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切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための薬物療法情報提供書作成ガイド (14 ページ)

公開元URL https://www.ncgg.go.jp/hospital/kenshu/news/20250331.html
出典情報 切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための薬物療法情報提供書作成ガイド(3/31)《国立長寿医療研究センター》
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切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための
薬物療法情報提供書作成ガイド

日本老年薬学会では、「日本版抗コリンリスクスケール」を作成したが 11)、この中で抗コ
リン作用を有することが示されている 158 の薬物を 1~3 点に分類し、各患者の薬物に応じ
て加点した合計値が高いものにおいて抗コリン薬に伴う有害事象の発生リスクが高いとし
ている。症状の中には便秘や転倒、食欲低下、もの忘れ、せん妄、口腔機能異常(口喝、嚥
下困難)、排尿困難(尿閉・尿失禁)など複数の老年症候群が含まれている。特にエビデン
スの数としては、認知機能低下や運動機能障害、口腔機能異常などが多かった。
新たな老年症候群と思われる症状が患者で見られた場合、あるいはこれらの治療薬が新
たに処方箋に登場した際には、もともとの処方の抗コリン負荷の強さを確認し、新規薬物の
追加よりも抗コリン負荷に関与する薬物の減量・減薬をすべきである。薬歴上、被疑薬の追
加・増量などと症状の出現が一致する場合には特に疑わしい。
文献
1)
2)
3)

三島和夫編集、睡眠薬の適正使用・休薬ガイドライン、じほう、2014
日本消化管学会編集、便通異常症ガイドライン 慢性便秘症、南江堂、2023
厚生労働行政推進調査事業費補助金(慢性の痛み政策研究事業)「慢性疼痛診療システムの均てん化
と痛みセンター診療データベースの活用による医療向上を目指す研究」研究班、慢性疼痛診療ガイド
ライン作成ワーキンググループ、慢性疼痛診療ガイドライン、シービーアール、2023
4) 日本褥瘡学会編集、褥瘡予防・管理ガイドライン、照林社、2022
5) 日本神経学会 認知症疾患診療ガイドライン作成委員会編集、認知症疾患診療ガイドライン 2017、
医学書院、2017
6) サルコペニア診療ガイドライン作成委員会編集、サルコペニア診療ガイドライン 2017 年版、ライフ
サイエンス出版、2020
7) Lewis SJ, Heaton KW. Stool form scale as a useful guide to intestinal transit time. Scand
J Gastroneterol. 32:920-924,1997
8) Hasegawa S, Mizokami F, Mizuno T, et al. Investigation of geriatric syndromes associated
with medication in Japan using insurance claims data. Geriatr Gerontol Int 24:61-67, 2024
9) 厚生労働省:高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)(平成 30 年 5 月 29 日付け医政安発 0529 第
1 号・薬生安発 0529 第 1 号)
10) 日本老年医学会/日本医療研究開発機構研究費・高齢者の薬物療法の安全性に関する研究 研究班編
集、高齢者の安全な薬物療法ガイドライン 2015、メジカルビュー社、2015
11)日本老年薬学会編集、日本版抗コリン薬リスクスケール、https://www.jsgp.or.jp/wp/wpcontent/uploads/2024/05/anticholinergic-risk-scale.pdf 2024 年 10 月 13 日アクセス

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