【資料1】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書2022(たたき台) (73 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29073.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第10回 11/21)《厚生労働省》 |
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Enterococcus spp.では犬猫ともに E. faecalis が最も多く、次いで E. faecium が多く収集された。
2021 年は犬及び猫由来株では TC の耐性率が最も高く(犬 63.9%、猫 65.9%)、次いで EM(犬
46.1%、猫 45.9%)であり、犬由来株の ABPC 並びに犬及び猫由来株の CP に対する耐性率は 20%未
満であった。ヒトの医療で重要な抗菌剤 CPFX については、犬及び猫由来株で 27.8%及び 40.6%の耐
性が認められた。2019 年から供試薬剤として VCM の測定を開始したが、犬及び猫由来株ともに耐性
株は 0.0%であった。
表 67 疾病にり患した犬及び猫由来の Enterococcus spp.の耐性率(%)
薬剤*
ABPC
GM
BP
動物種
2017年
2018年
2019年
2020年
2021年
犬
26.7
20.5
20.0
14.6
13.3
猫
17.3
31.6
33.0
26.4
24.1
犬
22.9
15.4
25.2
25.7
27.8
猫
19.4
24.6
25.2
25.7
27.1
犬
65.6
67.9
68.9
64.9
63.9
猫
70.4
73.7
64.1
68.2
65.9
犬
20.6
14.1
18.5
14.6
13.3
猫
20.4
15.8
8.7
18.2
15.3
犬
61.8
39.7
43.0
45.0
46.1
猫
41.8
54.4
39.8
48.0
45.9
犬
42.7
28.2
31.1
25.1
27.8
猫
34.7
49.1
43.7
40.5
40.6
犬
ー
ー
0.0
0.0
0.0
16†
32§
16†
TC
32†
CP
8†
EM
CPFX
VCM
4†
32†
検査株数(n)
猫
ー
ー
0.0
0.0
0.0
犬
131
78
135
171
180
猫
98
57
103
148
170
BP の単位は µg/ml。
*
AZM についても調査対象としているが、BP が設定できないため、耐性率は掲載していない。†CLSI に規定された BP。
§
GM は EUCAST でも設定されていないことから JVARM の値(平成 14 年度に得られた二峰性を示す MIC 分布の中間点)を
用いた。
ロ.健康な犬猫由来細菌
健康な犬猫からの菌株の収集にあたっては、都道府県別の動物診療施設(小動物・その他)の開設
届出数に基づいて菌株数を割り当て、公益社団法人日本獣医師会の協力を得て、全国の動物病院から
収集した。動物病院に健康診断やワクチン接種のために訪れた健康な犬及び猫から直腸スワブ検体を
採取し、大腸菌及び Enterococcus spp.を分離、同定し、薬剤感受性試験に供した。
ⅰ. Escherichia coli
2021 年の健康な犬及び猫由来株では、これまでの調査と同様に ABPC 及び NA に対する耐性率が
高い傾向を示した。猫由来株の ABPC の耐性率以外の耐性率はいずれも 20%未満であった。ヒトの医
療で重要な抗菌剤については、犬及び猫由来株で、CTX に対しては 7.8%及び 7.5%、CPFX に対して
は 7.1%及び 7.5%の耐性率であり、MEPM 及び CL に対する耐性率はいずれも 0.0%であった。耐性
株が存在した各薬剤について同年に収集された疾病にり患した犬猫由来の大腸菌と比較するとすべて
の薬剤で健康な犬猫由来の方が低い耐性率を示した。
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