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資料1-3 ニフェジピン 調査結果報告書及び添付文書 (26 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29305.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第19回 11/22)《厚生労働省》 |
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4.動物試験
本薬の先発医薬品の承認申請時には、マウス、ラット、ウサギ及びサルを用いた動物試験が実
施され、いずれの試験も正常血圧の動物を用いて評価されている。1)~11)
正常血圧動物を用いたマウス、ラット及びウサギの試験では、母動物の死亡や流産などの明ら
かな母動物毒性が発現する本薬 100 mg/kg/day の用量において吸収胚又は胎児死亡の増加、胎児の
低体重、外表異常及び骨格異常(指趾骨の過剰、欠損等)の増加が認められた。また、ラットの試
験では本薬 25mg/kg/day の用量で胎児の外表異常(欠指、短指、短尾等)の増加がみられた。しか
し、ヒトの 1 日臨床投与量の約 20 倍に相当する本薬 10 mg/kg/day の用量では胚死亡や胎児の形態
異常等は認められなかった。本薬の動物試験で確認されている胎児致死作用及び催奇形作用等は、
母動物の過度な血圧低下に伴う子宮胎盤血流量の低下等に起因するものであり、これは本薬を含
む Ca 拮抗剤の薬理作用に基づくものと、文献の著者は考察している。12)
他方、文献検索により自然発症高血圧ラットを用いた試験の中から次の妊娠ラットを用いた 2
試験 13, 14)を抽出した。それらの試験結果は以下のとおりである。
① 高血圧妊娠ラットを用いて動脈圧及び血流量を測定した試験
13)では、本薬(0.2
mg/kg)を妊娠
21 日のラットの心室内に投与した結果、薬物投与により動脈圧は低下するものの、心拍出量
が増加し、内臓及び生殖器への血流量は増加を示した。妊娠中に生じる母体の過度な高血圧
を下げるための本薬の使用は子宮胎盤の血流量を必ずしも減少させるとは限らないと、文献
の著者は考察している。
② 正常血圧ラット及び高血圧ラットを用いて比較した試験 14)では、本薬(5、 10、 25 mg/kg/day)
をそれぞれのラットの妊娠 15~19 日に経口投与して胎盤血流量、胎盤重量及び胎児体重に及
ぼす影響について検討した結果、本薬投与により正常血圧ラットの胎児体重、胎盤重量及び
胎盤血流量はいずれも有意に減少したが、高血圧ラットでは、本薬投与による胎児体重、胎
盤重量及び胎盤血流量の減少は認められなかった。なお、収縮期血圧は、本薬投与により、
高血圧ラットでは著明に減少したが、正常血圧ラットでは減少しなかった。これらのデータ
を踏まえ、本薬の胎盤血流量に及ぼす影響は正常血圧動物と高血圧動物では異なる反応を示
すことが示唆されたと、文献の著者は考察している。
(1) 胎児の発生ならびに生後発育におよぼす影響 1)
① マウス胎児に対する影響
動物種(妊娠動物数) マウス(15~16 匹/群)
投与期間
妊娠7~12 日
投与量・投与経路
本薬 10、 25、 100 mg/kg/day(強制経口投与)
母動物には投与による影響は認められなかった。本薬 100 mg/kg/day 投
与群で死亡胎児数の増加、胎児体重の減少、外表異常(口蓋裂、欠指、
結果の概要
欠趾等)の増加、骨格異常(頸椎異常、胸骨癒着等)の増加がみられ、
本薬 25 mg/kg/day 投与群では胎児体重の減少が認められた。本薬 10
mg/kg/day 群では投与の影響は認められなかった。
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本薬の先発医薬品の承認申請時には、マウス、ラット、ウサギ及びサルを用いた動物試験が実
施され、いずれの試験も正常血圧の動物を用いて評価されている。1)~11)
正常血圧動物を用いたマウス、ラット及びウサギの試験では、母動物の死亡や流産などの明ら
かな母動物毒性が発現する本薬 100 mg/kg/day の用量において吸収胚又は胎児死亡の増加、胎児の
低体重、外表異常及び骨格異常(指趾骨の過剰、欠損等)の増加が認められた。また、ラットの試
験では本薬 25mg/kg/day の用量で胎児の外表異常(欠指、短指、短尾等)の増加がみられた。しか
し、ヒトの 1 日臨床投与量の約 20 倍に相当する本薬 10 mg/kg/day の用量では胚死亡や胎児の形態
異常等は認められなかった。本薬の動物試験で確認されている胎児致死作用及び催奇形作用等は、
母動物の過度な血圧低下に伴う子宮胎盤血流量の低下等に起因するものであり、これは本薬を含
む Ca 拮抗剤の薬理作用に基づくものと、文献の著者は考察している。12)
他方、文献検索により自然発症高血圧ラットを用いた試験の中から次の妊娠ラットを用いた 2
試験 13, 14)を抽出した。それらの試験結果は以下のとおりである。
① 高血圧妊娠ラットを用いて動脈圧及び血流量を測定した試験
13)では、本薬(0.2
mg/kg)を妊娠
21 日のラットの心室内に投与した結果、薬物投与により動脈圧は低下するものの、心拍出量
が増加し、内臓及び生殖器への血流量は増加を示した。妊娠中に生じる母体の過度な高血圧
を下げるための本薬の使用は子宮胎盤の血流量を必ずしも減少させるとは限らないと、文献
の著者は考察している。
② 正常血圧ラット及び高血圧ラットを用いて比較した試験 14)では、本薬(5、 10、 25 mg/kg/day)
をそれぞれのラットの妊娠 15~19 日に経口投与して胎盤血流量、胎盤重量及び胎児体重に及
ぼす影響について検討した結果、本薬投与により正常血圧ラットの胎児体重、胎盤重量及び
胎盤血流量はいずれも有意に減少したが、高血圧ラットでは、本薬投与による胎児体重、胎
盤重量及び胎盤血流量の減少は認められなかった。なお、収縮期血圧は、本薬投与により、
高血圧ラットでは著明に減少したが、正常血圧ラットでは減少しなかった。これらのデータ
を踏まえ、本薬の胎盤血流量に及ぼす影響は正常血圧動物と高血圧動物では異なる反応を示
すことが示唆されたと、文献の著者は考察している。
(1) 胎児の発生ならびに生後発育におよぼす影響 1)
① マウス胎児に対する影響
動物種(妊娠動物数) マウス(15~16 匹/群)
投与期間
妊娠7~12 日
投与量・投与経路
本薬 10、 25、 100 mg/kg/day(強制経口投与)
母動物には投与による影響は認められなかった。本薬 100 mg/kg/day 投
与群で死亡胎児数の増加、胎児体重の減少、外表異常(口蓋裂、欠指、
結果の概要
欠趾等)の増加、骨格異常(頸椎異常、胸骨癒着等)の増加がみられ、
本薬 25 mg/kg/day 投与群では胎児体重の減少が認められた。本薬 10
mg/kg/day 群では投与の影響は認められなかった。
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