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資料1-3 ニフェジピン 調査結果報告書及び添付文書 (72 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29305.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第19回 11/22)《厚生労働省》
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薬剤名等
ジルチアゼム

トリアゾール系抗真
菌剤
イトラコナゾール
フルコナゾール等

リファンピシン
フェニトイン
カルバマゼピン

タクロリムス

シクロスポリン

HIVプロテアーゼ阻
害剤
サキナビル
リトナビル等

キヌプリスチン・ダ
ルホプリスチン

制酸剤

硫酸マグネシウム水
和物(注射剤)
[9.5.3 参照]
グレープフルーツ
ジュース

0.1~5%未満

臨床症状・措置方法
機序・危険因子
本剤の血中濃度が上昇し、作用が 発現機序の詳細は不明であ
るが、ジルチアゼムが本剤
増強されることがある。
患者の状態を注意深く観察し、過 の 肝 代 謝 ( チ ト ク ロ ー ム
度の血圧低下等の症状が認められ P450酵素系)反応を抑制し、
た場合、本剤を減量又はジルチア クリアランスを低下させる
ゼムの投与を中止するなど適切な ためと考えられている。
処置を行う。
本剤の血中濃度が上昇し、作用が 発現機序の詳細は不明であ
るが、トリアゾール系抗真
増強されることがある。
患者の状態を注意深く観察し、過 菌剤が本剤の肝代謝(チト
度の血圧低下や浮腫等の症状が認 クロームP450酵素系)反応
められた場合、本剤を減量又はト を抑制し、クリアランスを
リアゾール系抗真菌剤の投与を中 低下させるためと考えられ
ている。
止するなど適切な処置を行う。
本剤の有効血中濃度が得られず、リファンピシン、フェニト
イン、カルバマゼピンによ
作用が減弱することがある。
患者の状態を注意深く観察し、血 り誘導された肝薬物代謝酵
圧上昇や狭心症発作の悪化等の症 素(チトクロームP450)が
状が認められた場合、他剤への変 本剤の代謝を促進し、クリ
更又はリファンピシン、フェニト アランスを上昇させるため
イン、カルバマゼピンの投与を中 と考えられている。
止するなど適切な処置を行う。
タクロリムスの血中濃度が上昇す 発現機序の詳細は不明であ
るが、本剤がタクロリムス
ることがある。
患者の状態を注意深く観察し、腎 の 肝 代 謝 ( チ ト ク ロ ー ム
機能障害等の症状が認められた場 P450酵素系)反応を抑制し、
合、タクロリムスの用量を調節又 クリアランスを低下させる
は本剤の投与を中止するなど適切 ためと考えられている。
な処置を行う。
歯肉肥厚があらわれやすいとの報 発現機序の詳細は不明であ
るが、両剤の相加的な作用
告がある。
患者の状態を注意深く観察し、歯 によるものと考えられてい
肉肥厚が認められた場合、本剤又 る。
はシクロスポリンの投与を中止す
るなど適切な処置を行う。
本剤のAUCが上昇することが予想 発現機序の詳細は不明であ
るが、本剤とこれらの薬剤
される。
患者の状態を注意深く観察し、過 の 肝 代 謝 酵 素 が 同 じ
度の血圧低下等の症状が認められ(CYP3A4)であるため、競
た場合、本剤を減量するなど適切 合的に拮抗し、本剤の代謝
が阻害される可能性がある
な処置を行う。
と考えられている。
本剤の血中濃度が上昇し、作用が キヌプリスチン・ダルホプ
リスチンが、CYP3A4を阻
増強されるおそれがある。
患者の状態を注意深く観察し、過 害し、本剤のクリアランス
度の血圧低下等の症状が認められ を低下させるためと考えら
た場合、本剤を減量するなど適切 れている。
な処置を行う。
本剤の持効性がそこなわれるおそ 本剤はpH依存性の徐放性製
れがある。やむを得ず併用すると 剤であり、制酸剤によりニ
きは十分に服用間隔をあけること。 フェジピンの溶出率が上昇
するおそれがある。
過度の血圧低下や神経筋伝達遮断 併用により降圧作用や神経
の増強があらわれることがある。 筋伝達遮断作用が増強され
ると考えられている。
本剤の血中濃度が上昇し、作用が グレープフルーツジュース
に 含 ま れ る 成 分 が 、
増強されることがある。
患者の状態を注意深く観察し、過 CYP3A4を阻害し、本剤の
度の血圧低下等の症状が認められ クリアランスを低下させる
た場合、本剤を減量するなど適切 ためと考えられている。
な処置を行う。またグレープフ
ルーツジュースとの同時服用をし
ないように注意する。

