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切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための薬物療法情報提供書作成ガイド (42 ページ)
出典
公開元URL | https://www.ncgg.go.jp/hospital/kenshu/news/20250331.html |
出典情報 | 切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための薬物療法情報提供書作成ガイド(3/31)《国立長寿医療研究センター》 |
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切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための
薬物療法情報提供書作成ガイド
8.2) 急性期病院・病棟
Key Points
・急性期では患者の病態に応じて薬物が追加・中止になるなど、頻繁に処方変更が
行われるため、変更点を把握することが重要である。
・療養環境移行時には、急性期での薬物療法の変更点や薬物有害事象に関する情報
などを整理して情報を引き継ぐことが重要である。
・薬物療法情報提供書を効率的に作成できるよう各薬剤師が日常業務の中で情報収
集、準備を行うことが重要である。
8.2.1 急性期でのポリファーマシー対策
急性期の薬剤師は、薬物療法に関するさまざまな問題点に対して対応することが求めら
れている。特に大学病院等の急性期では、ポリファーマシーの高齢患者の 15.4%に有害事象
が発生していたと報告されている 1)。そのため検査等が行いやすく、患者の状態を確認する
医療従事者も充実している急性期では、薬物有害事象を発見する確率が高く、優先的に対応
することが求められている。また、急性期におけるポリファーマシーに対する処方見直し内
容としては、症状軽快に伴う薬物中止が最も多かったと報告されている 2)。そのため、薬剤
師は提供している薬物療法を評価し、処方見直しを行うことが大切である。
8.2.2 急性期における薬物療法情報提供書作成の流れ
急性期病院では入院の原因・契機となった疾患に対して集中的に治療が行われる。急性期
病院における在院日数が短いため薬物療法の調整やフォローアップを 1 つの病院で完結す
ることは難しい。そのため、急性期退院後の担当者に情報を引き継ぐことが重要である。
薬物療法情報提供書に記載された高齢者総合機能評価、服薬管理等の項目は、患者の状態
把握や処方見直しの際に役立つ情報のため初回面談時から情報収集を行う。急性期では病
態の変化に合わせて薬物の追加、中止などの処方変更が頻繁に行われる。そのため、処方変
更内容やその理由を日常業務中にまとめておくことで、薬物療法情報提供書の作成負担を
軽減することができる。薬物療法情報提供書の作成時間に制限がある場合は、薬物有害事象
に関わる問題点など患者への影響が大きく、優先順位の高い項目から記載することを考慮
する。なお、急性期では急遽退院になることがあるため、医師や看護師、メディカルスタッ
フなどと退院の情報を共有することが大切である。
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薬物療法情報提供書作成ガイド
8.2) 急性期病院・病棟
Key Points
・急性期では患者の病態に応じて薬物が追加・中止になるなど、頻繁に処方変更が
行われるため、変更点を把握することが重要である。
・療養環境移行時には、急性期での薬物療法の変更点や薬物有害事象に関する情報
などを整理して情報を引き継ぐことが重要である。
・薬物療法情報提供書を効率的に作成できるよう各薬剤師が日常業務の中で情報収
集、準備を行うことが重要である。
8.2.1 急性期でのポリファーマシー対策
急性期の薬剤師は、薬物療法に関するさまざまな問題点に対して対応することが求めら
れている。特に大学病院等の急性期では、ポリファーマシーの高齢患者の 15.4%に有害事象
が発生していたと報告されている 1)。そのため検査等が行いやすく、患者の状態を確認する
医療従事者も充実している急性期では、薬物有害事象を発見する確率が高く、優先的に対応
することが求められている。また、急性期におけるポリファーマシーに対する処方見直し内
容としては、症状軽快に伴う薬物中止が最も多かったと報告されている 2)。そのため、薬剤
師は提供している薬物療法を評価し、処方見直しを行うことが大切である。
8.2.2 急性期における薬物療法情報提供書作成の流れ
急性期病院では入院の原因・契機となった疾患に対して集中的に治療が行われる。急性期
病院における在院日数が短いため薬物療法の調整やフォローアップを 1 つの病院で完結す
ることは難しい。そのため、急性期退院後の担当者に情報を引き継ぐことが重要である。
薬物療法情報提供書に記載された高齢者総合機能評価、服薬管理等の項目は、患者の状態
把握や処方見直しの際に役立つ情報のため初回面談時から情報収集を行う。急性期では病
態の変化に合わせて薬物の追加、中止などの処方変更が頻繁に行われる。そのため、処方変
更内容やその理由を日常業務中にまとめておくことで、薬物療法情報提供書の作成負担を
軽減することができる。薬物療法情報提供書の作成時間に制限がある場合は、薬物有害事象
に関わる問題点など患者への影響が大きく、優先順位の高い項目から記載することを考慮
する。なお、急性期では急遽退院になることがあるため、医師や看護師、メディカルスタッ
フなどと退院の情報を共有することが大切である。
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