【資料No.1】2.5_臨床に関する概括資料 (153 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26901.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第3回 7/20)、医薬品第二部会(令和4年度第6回 7/20)(合同開催)《厚生労働省》 |
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2.5 臨床に関する概括評価
中和抗体薬のカシリビマブ/イムデビマブ及びソトロビマブ,
JAK 阻害剤のバリシチニブ,抗 IL-6
受容体抗体のトシリズマブの 7 剤が COVID-19 治療薬として承認されている.
本邦の COVID-19 患者は軽症から中等症 I が大多数を占めているものの,治療薬及び治療法
は限られており,経口の抗ウイルス薬であるモルヌピラビル及びニルマトレルビル・リトナビ
ルも,軽症から中等症 I の患者へ使用されるが,原則として重症化リスク因子を有する患者に
限定されている.COVID-19 の収束に向けて,新たな治療選択肢に対する社会的ニーズは高い
(2.5.1.2.2 項参照).
2.5.6.2
2.5.6.2.1
ベネフィット
ウイルス力価及びウイルス RNA 量に基づく,抗ウイルス効果が示された
T1221 試験 Phase 2b Part において,Day 4 における SARS-CoV-2 のウイルス力価のベースライ
ンからの調整済み変化量の推定値は,プラセボ群と比較して 375/125 mg 群及び 750/250 mg 群
の両群で約 0.4 log10 (TCID50/mL) の減少を示し,375/125 mg 群及び 750/250 mg 群の両群でプラ
セボ群と比較して有意差が認められた (p < 0.0001).Day 2 及び Day 6 においても,375/125 mg
群及び 750/250 mg 群の両群で有意差が認められた (Day 2:それぞれ p <0.0001,p <0.0001,
Day 6:
それぞれ p = 0.0012,p = 0.0010).また,Day 2,Day 4,Day 6 における SARS-CoV-2 のウイルス
RNA 量の調整済み変化量の推定値は,プラセボ群と比較して 375/125 mg 群及び 750/250 mg 群
の両群でそれぞれ約 0.4 log10 (copies/mL),約 1.2 log10 (copies/mL),約 1.0 log10 (copies/mL) の減
少を示し,いずれの時点においても 375/125 mg 群及び 750/250 mg 群の両群でプラセボ群と比
較して有意差が認められた (いずれも p < 0.0001).
T1221 試験 Phase 2a Part において,軽症/中等症及び無症候の SARS-CoV-2 感染者を併せた全
集団で,ウイルス力価のベースラインからの変化量は,Day 4 時点でプラセボ群と比較して約
1 log10 (TCID50/mL) の減少を示し,調整済み変化量の推定値もプラセボ群と比較して約 1 log10
(TCID50/mL) の減少を示した (2.5.4.3.2.2 項参照).ウイルス RNA 量のベースラインからの変化
量も,Day 4 時点でプラセボ群と比較して約 1.4 log10 (copies/mL) の減少を示し,調整済み変化
量の推定値もプラセボ群と比較して約 1 log10 (copies/mL) の減少を示した (2.5.4.3.3.1 項参照).
また,ウイルス学的検査に基づくその他複数の評価項目においても,抗ウイルス効果が期待さ
れる結果が得られた (2.5.4.3.3.2~2.5.4.3.3.5 項参照).
抗ウイルス薬による薬物治療は SARS-CoV-2 の感染後早期に開始し,ウイルス増殖を速やか
に抑制し,ウイルス感染に起因する過剰な炎症や免疫反応を抑えることが症状改善に有益と考
えられている.上記の結果から,本剤投与による抗ウイルス効果が確認されたため,本剤は
SARS-CoV-2 に対する抗ウイルス薬として新たな治療選択肢となり得ると考える.
2.5.6.2.2
臨床症状改善効果が確認された
T1221 試験 Phase 2b Part において,COVID-19 の 12 症状合計スコアの Day 1 から Day 6 まで
の単位時間あたりの変化量は,375/125 mg 群及び 750/250 mg 群の両群でプラセボ群と比較して
有意差は認められなかったものの,調整済み変化量の推定値は,375/125 mg 群及び 750/250 mg
の両群でプラセボ群と比較して大きかった.Phase 2b Part の被験者集団ではベースラインのス
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