■ 大学病院における医師の働き方に関する調査研究報告書 (36 ページ)
出典
公開元URL | https://ajmc.jp/news/2023/04/17/5048/ |
出典情報 | 全国医学部長病院長会議 記者会見(4/17)《全国医学部長病院長会議》 |
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1)働き方改革により労働時間が制限される事による「教育」への影響
① ある
回答人数(割合)
302 (30.9%)
② ややある
286
(29.2%)
③ あまりない
224
(22.9%)
④ ほとんどない
166
(17.0%)
回答合計人数
978
(100.0%)
【教育への影響の主な自由記載】
〇 教育に費やす時間は、医学生や研修医、専攻医などと直接接する時間(診療や講義など)のみなら
ず、その準備(講義資料・試験問題作成や論文・発表指導等)に費やす時間も相当あります。教育と
いうのは、一般業務と異なり、効率を求めたり、要領のよさでこなす仕事ではないと考えています。し
たがって、教育という仕事にも働き方改革を適用することは問題だと感じます。現状のまま働き方改
革を進めると、(診療に割く時間を削るわけにはいかないので、教官が納得のいく教育に割く時間を
削ることになりかねないので))教育の質が落ちることは明確だと危惧しています。特に、大学病院医
学部には教育専任の教官がいるわけではない点を考慮するべきと思います。また、働き方改革はあ
くまでも勤務先での滞在時間をもとにしていますが、その点も大きな問題だと思います。子育て中の
女性医師の場合は、保育園の送迎や家事・育児のため帰宅時間は早いですが、帰宅後に自由な時
間を過ごしているわけではありません。自分の3人の子供が幼少のころは、帰宅後は家事と育児にお
われ、毎日3時に起床し、子どもを起こす6時までの毎朝3時間は、(子育てのために早く帰宅した
分、大学病院でできなかった)試験問題作成や実習スケジュール作成などを行っていました。これら
の時間は勤務時間にはカウントされません。
〇 教育の準備に使用する時間はなくなるため、準備がおろそかになり新しい話題を組み込むことはほ
ぼ不可能となる。また、臨床における手技、臨床への直接的な指導は時間の関係上不可能になるで
あろうと推測される。さらに、間接的に試験問題の作成、時間外のOSCE、CBTをはじめとした試験監
督など、の影響も多大なるものがある。時間がなければ、時間を使わない、簡便かつ使いまわしにな
る可能性が高い。また、限られた時間の中で、医学生とのコミュニケーションをとることも臨床を行い
ながら教育に当たることはほぼ不可能であると推測される。
〇 研修医の修了要件には、厚労省の研修ガイドラインにも指定されているCPC、医療安全カンファレン
ス、Team STEPPSコース、感染対策研修、子供虐待対応講習会等数多くの参加必須項目があり、そ
の他にも病院独自の年3回シミュレーション研修、年10回の研修医セミナーなどが実施されている。
これらの開催は自己学習時間とは、ならないため今後実施時間、回数等の制限の検討が余儀なくさ
れることが予想される。また研修医に限らず、医療安全、感染対策などの講習の受講は病院職員の
必須項目であり、これらの開催についても影響を受ける。
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