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資料1-3 ニフェジピン 調査結果報告書及び添付文書 (35 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29305.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第19回 11/22)《厚生労働省》
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5.臨床使用に関する報告
本薬とアムロジピンを含めた Ca 拮抗薬と妊娠に関する公表された文献について、システマテ
ィックレビューを行った。
検索用データベースとして CINAHL、EMBASE、MEDLINE、及び British Nursing Index を用い、
専門家の意見、文献レビュー、MeSH(Medical Subject Headings)等の統制語を考慮し、キーワー
ドとして「Amlodipine」、
「Nifedipine」
「他の Ca 拮抗剤の各薬剤英語名」
「Ca blocker」
「Pregnancy」、
「Pregnancy Complications」、「Fetus」等を用いた(検索年月日 2018 年 8 月 7 日)

抽出した公表文献 1647 件のうち、タイトルや Abstract から①in vitro 試験、②動物試験、③既報
告のデータ引用のみの文献 を除外し、248 件を選定した。これら 248 件の公表文献を取り寄せて
詳細を検討した結果、臨床使用に関する報告について先天奇形に関する記載がある 10 件を記載し

た。また、JDIIP サマリー※に含まれるハンドサーチにより文献 1 件を追加検討した(3)
小規模ながら本薬や本薬を含む Ca 拮抗薬、Ca 拮抗薬(薬剤名不明)による使用で先天奇形の
頻度は上昇しないとの研究報告(コホート研究:1、3、4、6-8、症例対照研究:2、10、11)が複
数ある。一方で、米国の保険請求に基づく研究で Ca 拮抗薬曝露群 40 例中 2 例に上部消化管奇形
(詳細不明)がみられ、対照に比べてその頻度が高かった(リスク比 7.20(1.89-27.51)という報
告がある(6)。ハンガリーのレジストリを用いておこなった、児の食道閉鎖を対象とした症例対
照研究では population control 群との比較では本薬との関連が認められ、matched control 群との比較
。他に、右心系の狭窄・閉塞病変と本薬の関連を認め
では本薬との関連は認められなかった(11)
る症例対照研究報告(オッズ比 7.03(3.13-13.84)

(9)
、頭蓋顔面奇形との関連を認める症例対照
研究報告(オッズ比 2.88(1.22-6.79)
(5)がある。

※JDIIP サマリー:Reprotox、TERIS 等の催奇形性情報データベースや MEDLINE 等から得られる情報を精査・評
価し要約したもの(参照 Global Health & Medicine 2021 Volume 3 Issue 3 Pages 175-179)

(1) L. A. Magee

et al.The safety of calcium channel blockers in human pregnancy: a prospective,

multicenter cohort study,American Journal of Obstetrics & Gynecology,1996;174,3,823-8
対象疾患

高血圧

評価例数

Ca 拮抗薬曝露 78 例 81 妊娠、本薬曝露は 78 例のうち 44%

概要

カナダ、アメリカ、イギリスの 6 つの催奇形性物質情報サービスによ
る前向きコホート研究(1985-94 年登録)。
妊娠第 1 三半期に Ca 拮抗薬に曝露のあった 78 人の女性を登録し催
奇形性について検討した。73%は第 1 三半期のみの曝露で、19%は妊
娠経過を通じて使用していた。
大奇形発生率については、Ca 拮抗薬曝露例の児では 3.0%(2/66 例:
66 例には周産期死亡の 2 例を含む)
、妊婦の年齢と喫煙歴でマッチン
グした催奇形性物質への非曝露例(対照)の児では 0%(0/72 例)で
あり、有意差は認められなかった。

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