■ 大学病院における医師の働き方に関する調査研究報告書 (42 ページ)
出典
公開元URL | https://ajmc.jp/news/2023/04/17/5048/ |
出典情報 | 全国医学部長病院長会議 記者会見(4/17)《全国医学部長病院長会議》 |
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1)「教育」「研究」「診療」におけるICT化の推進は、医師の働き方改革において、勤務時間削減や業務
の効率化に寄与すると感じますか?
① 感じる
回答人数(割合)
279 (28.4%)
② やや感じる
366
(37.3%)
③ あまり感じない
215
121
(21.9%)
④ ほとんど感じない
回答合計人数
981
(100.0%)
(12.3%)
【主な自由記載】
〇 教育に関しても、大学の特徴というものがあるかもしれないが、今はオンライン授業でどこでも授業が
聞けるため、それぞれで担当するわけではなく、教育においても分担できるのではないかと思う。コロ
ナ禍など今後も種々の状況によりオンラインでの教育が必要となることが予想されます。また医師・看
護師の生涯教育においてもこれまでは学会主導の現地での実習・講義が主でしたが、ダイバーシ
ティを考え今後もオンラインでの生涯学習が継続されるべきと思います。
〇 研究においては日常診療の莫大なデータが眠った状況にありますので、これらをAI等をうまく活用
し、今あるデータでより質の高い医療提供に繋げていく必要があります。診療においては、過疎地域
の遠隔医療などでオンライン診療が重要になりますので、ICTの活用が必須と思います。
〇 兼業・副業先がWEB診療可能になると、移動時間が減り、体力的にも楽になる。しかし現状では
WEB診療の要件が厳しすぎて、実現は不可能な状況。大学に居ながら、兼業・副業先のカルテを記
載することはセキュリティー上、難しいのだろうか。一方で、現在のWEB会議ツールは、相手が話して
いる時はこちらは聞いている状況になり、対面での会議・面談に比べに時間が1.5-2倍程度かかり、
もう少し対面での会話のように同時会話性(双方向性レスポンス)の向上が進むとツールとしても、よ
りよいと思う。
〇 とくに研究についてはデータ収集や文献検索などありとあらゆる分野で必要になるため。診療につい
ては他病院との連携などにより患者情報が集約でき、かつそういったデータを研究や教育に活用で
きるようになる。教育についてもオンライン化することと、講義ビデオをアーカイブすることでいつでも
教育をうけられるシステムができることなど。
〇 医学教育,とくに系統講義は個々の大学ごとに実施する必要はない。集約化,あるいは全国で統一
化しても問題ないし,講義の上手な医師が配信すれば,その方が効率的。
〇 大学独自にそれぞれのやり方で求めるのは酷である。ある程度の共通システムを複数の大学で作成
し、利用、ブラッシュアップをしていくなど手段を択ばないとそれぞれの大学が時間と、労力を使って
いると推測される。
2)「教育」「研究」「診療」において、ICT化促進のために必要な事を教えてください
【主な自由記載】
〇 諸外国をみればVPNを用いて電子カルテにアクセスしたり、病院のデータベースを用いて研究が盛
んに行われている。患者の個人情報を蔑ろにすることは許されないが、研究のハードルを下げない
ことには国際的な競争力は低下する一方である。 日本ではエビデンスに基づいたハイレベルな医
療をどこの病院でも安価で提供することができ、それは施設が分散していてなおかつ国民皆保険制
度が整備されているが故の産物ではあるが、一方でエビデンスを作っていく側にはなれていない。
日本人研究者が提唱した免疫チェックポイント阻害薬の売り上げがアメリカに流れていくように、折角
の技術や人材も、イニシアティブを取らないことには流れ出てしまう。
〇 会議のリモート化や、デジタルワークスペース(Slackなど)を使った情報交換、OneNoteを使った成果
物の作製などは、身近に感じるDx/ICT化の実例です。イノベーションを実感するまでには、いかな
い。旧来の手法や、習慣的になっている行事を、全面的に見直して、禁止するくらいの荒療治が必
要かもしれません。現状、個々の努力にゆだねられています。
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