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切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための薬物療法情報提供書作成ガイド (21 ページ)

公開元URL https://www.ncgg.go.jp/hospital/kenshu/news/20250331.html
出典情報 切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための薬物療法情報提供書作成ガイド(3/31)《国立長寿医療研究センター》
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の 2 つを同時に行っている。GLIM 基準による低栄養診断手順が推奨されていることは強調
しておきたいが、入院時に評価された SGA の結果がある場合は、これも参考にできる。
3.4.5 低栄養の原因となりうる薬物
食欲不振、嘔気・嘔吐、摂食嚥下障害、便秘、下痢などの症状によって、栄養摂取、消化・
吸収、排泄が阻害されると低栄養をきたしやすい。そのため、これらの副作用を生じる薬物
を使用している場合は注意が必要である。これらの薬物については、「厚生労働科学研究費
補助金

長寿科学政策研究事業

薬学的視点を踏まえた自立支援・重度化防止推進のため

の研究班作成 在宅医療で遭遇しやすい薬剤起因性老年症候群の原因薬の一覧」 が参考に
なる。
また、薬物に起因する口腔内症状も食欲低下や摂食嚥下障害による食事摂取量減少につ
ながり、低栄養の要因となり得る。抗菌薬、解熱消炎鎮痛薬、抗てんかん薬、抗がん剤、葉
酸代謝拮抗薬(メトトレキサート等)などは薬物性口内炎の原因となる。口腔機能が低下す
ると、薬物の口腔内残留(とくに舌下、口腔前庭、義歯床下)が生じやすく、潰瘍が形成さ
れることがある。免疫力が低下した高齢者では、抗菌薬、抗がん剤長期投与、吸入ステロイ
ド薬使用により、口腔カンジダ症を発症しやすくなる 14)。
前述した、低栄養の診断基準には該当せずとも、食事摂取量減少や体重の減少傾向を認め
る場合、放置してしまうと低栄養に移行する可能性が高いため、薬物の投与内容の確認と見
直し、経腸栄養剤を用いた経口的栄養補助(Oral Nutrition Supplements: ONS)による低
栄養対策を検討する。
3.4.6 摂食嚥下機能と服薬
摂食嚥下機能低下は、簡易嚥下状態評価票(Eating Assessment Tool: EAT-10)にて短時
間でスクリーニングできる。嚥下の問題による体重減少・食欲不振、液体・固形物・錠剤の
嚥下状態、嚥下に対する苦痛、食べる喜びへの影響、嚥下時の喉の違和感、摂食時の咳、嚥
下時のストレスといった 10 項目の質問で構成され、嚥下障害の疑いの有無を判定する 15)。
服薬困難な際の薬の服薬方法は倉田なおみ編著「介護施設・在宅医療のための食事状況から
導く、薬の飲み方ガイド」の「摂食嚥下機能低下時の服用に関するアルゴリズム」に示され
ている 16)。
文献
1)
2)
3)
4)
5)

Morley JE. Anorexia of ageing: a key component in the pathogenesis of both sarcopenia and
cachexia. Journal of cachexia, sarcopenia and muscle. 8(4):523-526,2017
Agarwal E et.al. Malnutrition in the elderly: a narrative review. Maturitas. 76(4):296302,2013
Volkert D, Beck AM, Cederholm T, et al. ESPEN guideline on clinical nutrition and hydration
in geriatrics. Clinical nutrition. 38(1):10-47,2019
Morley JE, Silver AJ. Anorexia in the elderly. Neurobiology of aging.9(1):9-16,1988
Merchant RA, Woo J, Morley JE. Editorial: Anorexia of Ageing: Pathway to Frailty and

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