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資料3 指定難病に係る新規の疾病追加について情報提供のあった疾病(個票)(第55回指定難病検討委員会において検討する疾病) (27 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37546.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第54回 2/6)社会保障審議会 小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病検討委員会(第2回 2/6)(合同開催)《厚生労働省》
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結石を形成する例が 2.7〜10.7 %において見られ、このような例においては前述した内科的治療に加え、胆
管形成術や肝切除、あるいは肝移植等の治療が必要となる。肝内結石や膵石あるいは胆管炎等の合併症
が初回手術後 10 年程を経た長時間をかけて発生することが多い。また、本症は 3:1〜4:1 で女性に多い疾
患のため、妊娠・出産を契機に胆管炎等の合併症を来す事が少なくない。
さらに、本邦の成人期の実態調査として、日本膵・胆管合流異常研究会では、1990 年から症例登録を行
っており、現在までに小児 1,258 例、成人 1,280 例で、計 2,538 例の先天性胆道拡張症患者を全国登録し
ている。これらの症例を 2012、2017 年に小児 482 例、成人 354 例で追跡調査を行った所、小児 482 例のう
ち、51 例(10.6%)に拡張胆管切除術後に合併症(胆管炎、肝内結石、膵炎、膵石)を認めた。このうち 322 例
は成人に達しており、28 例(8.7%)が成人期でも合併症を認めた。成人症例 354 例では、43 例(12.1%)に合
併症(胆管炎、肝内結石、膵炎、膵石)を認めた。まとめると、先天性胆道拡張症患者では、拡張胆管切除
術後でも、長期にわたり合併症を有する症例が小児 10.6%、成人 12.1% 存在していた。

○ 要件の判定に必要な事項
1. 患者数
約 4,000 人
2. 発病の機構
不明(膵・胆管合流異常の発生機序は解明されていないが、胎生 4 週頃までに起こる 2 葉の腹側膵原基
から形成される腹側膵の形成異常とする説が有力)
3. 効果的な治療方法
未確立(拡張胆管切除・胆道再建術が標準手術であるが、その後の胆管炎、膵炎、膵石や肝内結石に対
する予防ならびに治療が未確立)
4. 長期の療養
必要(拡張胆管切除術後、長期にわたり胆管炎・肝内結石、膵石、膵炎の合併症を有する症例が小児
10.6%、成人 12.1% 存在しており、特に成人期になっても長期的療養ならびにその予防・治療が必要)
5. 診断基準
あり(膵・胆管合流異常診療ガイドラインおよび胆道 29(5):1-4, 2015 に掲載)
6. 重症度分類
あり(重症度分類を用いて重症度2以上を指定難病の対象とする)

○ 情報提供元
「小児期発症の希少難治性肝胆膵疾患における医療水準並びに患者 QOL の向上のための調査研究班」
研究代表者 東北大学医学系研究科小児外科学分野 客員教授 仁尾正記
なお、下記の診断基準および重症度分類は、日本小児外科学会の承認(2015 年 5 月 27 日)および日本胆道
学会の承認(2014 年 9 月 26 日)を受けています。

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