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資料3 指定難病に係る新規の疾病追加について情報提供のあった疾病(個票)(第55回指定難病検討委員会において検討する疾病) (87 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37546.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第54回 2/6)社会保障審議会 小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病検討委員会(第2回 2/6)(合同開催)《厚生労働省》
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グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)欠乏症
○ 概要
1.概要
日本における赤血球酵素異常症で最も頻度が高く、先天性溶血性貧血の約 7~8%を占める。慢性溶血所
見および感染・薬剤・食物によって急性溶血発作を呈する。保因者女性が熱帯熱マラリアに対する抵抗性を
獲得するため、東南・南・西アジア、地中海沿岸、アフリカ、中南米などでは保因者の割合が高い。近年日本
で診断される例の半数は母が上記地域出身の男児である。
2.原因
本症は X 染色体潜性(劣性)遺伝性疾患であり、変異酵素の活性低下により赤血球内の抗酸化物質であ
るグルタチオンの還元反応が障害される。その結果、赤血球内蛋白質や脂質の過酸化を生じて、赤血球寿
命が短縮する。X 染色体ランダム不活性化により、ヘテロ接合体女性例の 10%はヘミ接合体男性例と同様
の臨床症状を示す。
3.症状
新生児黄疸の遷延、重症化で気づかれることがある。慢性溶血性貧血による労作時呼吸困難、全身倦怠
感、黄疸、胆嚢内結石などで発症する。また、感染・薬剤・食物(ソラマメ)による急性溶血発作が誘発される。
確定した原因薬剤として、ラスブリカーゼ、コトリマゾール、オフロキサシン、シプロフロキサシン、ナリジクス
酸、ジアフェニルスルホン、メチレンブルー、プリマキン、ビタミン C(大量投与)などが挙げられる。パルボウイ
ルス B19 感染による無形成発作(急性赤芽球癆)により、著明なヘモグロビン濃度低下を来たし、発症する場
合がある。
4.治療法
慢性溶血性貧血例に対する赤血球輸血、急性溶血発作例に対する輸液・輸血療法などの対症療法が主
体である。脾摘術は慢性貧血の程度が強い場合には考慮するが、急性溶血発作に対する予防効果は無い。
5.予後
慢性溶血性貧血による発育遅滞や骨変形、反復する急性溶血発作により、QOL が低下する。禁忌薬剤の
回避、適切な赤血球輸血、除鉄療法の実施が終生必要になる。

○ 要件の判定に必要な事項
1. 患者数
約 400 人
2.発病の機構
不明(遺伝子変異が関与している)

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