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資料1-3 ニフェジピン 調査結果報告書及び添付文書 (58 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29305.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第19回 11/22)《厚生労働省》 |
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■ 有効成分に関する理化学的知見
構造式:
一般名:ニフェジピン(Nifedipine)JAN (Nifedipine INN)
化学名:Dimethyl 2 , 6 - dimethyl - 4(2
- - nitrophenyl)-1 , 4 -
dihydropyridine - 3 , 5 - dicarboxylate
分子式:C17H18N2O6
分子量:346.33
融 点:172〜175℃
性 状:本品は黄色の結晶性の粉末で,におい及び味はない.
本品はアセトン又はジクロロメタンに溶けやすく,メタノ
ール,エタノール
(95)又は酢酸
(100)にやや溶けにくく,
ジエチルエーテルに溶けにくく,水にほとんど溶けない.
本品は光によって変化する.
.
.
1.
⃝血管平滑筋の細胞内Ca過負荷による動脈壁へのCa沈着やアテロー
ム性動脈硬化等の抑制並びに持続性高血圧に伴う血管病変の進展
を抑制する.
血圧に及ぼす作用
⃝本態性高血圧症及び腎性高血圧症患者11例に1回20mgを 1 日 2
回,9〜23ヵ月間単独又は従来の治療薬に追加して経口投与し
た場合,収縮期及び拡張期血圧の平均値は投与前173.6/107.5
mmHgより投与後 2 週目には145.3/88.3mmHg, 4 週目には127.4/
82.0mmHgと有意に下降し,以後長期にわたり良好な血圧を維持
する4).
⃝高血圧症患者21例に 1 回20mgを 1 日 2 回経口投与した場合,1
日 8 回の血圧測定値の標準偏差と血圧日内較差からみた血圧
日内変動の大きさには有意の変化を及ぼさず, 1 日の血圧日内
変動のパターンにも大きな変化を及ぼさない6).
2 心・全身血行動態に及ぼす作用
麻酔開胸犬に5μg/kgを静脈内投与した実験では,
投与 3 分後には
平均血圧が著明に低下し,左室最大駆出速度の上昇を伴う心拍出
量の増加と全末梢血管抵抗の減少がみられる.左室外部仕事及び
心拍数は変化せず,
また容量血管には有意の影響は認められない7).
3 冠循環に及ぼす作用
⃝麻酔開胸犬に静脈内投与した実験では,総冠血流量を増加させ
る有効量は1〜5μg/kgで,3μg/kgの場合,総冠血流量はほぼ100
%増加する.また300μg/kgを経口投与した場合,総冠血流量は
投与10分後から増加しはじめ,作用は 2 時間以上持続する8).
⃝正常成犬に 1 日60mgを 4 〜 5 ヵ月間あらかじめ毎日経口投与した
実験では,左冠動脈前下行枝の結紮 1 週間後における摘出心の
冠動脈造影から冠動脈間吻合の数,口径の大きさともに有意に
発達する9).
4 心筋エネルギー代謝及び酸素消費量に及ぼす作用
⃝麻酔開胸犬に1,3,10μg/kgを静脈内投与した実験では,心拍数
はほとんど変化せず,
平均動脈圧はそれぞれ10,
20,
31%低下し,
同時に心筋酸素消費量は8,20,30%減少する10).
⃝家兎に2mg/kgを 1 日 2 回,4 〜 5 日間あらかじめ皮下投与した後
の摘出心では,左冠動脈結紮による90分間の虚血時及び虚血後
30分間の再灌流時にみられる酸化的リン酸化能の低下と心筋
細胞ミトコンドリア内のCa含量の増加が抑制される.また同
時に心筋細胞内の高エネルギーリン酸化合物
(ATP,CP)が保
持される11).
5 血管・臓器に及ぼす作用
⃝高血圧自然発症ラット
(生後 4 週齢)
に 1 日50〜150mg/kgを 5 ヵ
月間経口投与した実験では大動脈及び腸間膜動脈壁のCaの異
常蓄積(Mönckeberg型動脈硬化症)
は有意に抑制される12).
⃝Dahl食塩感受性高血圧ラットに 8 %NaClを負荷し,
ニフェジピ
ン300ppmを 6 週間経口投与した実験では,心臓の肥大及び心,
腎,腸間膜の動脈における内膜の肥厚や類線維壊死の発生を抑
制するとともに修復する13).
6 その他の作用
⃝血小板
麻酔犬に 1 分間当り4μg/kgを静脈内に持続投与した実験では,
両側大腿動脈に挿入したポリテトラフルオロエチレン人工血管
での111In標識自家血小板の沈着及び血小板沈着総数は有意に低
下する14).
