よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


■ 大学病院における医師の働き方に関する調査研究報告書 (38 ページ)

公開元URL https://ajmc.jp/news/2023/04/17/5048/
出典情報 全国医学部長病院長会議 記者会見(4/17)《全国医学部長病院長会議》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

3)働き方改革により労働時間が制限される事による「診療」への影響
回答人数(割合)
463 (47.2%)

① ある
② ややある

264

(26.9%)

③ あまりない

153

(15.6%)

④ ほとんどない

101

(10.3%)

回答合計人数

981

(100.0%)

【診療への影響の主な記載例】
〇 現状の業務で時間内に業務を終了させることは不可能な状態であるのに、働き方改革という名目で
時間内に業務を終了させることはどう考えても不可能である。また医師の業務は患者の求めがあって
行われるものであることから、自分で業務量をコントロールすることが困難である。「効率化」するとい
うことは、患者の求めがあっても業務量を制限することが必要となってしまう。働き方改革を実行する
のであれば、患者側も医療者が休むために犠牲を強いられる(診療の要望があってもかなえられな
いことがある、医師が来ないことがある)ことを納得することが必須である。
〇 高度な技術や知識が必要な症例が集まる大学病院では、対応できる医師が限られている症例も多
い。それぞれに疾患領域について大学病院として必要な水準の知識・技術を有する最低でも医師
が2名以上いなければ労働時間が制限された際に補完できる医師がいないため、医師数が少ない
診療科では特に深夜手術や急患対応・急変対応の翌日には患者に必要な医療が提供できない状
況が生じる可能性がある。また、現状が診療を維持するために必要な最低限の人員であった場合、
労働時間制限はインターバル確保のため日中のマンパワーとなり予定治療に人員をすべて動員し、
大学病院でなければ対応できないような急患への対応ができず患者に不利益が生じる可能性があ
る。
〇 我々の責務は、患者の生命のための医療の提供である。診療における影響は最も避けたい。そのた
めに教育、研究をなおざりにしてでも、診療は今までの体制をなるべく維持したい。しかし、今は良く
ても10年後の日本における医療の未来はない。また、業務を簡素化するために、①書類②説明と同
意書の取得③診療に関わる会議、これらを医師以外の業務とせざる負えない。あまりにも患者の権
利を主張する患者が増えている、ここに費やす時間が極めて持ったない。ここへの対応が解決され
る手段を具体的にとっていただきたい。実際の現場では、緊急時に対応が迅速に行うことが難しくな
ることも推測される。結局のところ、今後も、『働き方改革の勤務時間』外で準備することになると考え
る。
〇 教育、研究などの他の業務にしわ寄せが行きがちであるが、診療と自己研鑽を分けて考えるのが難
しい。シフトで労働時間を管理しているため、以前より休日や時間外に病院にいることが減ったが、
それに伴い経験する症例数も減ったようにも感じ、医師としての成長のスピードは遅くなっているよう
に感じる。
〇 病棟診療に従事していると時間外に家族への説明や急患の対応など時間で区切れない業務内容
は多い。患者や患者家族の側にも、医師の働き方改革を十分に理解されていないと、患者医療者
間のトラブルの原因にもなり兼ねない。研修医の労働時間を遵守するために、指導医の労働時間が
増えることが予想される。現実に臨床研修医制度の開始後、この事態は明らかである。

4)医師の働き方改革でもっとも影響を受けると考えられる業務
①診療
②研究
③教育
合計

回答人数(割合)
571 (58.3%)
292

(29.8%)

117
980

(11.9%)
(100.0%)

34