■ 大学病院における医師の働き方に関する調査研究報告書 (18 ページ)
出典
公開元URL | https://ajmc.jp/news/2023/04/17/5048/ |
出典情報 | 全国医学部長病院長会議 記者会見(4/17)《全国医学部長病院長会議》 |
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ことが減ったが、それに伴い経験する症例数も減ったようにも感じ、医師としての成長のス
ピードは遅くなっているように感じる。
○ 保有機器数は多いが、いずれも旧式のものであり、最新の医療技術の習得の十分な助け
にならない。
等が記載されている。
4.改善状況について
1)働き方改革の観点から大学病院での「教育」における改善状況
大学病院における教育における改善が進んでいると「感じる」は58人(5.9%)、「やや感じる」
は168人(17.2%)、「あまり感じない」は370人(37.8%)、「ほとんど感じない」は 382 人
(39.1%)であり、ほとんどの者は改善が進んでいないと感じている。
主な意見としては、
〇 診療業績を挙げることに注力しており、他の業務への配慮はなされていないと感じる。大
学病院としてのアイデンティティをそこで働く医師が感じにくい状況となっている。また病院
の中での教育業務に対しては適正に評価されていない。結果として改善を進めるための議
論さえ行われていない。
〇 教育の専任職員の配置や、専門的な教育ツールの提供がない。コロナ禍により、IT 技術
の導入が促進され、Web を通じた遠隔教育やコンテンツの共有がしやすくなったことは歓
迎できる。しかし、学生・研修医・専攻医・指導医の屋根瓦が機能せず、すべての教育が指
導医に集中しているため、指導医の負担はまだまだ大きいと感じている。
〇 Web システムを利用でき、出欠の管理、小テストの実施、アンケートの実施などが簡便に
なった。資料配布は不要で、ペーパーレス化が進み、学生にも好評である。
等が記載されている。
2)働き方改革の観点から大学病院での「研究」における改善状況
大学病院における研究における改善が進んでいると「感じる」は 29 人(3.0%)、「やや感じる」
は 129 人(13.2%)、「あまり感じない」は 359 人(36.7%)、「ほとんど感じない」は 461 人
(47.1%)であり、ほとんどの者は改善が進んでいないと感じている。
主な意見としては、
〇 大学の研究環境は決してよいものではない。教育、研究、臨床のどれにも関わることがで
きている先輩医師は非常に少ない。今回の改革で、診療に関する効率化については焦点が
当てられているが、研究に関する効率化には焦点が当てられているとは感じない。
〇 臨床研究において、ドクターズクラーク、がん登録センタースタッフのヘルプでターゲット疾
患の患者の抽出、臨床データの収集に著明な時間短縮が可能となったため、労働時間短縮
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