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資料3 指定難病に係る新規の疾病追加について情報提供のあった疾病(個票)(第55回指定難病検討委員会において検討する疾病) (62 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37546.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第54回 2/6)社会保障審議会 小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病検討委員会(第2回 2/6)(合同開催)《厚生労働省》
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法≧102.5 コピー/μgDNA)が 1 つの目安となる。組織診断には in situ hybridization 法等による EBER 検出を用いる。
3) EBV 感染標的細胞の同定は、蛍光抗体法、免疫組織染色またはマグネットビーズ法などによる各種マーカー陽性細
胞解析(B 細胞、T 細胞、NK 細胞などを標識)と EBNA、EBER あるいは EBVDNA 検出などを組み合わせて行う。
4) 先天性・後天性免疫不全症、自己免疫・炎症性疾患、膠原病、悪性リンパ腫(Hodgkin リンパ腫、節外性 NK/T 細
胞リンパ腫-鼻型、血管免疫芽球性 T 細胞リンパ腫、末梢性 T 細胞リンパ腫-非特定型など)、白血病(アグレッシブ NK
細胞白血病など)、医原性免疫不全などは除外する。鑑別診断、病型の把握のために以下の臨床検査の実施が望ま
れる。
a) EBV 関連抗体価 蛍光抗体法による測定では、一般に VCA-IgG 抗体価 640 倍以上、EA-IgG 抗体価 160 倍
以上が抗体価高値の目安となる。加えて VCA-IgA, VCA-IgM および EA-IgA 抗体がしばしば陽性となる。患者では抗
体価が高値であることが多いが、必要条件ではなく、抗体価高値を認めない症例も存在する。
b) クローナリティの検索 ①EBVterminal repeat probe を用いた Southern blot 法、②遺伝子再構成検査
(T 細胞受容体など)
c) 病変組織の病理組織学的・分子生物学的評価 ①一般的な病理組織所見、②免疫組織染色、③染色体
分析、④遺伝子再構成検査(免疫グロブリン、T 細胞受容体など)
d) 免疫学的検討
①末梢血マーカー分析(含 HLA-DR)、②一般的な免疫検査(細胞性免疫 [含 NK 細胞
活性]・抗体・補体・食細胞機能など)、③各種サイトカイン検索
6.重症度分類
軽症:
CAEBV と診断後、直近の3か月以上、薬物療法*1 なしで疾患活動性の兆候*2 がない。
中等症: 薬物療法*1 の継続により直近の3か月間、疾患活動性の兆候*2 がない。
重症:

薬物療法*1 の継続の有無に関わらず直近の3か月間、疾患活動性の兆候*2 を有する。

*1 薬物療法:ステロイド、免疫抑制剤、抗がん剤、ガンマグロブリン製剤など
*2 疾患活動性の兆候 (慢性活動性 EBV 病とその類縁疾患の診療ガイドライン 2023)
1. 持続する発熱(37.5℃以上)
2. 肝機能障害(ALT が施設基準値の 2 倍以上を 2 回連続して示す)
3. 進行する皮膚病変(病理学的検査で診断されたもの)、血管炎(病理学的検査で診断されたもの)、ぶどう膜炎
(眼科医による診断)などの炎症症状が持続する状態を有する
疾患活動性は造血幹細胞移植の予後不良因子である (Am J Hematol 2022; 97;780-90) 。
治療に関するコメント: CAEBV の根治療法は造血幹細胞移植だが(診療ガイドライン 1C)、軽症例は移
植体制を整え慎重な経過観察も選択肢としてあり得る(長期無治療生存例)。中等症、重症は薬物治療後、
造血幹細胞移植を行う。

○ 情報提供元
「慢性活動性 EBV 病の疾患レジストリ情報に基づく病型別根治療法の確立研究班」
研究代表者

国立大学法人九州大学
金沢大学医薬保健研究域医学系
承認学会名:日本血液学会、日本小児血液・がん学会

教授
教授

大賀正一
和田泰三

*参考事項:病型移行のある2疾患(Probable CAEBV)の診断基準と重症度分類

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