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切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための薬物療法情報提供書作成ガイド (44 ページ)
出典
公開元URL | https://www.ncgg.go.jp/hospital/kenshu/news/20250331.html |
出典情報 | 切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための薬物療法情報提供書作成ガイド(3/31)《国立長寿医療研究センター》 |
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切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための
薬物療法情報提供書作成ガイド
8.3)
回復期病院・病棟
Key Points
・回復期病棟は急性期での治療を終えた患者が自宅や地域での生活への復帰を目指
す病棟であり、一連の治療の経緯や流れを詳細に伝える必要がある。
・処方変更された薬物に関しては、処方意図が不明とならないよう変更理由などを
共有することが重要である。
・回復期病棟入院中に評価した患者の生活機能や退院後の生活環境に関する情報を
含めることが望ましい。
回復期病棟は主に急性期からの患者を受け入れ、集中的にリハビリテーションを行い、日
常生活活動(Activities of Daily Living:ADL)を維持向上させ自宅復帰を目指す病棟で
ある。回復期病棟退院時には自宅(療養)から急性期、急性期から回復期へケア移行してい
く期間の治療の経緯や流れを詳細に伝える必要がある。特に自宅(療養)から回復期までの
ケア移行期間は、入院の契機となった疾患によっては劇的に薬物療法が変化する時期でも
あり、患者の薬物治療をシームレスに繋ぐためにも明確な情報連携が重要となる。さらに回
復期病棟の入院期間は比較的長期であるため、薬剤調整が行われやすい環境である。急性期
で導入された薬物治療の見直しや、ADL 上昇に伴う薬物の変更、また回復期病棟では単に早
期に在宅復帰させるだけでなく、その後の生活を長く継続させることも目標においている
ため、患者の退院先の環境に応じた薬物療法が考慮される 1)。このように複雑となりがち
な処方変更は、薬物の変化を照らし合わせただけではその意図まで伝わりづらいため、変更
理由などをしっかりと共有することが重要である。
8.3.1 ケア移行時に必要な処方意図の情報連携
回復期病棟退院時の薬剤関連の情報提供として、入院中に変更された処方に関する情報
は、変更した理由や変更が行われた期間、処方の継続期間等を共有することが望ましい。回
復期病棟は入院期間が長いため、症状が消失しているにもかかわらず、薬物が漫然と処方さ
れているケースにも介入しやすい環境である。入院中に薬物有害事象や PIMs およびポリフ
ァーマシーに対する対応や評価を行い処方変更しても、退院後にその意図が十分に共有さ
れなければ、かかりつけ医が不要な薬物の再開を行ってしまう可能性がある。それを防ぐた
めにも薬剤師同士が薬物療法に関する情報を共有し、処方鑑査ができる環境を整えておく
必要がある 1)。
また、入院中に実施できなかった処方見直し案とその理由等も含めて記載することは、院
外の医療・介護従事者にとって有益となる。①処方見直し案の詳細、②見直しが実施できな
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薬物療法情報提供書作成ガイド
8.3)
回復期病院・病棟
Key Points
・回復期病棟は急性期での治療を終えた患者が自宅や地域での生活への復帰を目指
す病棟であり、一連の治療の経緯や流れを詳細に伝える必要がある。
・処方変更された薬物に関しては、処方意図が不明とならないよう変更理由などを
共有することが重要である。
・回復期病棟入院中に評価した患者の生活機能や退院後の生活環境に関する情報を
含めることが望ましい。
回復期病棟は主に急性期からの患者を受け入れ、集中的にリハビリテーションを行い、日
常生活活動(Activities of Daily Living:ADL)を維持向上させ自宅復帰を目指す病棟で
ある。回復期病棟退院時には自宅(療養)から急性期、急性期から回復期へケア移行してい
く期間の治療の経緯や流れを詳細に伝える必要がある。特に自宅(療養)から回復期までの
ケア移行期間は、入院の契機となった疾患によっては劇的に薬物療法が変化する時期でも
あり、患者の薬物治療をシームレスに繋ぐためにも明確な情報連携が重要となる。さらに回
復期病棟の入院期間は比較的長期であるため、薬剤調整が行われやすい環境である。急性期
で導入された薬物治療の見直しや、ADL 上昇に伴う薬物の変更、また回復期病棟では単に早
期に在宅復帰させるだけでなく、その後の生活を長く継続させることも目標においている
ため、患者の退院先の環境に応じた薬物療法が考慮される 1)。このように複雑となりがち
な処方変更は、薬物の変化を照らし合わせただけではその意図まで伝わりづらいため、変更
理由などをしっかりと共有することが重要である。
8.3.1 ケア移行時に必要な処方意図の情報連携
回復期病棟退院時の薬剤関連の情報提供として、入院中に変更された処方に関する情報
は、変更した理由や変更が行われた期間、処方の継続期間等を共有することが望ましい。回
復期病棟は入院期間が長いため、症状が消失しているにもかかわらず、薬物が漫然と処方さ
れているケースにも介入しやすい環境である。入院中に薬物有害事象や PIMs およびポリフ
ァーマシーに対する対応や評価を行い処方変更しても、退院後にその意図が十分に共有さ
れなければ、かかりつけ医が不要な薬物の再開を行ってしまう可能性がある。それを防ぐた
めにも薬剤師同士が薬物療法に関する情報を共有し、処方鑑査ができる環境を整えておく
必要がある 1)。
また、入院中に実施できなかった処方見直し案とその理由等も含めて記載することは、院
外の医療・介護従事者にとって有益となる。①処方見直し案の詳細、②見直しが実施できな
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