【資料1】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書2022(たたき台) (31 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29073.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第10回 11/21)《厚生労働省》 |
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データ元:感染症発生動向調査事業(NESID)
NESID における 2020 年までの各年の届出症例数は確定報告データとして公開されている。2013
年以降の報告数を以下に示す。届出対象は、分離菌が感染症の起因菌と判定されるか、通常無菌的で
あるべき検体からの検出である場合となっており、いわゆる保菌は届出対象ではない。
全数把握対象疾患のうち、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症は、2013 年から 2016 年まで
50-60 例で推移していたが、2017 年以降は増加傾向で 2020 年は 136 例が報告され、報告が開始され
た 1999 年以降最多であった。バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)感染症は届出対象となっ
た 2003 年 11 月5日以降報告はない。カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)感染症については、
2014 年9月 19 日より届出対象となり、2020 年には 1,956 例が報告され、2019 年の 2,333 例から減
少した。多剤耐性アシネトバクター属(MDRA)感染症は、2011 年 2 月より基幹定点医療機関から
の届出対象疾患として把握が開始され開始されたが、2014 年9月 19 日より全数把握対象疾患とな
り、毎年 20-40 例の報告で推移していたが、2020 年は 10 例が報告された。
CRE 感染症については、2017 年 3 月の厚生労働省健康局結核感染症課長通知により、届出症例よ
り分離された菌株について地方衛生研究所等で PCR 法によるカルバペネマーゼ遺伝子等の試験検査
が実施されている。2020 年は 1,380 株の結果が報告され、主要なカルバペネマーゼ遺伝子が検出さ
れた株は 240 株(17.4%)で、国内型カルバペネマーゼ遺伝子の IMP 型が 204 株(85.0%)と大半を
占めた。IMP 型検出株の菌種や IMP 遺伝子型別は、2017 年及以降、同様の地域特性を示した。
基幹定点医療機関(全国約 500 か所の病床数 300 以上の医療機関)が届出を行う薬剤耐性菌感染症
については、MRSA 感染症は 2011 年以降、報告数及び定点あたり報告数ともに減少し、2016 年から
2019 年は下がり止まっていたが、2020 年は、14,940 例と再び減少した。多剤耐性緑膿菌(MDRP)
感染症は 2013 年からの減少傾向後、2017 年から 2019 年は報告数が下がり止まっていたが、2020
年の報告数は 116 例と再び減少した。ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症は報告数及び定点あ
たり報告数ともに減少傾向が続いていた。
ⅰ. 全数把握対象疾患
表 15 全数把握対象疾患の報告数推移、2013-2020(件)
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
VRE
55
56
66
61
83
80
80
136
VRSA
0
0
0
0
0
0
0
0
CRE
-
314*
1,673
1,573
1,660
2,289
2,333
1,956
MDRA
-
15*
38
33
28
24
24
10
*2014 年 9 月 19 日からの報告数。-:調査を実施していない区分。
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