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資料3 指定難病に係る新規の疾病追加について情報提供のあった疾病(個票)(第55回指定難病検討委員会において検討する疾病) (47 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37546.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第54回 2/6)社会保障審議会 小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病検討委員会(第2回 2/6)(合同開催)《厚生労働省》
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青色ゴムまり様母斑症候群
○ 概要
1. 概要
全身の皮膚および消化管を中心とした内臓に生じる静脈奇形を特徴とする。皮膚病変がゴム乳首に似て
おり、青色がかっているため、1958 年に William Bean により blue rubber bleb nevus syndrome (青色ゴムま
り様母斑症候群)と命名された。全身の皮膚以外に、消化管をはじめとする多臓器に病変が認められ、とき
に重篤な出血性合併症を起こす。また、奇形血管内において局所的な凝固因子消費が生じ、全身性血液
凝固異常を合併することがある。多くは散発例だが遺伝性の場合には常染色体優性遺伝を示す。
2.原因
血管新生に関わる TIE2 遺伝子の関与を示唆する報告もあるが、多数例においての確認は行われておら
ず、原因遺伝子として確定していない。
3.症状
0.1~5cm 程度の青色~黒色のゴム乳首様と例えられるような皮膚の静脈奇形が多発してみられることが
特徴的である。小児期には顕著でなくても、成長とともに皮膚病変が目立つようになることが多い。静脈奇
形は自然消退しないため、整容的な問題を残しうる。静脈奇形内に静脈石を形成したり血栓性静脈炎を併
発したりすると疼痛が出現する。
また皮膚のみでなく、中枢神経、肝臓、脾臓、腎臓、肺、心臓、甲状腺、筋肉などにも病変を伴う。特に、消
化管に多発する静脈奇形により、様々な程度の消化管出血と鉄欠乏性貧血を生じることが特徴的である。
消化管病変が先行し、原因不明の消化管出血とされる症例もある。
4.治療法
消化管粘膜の多発性静脈奇形からの慢性出血により鉄欠乏性貧血を生じ、大量出血時は輸血を要する。
消化管病変に対しては内視鏡的硬化術やレーザー凝固術、外科切除などが試みられる。血栓や静脈石に
よる疼痛に対しては弾性ストッキングなどを用いた圧迫療法が行われる。
内科的治療としてステロイド、インターフェロン、プロプラノロールが用いられているが、その効果は限定的
である。保険適応外であるが mTOR 阻害剤(シロリムス、エベロリムス)などが試みられ有効性が報告され
ており、今後の臨床データの集積が待たれる。
5.予後
全身の多臓器におよぶ静脈奇形は完治することなく、生涯にわたり出血や消費性凝固障害、疼痛などの
原因となり、長期間に渡る診療が必要となる。

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