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資料3 指定難病に係る新規の疾病追加について情報提供のあった疾病(個票)(第55回指定難病検討委員会において検討する疾病) (19 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37546.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第54回 2/6)社会保障審議会 小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病検討委員会(第2回 2/6)(合同開催)《厚生労働省》
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原発性肝外門脈閉塞症
○ 概要
1.概要
肝外門脈閉塞症とは、肝門部を含めた肝外門脈の閉塞により門脈圧亢進症に至る症候群をいう(分
類として、原発性肝外門脈閉塞症と続発性肝外門脈閉塞症とがあるが、続発性は除外する)。小児の
門脈圧亢進症のうち肝硬変によらない門脈圧亢進症として最も頻度が高い。
2.原因
原発性肝外門脈閉塞症の病因は未だ不明であるが、血管形成異常、血液凝固異常、骨髄増殖性疾
患の関与が推定されている。
3.症状
重症度に応じ易出血性食道・胃静脈瘤、異所性静脈瘤、門脈圧亢進症性胃腸症、腹水、肝性脳症、
出血傾向、脾腫、貧血、肝機能障害などの症候を示す。小児においては成長障害をきたしている例が
多く、鼻出血を契機に診断されることがある。
4.治療法
閉塞した門脈を根本的に開通させる方法はない。予後を最も左右するものは、消化管静脈瘤出血で
ある。出血例に対しては内視鏡的止血術(硬化療法、結紮術)を行い、止血困難な場合には緊急手術
も考慮する。未出血の予防例でも易出血性の食道胃静脈瘤に対しては、内視鏡的治療、または予防
手術を考慮する。しかし、手術を行う場合は、血行動態を検討して術式を選択することが重要である。
側副血行路によって肝内門脈血流が保たれている事も多く、安易に手術を施行すると肝への門脈血
流が無くなることがあるため注意を要する。
5.予後
3~7 年生存率は 90~98%、10 年生存率は 69~86%と報告されており、比較的生命予後は良い。消
化管静脈瘤出血のコントロールが肝要である。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数(2015 年の全国疫学調査より推定)
770 人(95%信頼区間:610-930 人)
2.発病の機構
不明(血管形成異常、血液凝固異常、骨髄増殖性疾患の関与が推定されている)
3.効果的な治療方法
未確立(消化管静脈瘤など門脈圧亢進症に対する治療が主体)
4.長期の療養
必要(根本的な治療法がない)
5.診断基準
あり(研究班が作成し、学会が承認した診断のガイドライン)
6.重症度分類

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