【参考資料3】新型インフルエンザ等対策政府行動計画(令和6年7月2日) (164 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41225.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第87回 7/17)《厚生労働省》 |
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第 10 章 検査
第1節 準備期
(1)目的
患者の診断は、患者の症状、他の患者への接触歴等、病原体へのばく露歴、
病原体の存在や病原体に対する人体の反応を確認する各種検査の結果等に基
づき行われる。このような感染症の診断に使われる検査には、顕微鏡等による
確認から、PCR 検査等の病原体の遺伝子の存在を確認する検査、抗原定量検査
や抗原定性検査(迅速検査キット)等の病原体の抗原を確認する検査、その抗
原に対し人体が産生する抗体を測定する抗体検査、特異的なリンパ球の産生を
確認する検査等の様々な検査がある。病原体の種類やその感染症の特徴、検査
を用いる場面とその目的に応じて、検査の開発状況や特性、検査精度等を踏ま
え、科学的に妥当性の担保された適切な検査方法を選択することが必要である。
なお、本章においては、このうち、これまでの新型インフルエンザ等の発生時
において診断に用いられてきた、PCR 検査等や、病原体の抗原を確認する検査
を念頭に置き対策を記載する。
新型インフルエンザ等の発生時に、その病原体の検出手法を速やかに開発す
るとともに、診断に有用な検体採取の部位や採取方法を定め、患者の診断を迅
速かつ的確に行うことができる体制を構築する必要がある。この体制により、
患者を治療につなげるとともに、感染状況を的確に把握し、適切な対策につな
げる必要がある。また、流行の規模によっては精度の担保された検査の実施体
制を迅速に拡大させることが求められ、その実施に関わる関係者間の連携体制
を構築しておくことが重要である。このほか、検査物資や人材の確保、検体の
採取・輸送体制の確保等を含めて、一体的な対応を進める必要がある。
検査の目的は、患者の早期発見によるまん延防止、患者を診断し早期に治療
につなげること及び流行の実態を把握することである。準備期では、新型イン
フルエンザ等の発生時に向けた検査体制の整備やそのために必要な人材の育
成を進めるとともに、有事において円滑に検査体制を構築するための訓練等で
実効性を定期的に確認し、適切に都道府県等の予防計画に基づく検査体制の見
直しを行うことが必要である。また、検査体制の整備においては、JIHS や地
方衛生研究所等のほか、医療機関、研究機関、民間検査機関及び流通事業者等
201
との連携により、迅速に検査体制の構築につなげるための準備を行う。
(2)所要の対応
1-1. 検査体制の整備
201 試薬・検査機器の製造から流通に係る事業者や検体の搬送に係る運送事業者等をいう。
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