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切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための薬物療法情報提供書作成ガイド (39 ページ)

公開元URL https://www.ncgg.go.jp/hospital/kenshu/news/20250331.html
出典情報 切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための薬物療法情報提供書作成ガイド(3/31)《国立長寿医療研究センター》
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8.1)

高度急性期病院・病棟

Key Points
・三次救急治療において、薬剤師は入院前の常用薬の情報収集、適切な薬物選定、投
与量確認、急性中毒や感染症診療でのサポートを行い、医療チームで連携して患者
の治療を支援する。
・高度急性期離脱後には、集中治療後症候群(post-intensive care syndrome:PICS)
が発生する場合があり、身体、認知、および精神障害を考慮した服薬管理が必要と
なる。
・集中治療後症候群(post-intensive care syndrome:PICS)は患者だけでなく、家
族にも影響する可能性があり、家族による服薬介助について一考が必要である。

三次救急においては、入院前使用薬が中止または追加で処方されることが多い。注射剤や
外用剤で中止薬を代替している場合もある。患者と意思疎通が難しいことが多く、加えて病
態の急激な変化に伴う使用薬の変遷が発生し、経過の随時整理・情報提供が、時に困難であ
る。下記に三次救急治療における薬剤師の業務例を示す 1)。
①初期治療時
・情報収集:搬送された患者の常用薬や既往症の情報を本人、家族、処方元、または施設
等から迅速に情報収集し、治療継続が必要な薬物や代替薬を医師に提案する。緊急手術
が必要な場合、抗凝固剤や腎機能に影響する薬の使用状況を確認し、手術前に医師へ情
報提供する。
・薬物の確認:限られた人員かつ口頭指示も多い初療時は、薬剤選択や投与量の誤りが発
生しやすいため、薬剤師が適切な薬物と投与量の確認を行い、治療の適正化を支援する。
・蘇生支援:心停止治療では、アドレナリンやアミオダロンの適切な投与間隔を管理する。
難治性の症例では必要な薬物の準備と投与速度の確認も行う。
②急性中毒治療
・中毒物質の特定:急性中毒患者の診療では、薬剤師が薬剤成分や有害反応を特定し、解
毒法や投与速度などの情報を提供する。また、体内の中毒物質排泄に透析や血液吸着が
有効かどうかも判断する。
・情報検索:医薬品以外の生活用品や化学薬品などの中毒にも対応し、データベースを使
って迅速に毒性や対処法を検索する。自然毒など医薬品と構造が類似するものに対して
も推測をもとに対応を援助する。
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療養
養環
環境
境移
移行
行時
時の
の注
注意
意点





8.1.1 三次救急治療と薬剤師の業務