、初期の段階から研究開発
や臨床研究等を進めることで、有効性及び安全性の確保されたワクチン、診
断薬及び治療薬等の早期の開発につなげることは、新型インフルエンザ等へ
の対応能力を高める観点から極めて重要である。
平時から技術開発を進め、正確かつ短時間に検査可能な診断薬、感染拡大
後の検査需要拡大に対応できる検査機器及び検査試薬、迅速検査キット等に
よる検査能力の強化や、治療薬・治療法の早期の普及によって、多くの地域
の医療機関での対応が可能となる。感染拡大防止や医療提供体制の強化には、
治療薬や診断薬の早期の実用化に向けた研究開発が重要な役割を担ってい
る。
また、ワクチンの普及による重症化予防等の効果も新型インフルエンザ等
への対策上重要であり、早期のワクチンの実用化に向けても研究開発が重要
な役割を担っている。
さらに、ワクチン、診断薬及び治療薬等の普及により、検査体制や医療提
供体制の充実、免疫の獲得等が進むことで、国民の生命及び健康の保護がよ
り一層図られることとなる。その結果、こうした状況の変化に合わせた適切
なタイミングで、感染拡大防止と社会経済活動のバランスを踏まえた対策の
切替えを行うことができる。
このように、新型インフルエンザ等対策において、研究開発の推進は、対
策全体に大きな影響を与える重要なものである。一方で、新型インフルエン
ザ等の発生時の迅速な研究開発には平時からの取組が不可欠である。平時に
は、こうした感染症危機対応医薬品41については需要が見込めない場合があ
り、市場の予見可能性が乏しく、製薬関連企業が開発投資を行い、実用化に
至るまでには多くの課題がある。ワクチン、診断薬及び治療薬等の研究開発
について平時からの促進と新型インフルエンザ等発生時における迅速な対
応が可能となるよう、市場の予見可能性を高め、製薬関連企業が開発に乗り
出しやすくするため長期かつ継続的な研究支援体制の構築及び研究開発や
治験に係る専門人材の育成を含め、支援策について整理する。
「ワクチン開発・生産体制強化戦略」に基づき重点的な取組が進められて
いるワクチンだけでなく、診断薬や治療薬についても、新型インフルエンザ
41 感染症危機管理において、救命、流行の抑制、社会活動の維持等、危機への医療的な対抗手段となる
重要性の高い医薬品や医療機器等を指す。

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