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資料3 指定難病に係る新規の疾病追加について情報提供のあった疾病(個票)(第55回指定難病検討委員会において検討する疾病) (54 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37546.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第54回 2/6)社会保障審議会 小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病検討委員会(第2回 2/6)(合同開催)《厚生労働省》
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出血性線溶異常症


概要

1.概要
遺伝性素因による出血性線溶異常症では、線維素溶解(線溶)制御因子であるプラスミノゲンアクチベ
ータインヒビター-1(PAI-1)
、α2-プラスミンインヒビター(α2-PI、α2-アンチプラスミン:α2-AP と同
一)およびトロンボモジュリン(TM)/トロンビン活性化線溶阻害因子(TAFI)のいずれかの先天的機能
不全、あるいはプラスミノゲンアクチベータ(PA)の先天的活性増強により出血傾向あるいは止血不全を
きたす。侵襲あるいは月経時の少量の失血後の予期せぬ大出血が特徴であり、欠損因子によっては遷延
する出血とともに筋肉・関節内出血や臓器出血なども認める。
なお、原因不明の出血症状を呈する線溶活性促進病態において、PAI-1 低値とともにその活性不全が疑
われるにもかかわらず遺伝子異常が指摘されない病態もある。
2.原因
PAI-1、α2-PI、TM/TAFI のいずれかの単一遺伝子変異により線溶抑制活性不全が生じ、重篤な出血をき
たす。いずれも常染色体潜性遺伝形式をとり、ホモ接合体では過度の線溶促進により止血血栓が早期に
溶解されて出血をきたす。ヘテロ接合体では各因子の血中濃度は低下するが重篤な出血症状は認めない。
3.症状
PAI-1 欠損症では、月経時に超大量出血を認める。その他、流産、外科治療後の後出血や創傷治癒遅延
などを認める。α2-PI 欠損症では、後出血のほか、歯肉出血から関節内出血、骨髄内出血と幅広い重症度
を示す。TM 異常症では、繰り返す皮下・筋肉内血腫、卵巣出血や外科侵襲後の出血を認める。
いずれの病態でも線溶活性の促進による出血傾向を疑う一般凝血学検査所見として、理論上は血小板
数・プロトロンビン時間(PT)
・活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
・フィブリノゲンは基準値内
であると考えられるが、出血病態の程度によりこれらの凝血学検査所見に異常を認めることもある。
4.治療法
治療法は確立されていない。出血時あるいは出血予防としてトラネキサム酸・新鮮凍結血漿を用い、TM
異常症ではトロンボモジュリンアルファ(保険適用外)が投与される。
5.予後
出血時にはトラネキサム酸による線溶抑制と新鮮凍結血漿投与、TM 異常症ではトロンボモジュリンア
ルファ(保健適用外)の投与などによる、出血のコントロール状況が予後を左右する。患者数が限られて
おり長期予後は明らかとなっていない。

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