⃝房室伝導
麻酔開胸犬に総冠血流量を100%増加する用量の3μg/kgから10
μg/kgを静脈内投与した実験では,
in situ心臓の房室伝導は抑制
されずむしろ軽度促進する.
30μg/kgまで増量すると房室伝導時
間と房室伝導系の機能不応期はともに延長するが,それぞれ約
20,30ミリ秒の延長にとどまり,何ら障害を及ぼさない15).
■包
装
錠 剤
10mg PTP包装 1 00錠(10錠×10),500錠(10錠×50)
700錠(14錠×50)
バラ包装 1,000錠
20mg PTP包装 100錠(10錠×10),500錠(10錠×50)
700錠(14錠×50)
バラ包装 1,000錠
■ 主要文献
1)浅田裕啓他:バイエル薬品社内資料[薬物動態]
(1983)
2)Duhm, B. et al.:Arzneim . -Forsch ./Drug Res ., 22
(1),
42(1972)
3)Duhm, B. et al.:バイエル薬品社内資料[ラットにおける乳汁排
泄]
(1971)
4)阿部圭志他:臨牀と研究, 61(4),261(1984)
5)中村芳郎他:臨牀と研究, 60(6),309(1983)
6)栃久保修他:薬理と治療, 11(9)
, 393(1983)
7)Hayase, S. et al.:Jpn . Circulation J., 35(8),903(1971)
8)橋本虎六他:心臓, 3(11),1294(1971)
9)Kanazawa, T. et al.:Arzneim . -Forsch ./Drug Res ., 24
(9),
1267(1974)
10)Vater, W. :In Proceedings, 2nd International Adalat ®
Symposium , p.77(1975)
11)Nayler, W. G. et al.:Am . J. Cardiol., 46, 242(1980)
12)Fleckenstein, A. et al.:In Proceedings, 5 th International
Adalat ®Symposium , p.36(1983)
13)Kazda, S. et al.:In Proceedings, 5th International Adalat ®
Symposium , p.133(1983)
14)Pumphrey, C. W. et al.:Am . J. Cardiol., 51(3),591(1983)
15)Taira, N. et al.:In Proceedings, 2nd International Adalat ®
Symposium , p.40(1975)
.
.
.
■ 文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい.
バイエル薬品株式会社・メディカルインフォメーション
〒530-0001 大阪市北区梅田二丁目4番9号
■ バイエル医療用医薬品のお問い合わせ先
バイエル薬品株式会社・くすり相談
-4-
0120-106-398
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構造式:
一般名:ニフェジピン(Nifedipine)JAN (Nifedipine INN)
化学名:Dimethyl 2 , 6 - dimethyl - 4(2
- - nitrophenyl)-1 , 4 -
dihydropyridine - 3 , 5 - dicarboxylate
分子式:C17H18N2O6
分子量:346.33
融 点:172〜175℃
性 状:本品は黄色の結晶性の粉末で,におい及び味はない.
本品はアセトン又はジクロロメタンに溶けやすく,メタノ
ール,エタノール
(95)又は酢酸
(100)にやや溶けにくく,
ジエチルエーテルに溶けにくく,水にほとんど溶けない.
本品は光によって変化する.
.
.
1.
⃝血管平滑筋の細胞内Ca過負荷による動脈壁へのCa沈着やアテロー
ム性動脈硬化等の抑制並びに持続性高血圧に伴う血管病変の進展
を抑制する.
血圧に及ぼす作用
⃝本態性高血圧症及び腎性高血圧症患者11例に1回20mgを 1 日 2
回,9〜23ヵ月間単独又は従来の治療薬に追加して経口投与し
た場合,収縮期及び拡張期血圧の平均値は投与前173.6/107.5
mmHgより投与後 2 週目には145.3/88.3mmHg, 4 週目には127.4/
82.0mmHgと有意に下降し,以後長期にわたり良好な血圧を維持
する4).
⃝高血圧症患者21例に 1 回20mgを 1 日 2 回経口投与した場合,1
日 8 回の血圧測定値の標準偏差と血圧日内較差からみた血圧
日内変動の大きさには有意の変化を及ぼさず, 1 日の血圧日内
変動のパターンにも大きな変化を及ぼさない6).
2 心・全身血行動態に及ぼす作用
麻酔開胸犬に5μg/kgを静脈内投与した実験では,
投与 3 分後には
平均血圧が著明に低下し,左室最大駆出速度の上昇を伴う心拍出
量の増加と全末梢血管抵抗の減少がみられる.左室外部仕事及び
心拍数は変化せず,
また容量血管には有意の影響は認められない7).
