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資料3 指定難病に係る新規の疾病追加について情報提供のあった疾病(個票)(第55回指定難病検討委員会において検討する疾病) (28 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37546.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第54回 2/6)社会保障審議会 小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病検討委員会(第2回 2/6)(合同開催)《厚生労働省》 |
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<診断基準>
以下の定義に従い、診断基準に当てはまるものを先天性胆道拡張症と診断する。
定義
先天性胆道拡張症とは、総胆管を含む肝外胆管が限局性に拡張する先天性の形成異常で、膵・胆管合流異
常を合併するものをいう。ただし、肝内胆管の拡張を伴う例もある。
診断基準
先天性胆道拡張症の診断は、胆管拡張と膵・胆管合流異常の両者が画像または解剖学的に証明された場合
になされる。ただし、結石、癌などによる胆道閉塞に起因する後天性、二次的な胆道拡張は除外する。
1) 胆管拡張の診断
胆管拡張は、胆管径、拡張部位、拡張形態の特徴を参考に診断する。
1)胆管径
胆管径は、超音波検査、MRCP、CT(MD-CT の MPR 像など)などの胆道に圧のかからない検査によって、
総胆管の最も拡張した部位の内径を測定する。胆管径は、年齢により変化するので、年齢別胆管径の上限値
を参考にする。
2)拡張部位
胆管拡張は、総胆管を含むものとする。また、総胆管を含む肝外胆管の拡張と同時に肝内胆管が拡張して
いる例も、先天性胆道拡張症に含める。
3)拡張形態
拡張形態は、嚢胞型と円筒(紡錘)型の2つに分けられる。
先天性胆道拡張症は、戸谷分類(図1)の Ia 型、Ic 型、IV-A 型で表現され、以下のような胆管の形態的特
徴を参考にする。
(1)拡張した総胆管の十二指腸側に狭小部がみられる。
(2)拡張が総胆管から三管合流部を越えて肝臓側に及ぶ場合は、胆嚢管合流部の起始部が
限局性に拡張している。
(3)肝内胆管が限局性に拡張している場合は、肝門部に相対的狭窄がみられる。
(4)肝内胆管の拡張部とそれより上流の胆管とは著明な口径差がある。
2) 膵・胆管合流異常の診断
膵・胆管合流異常の診断は、先天性胆道拡張症の診断に必須であり、膵・胆管合流異常の診断基準 2013 に
準拠して診断する。
膵・胆管合流異常とは、解剖学的に膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性の形成異常である。膵・胆
管合流異常の診断には、画像、または解剖学的検査によって、膵管と胆管が異常に長い共通管をもって合流す
るか異常な形で合流すること、または膵管と胆管が十二指腸壁外で合流することを確認する必要がある。画像
診断には、直接胆道造影(ERCP、経皮経肝胆道造影、術中胆道造影など)や、EUS または MD-CT の MPR 像
などを用いる。また、高アミラーゼ胆汁は、膵・胆管合流異常の存在を強く示唆しており有力な補助診断となる。
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以下の定義に従い、診断基準に当てはまるものを先天性胆道拡張症と診断する。
定義
先天性胆道拡張症とは、総胆管を含む肝外胆管が限局性に拡張する先天性の形成異常で、膵・胆管合流異
常を合併するものをいう。ただし、肝内胆管の拡張を伴う例もある。
診断基準
先天性胆道拡張症の診断は、胆管拡張と膵・胆管合流異常の両者が画像または解剖学的に証明された場合
になされる。ただし、結石、癌などによる胆道閉塞に起因する後天性、二次的な胆道拡張は除外する。
1) 胆管拡張の診断
胆管拡張は、胆管径、拡張部位、拡張形態の特徴を参考に診断する。
1)胆管径
胆管径は、超音波検査、MRCP、CT(MD-CT の MPR 像など)などの胆道に圧のかからない検査によって、
総胆管の最も拡張した部位の内径を測定する。胆管径は、年齢により変化するので、年齢別胆管径の上限値
を参考にする。
2)拡張部位
胆管拡張は、総胆管を含むものとする。また、総胆管を含む肝外胆管の拡張と同時に肝内胆管が拡張して
いる例も、先天性胆道拡張症に含める。
3)拡張形態
拡張形態は、嚢胞型と円筒(紡錘)型の2つに分けられる。
先天性胆道拡張症は、戸谷分類(図1)の Ia 型、Ic 型、IV-A 型で表現され、以下のような胆管の形態的特
徴を参考にする。
(1)拡張した総胆管の十二指腸側に狭小部がみられる。
(2)拡張が総胆管から三管合流部を越えて肝臓側に及ぶ場合は、胆嚢管合流部の起始部が
限局性に拡張している。
(3)肝内胆管が限局性に拡張している場合は、肝門部に相対的狭窄がみられる。
(4)肝内胆管の拡張部とそれより上流の胆管とは著明な口径差がある。
2) 膵・胆管合流異常の診断
膵・胆管合流異常の診断は、先天性胆道拡張症の診断に必須であり、膵・胆管合流異常の診断基準 2013 に
準拠して診断する。
膵・胆管合流異常とは、解剖学的に膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性の形成異常である。膵・胆
管合流異常の診断には、画像、または解剖学的検査によって、膵管と胆管が異常に長い共通管をもって合流す
るか異常な形で合流すること、または膵管と胆管が十二指腸壁外で合流することを確認する必要がある。画像
診断には、直接胆道造影(ERCP、経皮経肝胆道造影、術中胆道造影など)や、EUS または MD-CT の MPR 像
などを用いる。また、高アミラーゼ胆汁は、膵・胆管合流異常の存在を強く示唆しており有力な補助診断となる。
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