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切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための薬物療法情報提供書作成ガイド (18 ページ)
出典
公開元URL | https://www.ncgg.go.jp/hospital/kenshu/news/20250331.html |
出典情報 | 切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための薬物療法情報提供書作成ガイド(3/31)《国立長寿医療研究センター》 |
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切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための
薬物療法情報提供書作成ガイド
3.3.2 薬剤性認知症
認知機能低下は様々な薬物で引き起こされ、薬剤性認知症の原因となるが、中でも複数科
受診の場合に起こりやすい抗コリン作用の重積による認知機能低下は、薬剤師が最初に気
づくことも多い。2024 年 5 月、日本老年薬学会より、日本版抗コリン薬スケールが発表さ
れ、158 種類の抗コリン作用を有する薬物が掲載されている。入院は複数科からの処方を整
理する良い機会であり、認知機能低下を疑った場合には、薬物療法全体の抗コリン作用によ
るリスクを把握し、薬物が原因として疑わしければ、医師と相談し速やかに薬物の変更また
は中止を検討する。
3.3.3 認知症者の服薬支援
認知症者は比較的初期から服薬管理が困難になる。飲み忘れだけでなく、意図せぬ過量投
与などによる事故を回避するため、内服回数を減らす、一包化する、服薬カレンダーを利用
するなど、あらゆる手段を用いて服薬支援を行うが、実際には介護者による支援が必要とな
る場合が多い。そのため、介護者にも配慮した処方の工夫が必要であり、1 日 1 回であれば、
必ずしも朝食後などに拘る必要はなく、介護者に都合が良いタイミングとなるよう柔軟に
対応するべきである。そのためには患者と介護者の生活環境を詳しく知る必要があり、看護
師などと情報を共有する。
3.3.4 情報提供
処方の変更が行われた場合には、退院先の医療機関と退院後の予定管理者に対する情報
提供は必須である。これを怠ると、退院後にまた元の処方に戻ってしまうケースも少なくな
い。認知機能低下と ADL 障害について具体的に記載し、処方見直しを行った理由について情
報提供を行う。
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薬物療法情報提供書作成ガイド
3.3.2 薬剤性認知症
認知機能低下は様々な薬物で引き起こされ、薬剤性認知症の原因となるが、中でも複数科
受診の場合に起こりやすい抗コリン作用の重積による認知機能低下は、薬剤師が最初に気
づくことも多い。2024 年 5 月、日本老年薬学会より、日本版抗コリン薬スケールが発表さ
れ、158 種類の抗コリン作用を有する薬物が掲載されている。入院は複数科からの処方を整
理する良い機会であり、認知機能低下を疑った場合には、薬物療法全体の抗コリン作用によ
るリスクを把握し、薬物が原因として疑わしければ、医師と相談し速やかに薬物の変更また
は中止を検討する。
3.3.3 認知症者の服薬支援
認知症者は比較的初期から服薬管理が困難になる。飲み忘れだけでなく、意図せぬ過量投
与などによる事故を回避するため、内服回数を減らす、一包化する、服薬カレンダーを利用
するなど、あらゆる手段を用いて服薬支援を行うが、実際には介護者による支援が必要とな
る場合が多い。そのため、介護者にも配慮した処方の工夫が必要であり、1 日 1 回であれば、
必ずしも朝食後などに拘る必要はなく、介護者に都合が良いタイミングとなるよう柔軟に
対応するべきである。そのためには患者と介護者の生活環境を詳しく知る必要があり、看護
師などと情報を共有する。
3.3.4 情報提供
処方の変更が行われた場合には、退院先の医療機関と退院後の予定管理者に対する情報
提供は必須である。これを怠ると、退院後にまた元の処方に戻ってしまうケースも少なくな
い。認知機能低下と ADL 障害について具体的に記載し、処方見直しを行った理由について情
報提供を行う。
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