3 冠循環に及ぼす作用
⃝麻酔開胸犬に静脈内投与した実験では,総冠血流量を増加させ
る有効量は1〜5μg/kgで,3μg/kgの場合,総冠血流量はほぼ100
%増加する.また300μg/kgを経口投与した場合,総冠血流量は
投与10分後から増加しはじめ,作用は 2 時間以上持続する8).
⃝正常成犬に 1 日60mgを 4 〜 5 ヵ月間あらかじめ毎日経口投与した
実験では,左冠動脈前下行枝の結紮 1 週間後における摘出心の
冠動脈造影から冠動脈間吻合の数,口径の大きさともに有意に
発達する9).
4 心筋エネルギー代謝及び酸素消費量に及ぼす作用
⃝麻酔開胸犬に1,3,10μg/kgを静脈内投与した実験では,心拍数
はほとんど変化せず,
平均動脈圧はそれぞれ10,
20,
31%低下し,
同時に心筋酸素消費量は8,20,30%減少する10).
⃝家兎に2mg/kgを 1 日 2 回,4 〜 5 日間あらかじめ皮下投与した後
の摘出心では,左冠動脈結紮による90分間の虚血時及び虚血後
30分間の再灌流時にみられる酸化的リン酸化能の低下と心筋
細胞ミトコンドリア内のCa含量の増加が抑制される.また同
時に心筋細胞内の高エネルギーリン酸化合物
(ATP,CP)が保
持される11).
5 血管・臓器に及ぼす作用
⃝高血圧自然発症ラット
(生後 4 週齢)
に 1 日50〜150mg/kgを 5 ヵ
月間経口投与した実験では大動脈及び腸間膜動脈壁のCaの異
常蓄積(Mönckeberg型動脈硬化症)
は有意に抑制される12).
⃝Dahl食塩感受性高血圧ラットに 8 %NaClを負荷し,
ニフェジピ
ン300ppmを 6 週間経口投与した実験では,心臓の肥大及び心,
腎,腸間膜の動脈における内膜の肥厚や類線維壊死の発生を抑
制するとともに修復する13).
6 その他の作用
⃝血小板
麻酔犬に 1 分間当り4μg/kgを静脈内に持続投与した実験では,
両側大腿動脈に挿入したポリテトラフルオロエチレン人工血管
での111In標識自家血小板の沈着及び血小板沈着総数は有意に低
下する14).
⃝房室伝導
麻酔開胸犬に総冠血流量を100%増加する用量の3μg/kgから10
μg/kgを静脈内投与した実験では,
in situ心臓の房室伝導は抑制
されずむしろ軽度促進する.
30μg/kgまで増量すると房室伝導時
間と房室伝導系の機能不応期はともに延長するが,それぞれ約
20,30ミリ秒の延長にとどまり,何ら障害を及ぼさない15).
■包
装
錠 剤
10mg PTP包装 1 00錠(10錠×10),500錠(10錠×50)
700錠(14錠×50)
バラ包装 1,000錠
20mg PTP包装 100錠(10錠×10),500錠(10錠×50)
700錠(14錠×50)
バラ包装 1,000錠
■ 主要文献
1)浅田裕啓他:バイエル薬品社内資料[薬物動態]
(1983)
2)Duhm, B. et al.:Arzneim . -Forsch ./Drug Res ., 22
(1),
42(1972)
3)Duhm, B. et al.:バイエル薬品社内資料[ラットにおける乳汁排
泄]
(1971)
4)阿部圭志他:臨牀と研究, 61(4),261(1984)
5)中村芳郎他:臨牀と研究, 60(6),309(1983)
6)栃久保修他:薬理と治療, 11(9)
, 393(1983)
7)Hayase, S. et al.:Jpn . Circulation J., 35(8),903(1971)
8)橋本虎六他:心臓, 3(11),1294(1971)
9)Kanazawa, T. et al.:Arzneim . -Forsch ./Drug Res ., 24
(9),
1267(1974)
10)Vater, W. :In Proceedings, 2nd International Adalat ®
Symposium , p.77(1975)
11)Nayler, W. G. et al.:Am . J. Cardiol., 46, 242(1980)
12)Fleckenstein, A. et al.:In Proceedings, 5 th International
Adalat ®Symposium , p.36(1983)
13)Kazda, S. et al.:In Proceedings, 5th International Adalat ®
Symposium , p.133(1983)
14)Pumphrey, C. W. et al.:Am . J. Cardiol., 51(3),591(1983)
15)Taira, N. et al.:In Proceedings, 2nd International Adalat ®
Symposium , p.40(1975)
.
.
.
■ 文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい.
バイエル薬品株式会社・メディカルインフォメーション
〒530-0001 大阪市北区梅田二丁目4番9号
■ バイエル医療用医薬品のお問い合わせ先
バイエル薬品株式会社・くすり相談
-4-
0120-106-398
57