代謝異常
血液
呼吸器
その他

白血球減少、貧血、血小板減少
呼吸困難、咳嗽、鼻出血、鼻閉
視力異常(霧視等)、女性化乳房、
眼痛、筋肉痛、関節痛、関節腫脹、
勃起不全

13. 過量投与
13.1 症状
過量投与に関する情報は少ないが、主要な臨床症状として過度
の血圧低下等が引き起こされる可能性がある。また、肝機能障
害があると症状が遷延することがある。
13.2 処置
蛋白結合率が高いので、強制利尿、血液透析等は本剤の除去に
はそれほど有用ではないと考えられる。
14. 適用上の注意
14.1 薬剤調製時の注意
本剤を容器から取り出して調剤する場合には、光に不安定であ
るため、できるだけ光にあてないよう注意すること。
14.2 薬剤交付時の注意
本剤をかみ砕かず服用するよう指導すること。
16. 薬物動態
16.1 血中濃度
健康成人に本剤(ニフェジピンとして10mg)を食後経口投与したときのニフェジピ
ン血漿中濃度は、図のとおりであり、緩徐な立ちあがりと持続性が認められた5)。

16.4 代謝
本剤は主にCYP3A4によって酸化される6)。[10. 参照]
16.5 排泄
本剤は主として尿中へまた一部は糞中へ排泄される。尿中への排泄率は20mg投与後
24時間までに60%であり、大部分が酸化・加水分解された代謝物であった7)。

11. 副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、
異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行
うこと。
11.1 重大な副作用
11.1.1 紅皮症(剥脱性皮膚炎)
(頻度不明)
11.1.2 無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明)
11.1.3 ショック(頻度不明)
11.1.4 意識障害(頻度不明)
血圧低下に伴う一過性の意識障害があらわれることがある。
11.1.5 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があら
われることがある。
11.2 その他の副作用
頻度不明
黄疸
BUN上昇、クレアチニン上昇
顔 面 潮 紅 、 の ぼ せ 、 動 悸 、 浮 腫 潮紅、血圧低下、起立性低血圧、
(下肢、顔面等)、熱感、頻尿
胸部痛、頻脈、発汗、悪寒
精神神経系 頭痛、めまい、脱力感
倦怠感、眠気、不眠、四肢しびれ
感、筋痙攣、異常感覚、振戦
消化器
悪心・嘔吐、腹部不快感
便秘、食欲不振、上腹部痛、下痢、
口渇、胸やけ、鼓腸
過敏症
発疹、そう痒
光線過敏症4)、紫斑、血管浮腫
口腔
歯肉肥厚
肝臓
腎臓
循環器

頻度不明

高血糖

0.1~5%未満
ALT上昇、AST上昇、Al-P上昇

17. 臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈本態性高血圧症〉
17.1.1 国内一般臨床試験
本態性高血圧症を対象とした一般臨床試験での本剤の有効率(「下降」以上、判定不
能例は除く)は85.9%(67例/78例)であった。臨床検査値異常を含む副作用の発現
率は16.5%(14例/85例)であり、主な副作用は顔面潮紅(3.5%)、動悸(2.4%)、
頭痛(2.4%)、AST上昇(2.4%)、ALT上昇(2.4%)であった8),9)。
17.1.2 国内二重盲検比較試験
本態性高血圧症を対象にした二重盲検比較試験での本剤の有効率(「下降」以上、判
定不能例は除く)は77.6%(52例/67例)であった。臨床検査値異常を含む副作用の
発現率は25.4%(17例/67例)であり、主な副作用は頭痛(4.5%)、AST上昇
(4.5%)、ALT上昇(4.5%)であった10)。
〈狭心症〉
17.1.3 国内一般臨床試験
狭心症を対象にした一般臨床試験での本剤の有効率(「改善」以上、判定不能例は除
く)は63.3%(31例/49例)であった。臨床検査値異常を含む副作用の発現率は
27.3%(15例/55例)であり、主な副作用は頭痛(7.2%)、ALT上昇(3.6%)で
あった11),12)。
18. 薬効薬理
18.1 作用機序
ニフェジピンは血管平滑筋に直接作用し、細胞内へのCa2+の流入を抑制することに
より血管拡張作用を発現する。
18.2 血圧降下作用
18.2.1 ニフェジピンを自然発症高血圧ラットに経口投与したところ、速やかな、かつ
用量依存的な降圧作用を示したが、正常血圧ラットの血圧にはほとんど影響を及ぼさ
なかった。心拍数は、降圧に伴い軽度の増加が認められた13),14)。
18.2.2 ニフェジピン10mg/kg/日を自然発症高血圧ラットに単回経口投与したとき、
投与後15分以内に血圧の下降がみられ、28日間連続経口投与しても耐性は認められな
かった15)。
18.3 冠血流量増加作用
18.3.1 ニフェジピンは、麻酔イヌへの静脈内投与又は十二指腸内投与により、冠血流
量及び冠静脈洞酸素分圧を増加させた16),17)。
18.3.2 ニフェジピンは、麻酔イヌへの静脈内投与により、用量依存的に血圧及び左室
内圧を下降させ、心仕事量を減少させた18)。
19. 有効成分に関する理化学的知見
一般名:ニフェジピン(Nifedipine)
化学名:Dimethyl 2, 6-dimethyl-4-(2-nitrophenyl)-1, 4-dihydropyridine-3,
5-dicarboxylate
分子式:C17H18N2O6
分子量:346.33

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