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切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための薬物療法情報提供書作成ガイド (62 ページ)

公開元URL https://www.ncgg.go.jp/hospital/kenshu/news/20250331.html
出典情報 切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための薬物療法情報提供書作成ガイド(3/31)《国立長寿医療研究センター》
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切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための
薬物療法情報提供書作成ガイド

表 1. 電子的情報連携の現状における課題
課題

紙媒体への依存

FAX の利用

PDF の利用

システムの互換性
ツールの不統一

情報共有不足

運用コストと
リテラシー不足
セキュリティと
プライバシー

患者経由の場合、確実に医療者へ
届かないリスク。
手作業での転記が必要で、ヒュー
マンエラーが発生しやすい。
即時性はあるが、受信後に再転記
が必要でアナログ作業が発生。
誤送信や確認漏れのリスクがあ
り、受信確認も必要。
PDF 形式での情報提供は編集が難し
く、受け取り側で再入力が必要。
デジタル形式であっても、運用が
アナログ的。
病院・薬局で異なるシステムが使
われているため、情報の統合や連
携が難しい。
薬剤師が複数のシステムに対応す
る負担が大きい。
一方向的な情報提供が多く、フィ
ードバックや意見交換不足。
リアルタイムの情報共有ができ
ず、対応が遅れる。
システム導入に高いコスト。
医療従事者の IT リテラシー不足が
普及の障害。
電子的情報共有への不安から、セ
キュリティ対策が不十分。
患者情報を安全に扱うため、厳格
な運用が必須。

影響・リスク
情報伝達の遅延
誤情報の伝達
治療の遅れ
転記ミス
作業負担増加
情報漏えいのリスク
データ更新の手間
転記ミス
リアルタイム共有の妨げ
重複処方や誤処方のリスク
治療計画の不整合
作業負担の増加
作業の煩雑化
情報不足
連携不足
ケアの質低下
導入の遅れ
従来手法への依存
業務効率低下
情報漏えい
法的問題への対応不足

10.2 電子的情報連携の今後
今後、現場で求められるのは、課題となっている情報伝達の非効率性とシステム間の不整
合を解消する具体的な取り組みである。紙媒体や FAX の使用を最小限に抑え、電子的なプラ
ットフォームへの移行を推進する必要がある。特に、病院、薬局、在宅医療機関間での情報
の一貫性を確保するため、共通のフォーマットを使用し、システム間の互換性を高めること
が求められる。情報の双方向性も重要なポイントである。薬剤師が提供する情報が他職種か
ら即座に確認され、リアルタイムでフィードバックを受け取れる仕組みの導入が必要であ
る。さらに、患者情報の一元管理を実現することも欠かせない。電子カルテ、服薬管理シス
テム、地域包括ケアシステムを連携・統合し、必要な情報を迅速かつ正確に共有できる体制
を整えることが求められる。これにより、重複処方の防止や治療計画の一貫性が確保され、
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