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【資料No.1】2.5_臨床に関する概括資料 (154 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26901.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第3回 7/20)、医薬品第二部会(令和4年度第6回 7/20)(合同開催)《厚生労働省》
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S-217622

2.5 臨床に関する概括評価

コアの平均値が 1 (軽度) 未満の症状が多く,1 (軽度) 以上であったのは,けん怠感 (疲労感),
熱っぽさ又は発熱,鼻水又は鼻づまり,喉の痛み,咳であった.これらの症状を含む,呼吸器
症状のサブ合計スコア (鼻水又は鼻づまり,喉の痛み,咳,息切れ [呼吸困難] の合計スコア)
の Day 1 から Day 6 までの単位時間あたりの変化量については,いずれの群においてもプラセ
ボ群との間で有意差が認められた.また,主な臨床症状 (鼻水又は鼻づまり,喉の痛み,咳,悪
寒/発汗,熱っぽさ又は発熱) 及び急性症状 (喉の痛み,咳,熱っぽさ又は発熱) でも,375/125 mg
群において有意差は認められなかったが,プラセボ群より改善する傾向がみられた.さらに,
事後解析として実施した,呼吸器症状に熱っぽさ又は発熱を加えた 5 症状について,いずれの
群においてもプラセボ群との間で有意差が認められた.
T1221 試験 Phase 2a Part において,軽症/中等症の SARS-CoV-2 感染者における COVID-19 症
状が回復するまでの時間は,中央値では群間で同程度であったものの,罹病期間の別の要約指
標である 21 日までを境界とする RMST はプラセボ群と比較して短縮される傾向がみられた
(2.5.4.3.3.6 項参照).また,COVID-19 の 12 症状合計スコアでは,投与 12 時間後からプラセボ
群よりも減少がみられ (2.5.4.3.3.7 項参照),COVID-19 症状が回復した被験者の割合でも,投与
72 時間後から,プラセボ群と比較して高い傾向がみられた (2.5.4.3.3.8 項参照).
軽症/中等症の SARS-CoV-2 感染者において,抗ウイルス効果に加え,本剤投与による臨床症
状改善効果が確認された.
また,本邦ガイドライン [9] において,有症状者の場合の退院基準及び宿泊療養等の解除基
準は,以下のように定められている.
① 発症日から 10 日間経過し,かつ,症状軽快後 72 時間経過した場合,退院可能とする.
② 症状軽快後 24 時間経過した後,
PCR 検査または抗原定量検査で 24 時間以上間隔をあけ,
2 回の陰性を確認できれば,退院可能とする.
基準②では症状軽快後を起点としており,本剤投与による臨床症状改善効果は,入院又は宿
泊療養等による隔離期間を短縮することに寄与することが期待される.これにより,SARSCoV-2 感染による患者への負担及び医療資源の逼迫の軽減にも繋がると考える.
2.5.6.2.3

1 日 1 回経口投与の抗ウイルス薬である

非臨床薬理試験の結果,本剤投与により肺内ウイルス力価を低下させるためには,必要薬効
濃度を上回る血漿中薬物濃度を,投与期間を通じて維持することが重要であると考えられた
(2.4.2.1.4 項参照).T1211 試験の結果から,本剤の終末相半減期の幾何平均値は 42.2~48.1 時間
であり (2.5.3.1.1 項参照),負荷用量と維持用量を組み合わせた 1 日 1 回の服薬により,抗ウイ
ルス効果の発現に必要な血漿中薬物濃度を維持することが可能である.なお,懸濁剤による食
事の影響の検討により,食事条件の設定は不要とした (2.5.2.3 項参照).
2022 年 2 月 21 日現在,経口の抗ウイルス薬として本邦で特例承認されているモルヌピラビ
ル及びニルマトレルビル・リトナビルは 1 日 2 回投与である [20, 22].本剤は 1 日 1 回経口投
与のため,より簡便に服薬可能であることから,治療環境の改善及び服薬コンプライアンスの
維持に貢献できると考える.
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