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資料3 指定難病に係る新規の疾病追加について情報提供のあった疾病(個票)(第55回指定難病検討委員会において検討する疾病) (34 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37546.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第54回 2/6)社会保障審議会 小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病検討委員会(第2回 2/6)(合同開催)《厚生労働省》
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Peutz-Jeghers 症候群
○ 概要
1.概要
Peutz-Jeghers 症候群は食道を除く全消化管の過誤腫性ポリポーシスと口唇、口腔、指尖部を中心とす
る皮膚、粘膜の色素斑を特徴とする常染色体顕性遺伝性疾患である。常染色体顕性遺伝ではあるが発症
者の 17~50%は家族歴がない孤発例である。本症候群でみられる過誤腫性ポリープは粘膜上皮の過誤
腫的過形成、粘膜筋板からの平滑筋線維束の樹枝状増生が特徴であり、Peutz-Jeghers ポリープと呼ば
れている。
2.原因
第 19 番染色体短腕上(19p13.3)に存在する STK11 遺伝子の生殖細胞系列の病原性変異が現在知られ
ている唯一の原因であり、患者の 94%に STK11 遺伝子の生殖細胞系列の病原性変異が検出されると報
告されている。STK11 遺伝子の病原性変異によりどのような機序で過誤腫性ポリポーシスや色素斑をきた
すのかは不明である。
3.症状
口唇、口腔、指尖部などに色素斑が認められる。色素斑は黒褐色ないし茶褐色で直径 1〜5mm 程度の
大きさで、縦方向に長い形のものが多い。色素斑自体からの悪性化の報告はない。Peutz-Jeghers ポリー
プは特に十二指腸から上部空腸に多く認められることが多い。ポリープ自体の癌化リスクは低いが、ポリー
プ増大により、慢性出血による黒色便・貧血や、小腸ポリープを先進部とする腸重積により腹痛、嘔吐など
の症状を引き起こす。
4.治療法
根治のための治療法はない。Peutz-Jeghers ポリープによる腸重積を発症した際には外科的切除が一
般的であるが、ポリープを外科的に切除しても、また新たなポリープが次々に発生する。18~20 歳時で患
者の 70%に手術が行われており、小児期に外科的治療が行われ、Peutz-Jeghers 症候群と診断される例
が多い。近年バルーン小腸内視鏡の開発・普及により深部小腸に存在するポリープの摘除が可能になった。
大きさが 15mm 以上の小腸ポリープは腸重積発症の危険性があり、積極的に内視鏡的摘除を行うことが望
ましい。症例ごとにポリープの発育速度は異なっており、その発育速度に応じて定期的(おおむね 6 か月か
ら数年ごと)に内視鏡を行い、繰り返し内視鏡的摘除を行うことで腸重積発症や開腹手術を回避することが
できる。
5.予後
腸重積に対して開腹手術を繰り返し行われた症例では術後癒着による腸閉塞を繰り返したり、短腸症候
群を発症したりすることでその後の QOL が著明に低下してしまう。術後癒着を来した症例ではその後に内
視鏡治療を試みても癒着により内視鏡の深部挿入が困難になることもまれではない。開腹手術が行われる
前にバルーン小腸内視鏡による検査を開始し、適切に治療を繰り返していれば、日常生活に大きな悪影響
を及ぼすことはない。このためバルーン内視鏡が施行可能な専門の施設での診断、治療、経過観察が重
要である。また、消化管を含めた悪性腫瘍発症の高危険群であり、定期的なサーベイランスも必要である。

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