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切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための薬物療法情報提供書作成ガイド (19 ページ)

公開元URL https://www.ncgg.go.jp/hospital/kenshu/news/20250331.html
出典情報 切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための薬物療法情報提供書作成ガイド(3/31)《国立長寿医療研究センター》
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3.4)

栄養

Key Points
・食欲不振、消化器症状、口腔内症状、嚥下障害を生じている場合は、その原因とな
る薬剤処方がないか確認する。
・食事摂取量減少や体重減少がみられる場合、経腸栄養剤の処方による経口的栄養補
助(Oral Nutrition Supplement:ONS)も検討する。
など)対処することが望ましいため、高齢者総合機能評価(CGA)の低栄養スクリ
ーニングや定期的な体重測定は非常に重要である。

3.4.1 高齢者における栄養面での課題
高齢者では複数の要因により食事摂取量が減少しやすく、低栄養のリスクが高くなる。と
くに疾患を有する状態では栄養上の問題が蔓延しており、消耗性疾患に食欲不振が加わる
自立した生活が可能な地域在住高齢者の低栄養有病率は 10%
と、
急速に低栄養を生じる 1,2)。
未満とされるが、身体機能の低下や健康状態の悪化とともに低栄養の有病率は増加し、急性
期病棟やリハビリテーション病棟では高齢患者の 3 分の1以上が低栄養であるとされてい
る 3)。加齢に伴う食事摂取量の減少および/または食欲不振として定義される加齢による食
欲低下(Anorexia of Aging)は、低栄養のみならず、不良な予後を引き起こすため重要で

図1. 加齢による食欲低下

ある 4,5)(図 1)。

身体的・精神心理的な問題
(認知症、抑うつ、食品アクセスに問題、
食べたことを忘れる等)

呼吸器疾患、循環器疾患、
消化器系疾患、高カルシウム血症、嚥下障害

消化管機能の低下

加齢による食欲低下
(Anorexia of Aging)

社会的・環境的問題
(孤独、孤立、貧困)

視覚・味覚・嗅覚の低下

食欲調整ホルモンの分泌不全
(CCK、GLP-1、PYY、leptin、ghrelin)

サルコペニア
フレイル
悪液質

薬の副作用
(吸収障害、胃排出遅延、口渇、
悪心、食欲抑制)

入院・死亡

図 1 加齢による食欲低下(Anorexia of Aging)
3.4.2 体重減少
定期的な体重測定と、その変化をとらえることは非常に重要である。Ottery らは低栄養
のリスクを早期発見するために、過去1か月間の体重減少を評価すべきとし、1 か月間に 5%
以上の体重減少は 6 か月間に 10%以上の体重減少と同レベル、1 か月間に 3%以上の体重減少
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高齢高
者齢
総者
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機合
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策対策
CGA
CGA

・低栄養の診断にいたる前の段階で(食事摂取量の減少、体重減少、炎症状態の亢進