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【資料1】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書2022(たたき台) (115 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29073.html
出典情報 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第10回 11/21)《厚生労働省》
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(2) 医療関係者への調査
〇 診療所医師を対象とした意識調査
日本化学療法学会・日本感染症学会合同外来抗菌薬適正使用調査委員会は、診療所に勤務する医師を対象
とした意識調査を 2018 年と 2020 年 9-10 月に行った。無作為抽出した全国の 3,000 診療所に調査票を配布
し、記入後返送するという形で実施した。2020 年の調査では 2018 年と比較し、アクションプランの認知度
が上がり、「全然知らない」との回答が 44.9%から 34.8%に減少した(表 93)。また感冒への抗菌薬処方割
合は「0-20%」との回答が 62.0%から 71.1%となり、処方割合が低くなっていた(表 94)。抗菌薬処方の
希望に対し「説明した上で処方しない」との回答は 35.5%、「希望通り処方する」「説明しても納得しなけ
れば処方する」との回答はそれぞれ 10.8%、49.1%であり、前回の調査結果とほとんど変わらなかった(表
95)。患者教育やコミュニケーションに能動的に関わる意識は必ずしも高くない可能性がある。自分が感冒
の時に抗菌薬を「全く服用しない」44.7%、「あまり服用しない」28.7%、「ときどき服用する」24.1%、
「いつも服用する」2.5%、家族が感冒のときに抗菌薬を「まったく勧めない」39.1%、「あまり勧めない」
31.5%、「時々勧める」27.4%、「いつも勧める」2.1%であった。これらの結果から感冒に抗菌薬を多く処
方している医師は、治療効果を期待して処方している可能性がある。また、前回と同様に急性気管支炎への
抗菌薬の処方割合が高かった(表 96)。より簡便な病原体診断検査の開発が抗菌薬適正使用の推進に効果的
と考えられる。60 歳以上の医師は 60 歳未満の医師と比較して抗菌薬の適正使用を意識している割合が高か
ったが(69.6% VS 58.5%)、感冒と診断したときに抗菌薬を処方した割合は「20%以下」との回答が 60 歳
未満より少なく(79.5% VS 65.3%)、薬剤耐性対策の重要性は理解しているものの、それが必ずしも処方行
動につながっていないと考えられた(表 97、98)。アクションプランを達成するために必要なこととして、
過半数の回答者が市民向けの広報を挙げていたのは前回の調査と変わらなかった。
表 93
アクションプランの認知度(%)

2018年(n=267)

2020年(n=627)

人に説明できる

1.9

3.5

理解している

21.0

27.8

名前だけ知っている

32.2

33.1

全然知らない

44.9

34.8

表 94
感冒と診断したときに抗菌薬を処方した割合(%)

2018年(n=242)

2020年(n=543)

0-20%

62.0

71.1

21-40%

17.8

16.6

41-60%

7.4

6.8

61-80%

8.3

3.5

81%以上

4.5

2.0

115