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資料1-3 ニフェジピン 調査結果報告書及び添付文書 (62 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29305.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第19回 11/22)《厚生労働省》 |
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電図や呼吸機能等のモニターを行いながら,下肢の挙上,
また必要に応じて輸液,カルシウムの静注,昇圧剤の投
与など積極的な支持・対症療法を行う.なお,蛋白結合
率が高いので,強制利尿,血液透析等は本剤の除去には
それほど有用ではないと考えられる.
9.適用上の注意
⑴服用時:本剤は割ったり,砕いたり,すりつぶしたり
しないで,そのままかまずに服用させること.
[割った
り,かみ砕いたりして服用すると,血中濃度が高くな
り,頭痛,顔面潮紅等の副作用が発現しやすくなる可
能性がある.]
⑵薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出
して服用するよう指導すること.
[PTPシートの誤飲によ
り,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起
こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報
告されている.]
■ 薬物動態
吸収・排泄
健康成人に20,40mgを単回経口投与したときの血中未変化体濃
度の推移は図のとおりである1).
尿中には未変化体は検出されず,投与後60時間までに約60%が
代謝物として排泄された1).
*本態性高血圧症患者に40mgを 1 日 1 回又は 1 日 2 回 2 週間経口
投与したときのトラフ時血中未変化体濃度は, 1 日 1 回投与で
26.7ng/mL, 1 日 2 回投与で68.1ng/mLであった2).
軽〜中等度の腎機能障害を伴う高血圧症患者に経口投与したと
き,腎障害のない本態性高血圧症患者と比較してCmax及びAUC
が約1.4倍であり,代謝物の尿中排泄がやや遅延した3).
〈参
■ 臨床成績
*二重盲検比較試験を含む臨床試験の概要は次のとおりである6〜11).
*1.高血圧症,腎実質性高血圧症,腎血管性高血圧症
⃝本態性高血圧症に対する10〜40mg 1 日 1 回投与時
(漸増法)
の有効率は89.8%(386/430)
であった.また,二重盲検比較
試験において本剤の有用性が認められている.
⃝40mgを 1 日 1 回 4 〜 6 週間投与後に,拡張期血圧が降圧目
標に達しなかった本態性高血圧症患者351例を 2 群に分け
て,40mgを 1 日 2 回又は 1 日 1 回 8 週間投与したときの収
縮期及び拡張期血圧のベースライン
( 1 日 2 回 投 与 群:
148.7/95.3mmHg, 1 日 1 回投与群:146.4/95.6mmHg)からの
変化量の最小二乗平均値は,1 日 2 回投与群で11.1/7.7mmHg
の低下, 1 日 1 回投与群で3.7/3.6mmHgの低下であり,両群
間に統計学的に有意な差がみられた.さらに,
継続して40mg
を 1 日 2 回通算して52週間投与した長期投与試験の有効解
析対象となった119例では,収縮期及び拡張期血圧のベー
スライン
(147.8/96.4mmHg)か ら の 変 化 量 の 平 均 値 は,
16.8/12.0mmHgの低下を示した.
⃝40mgを 1 日 1 回とカルシウム拮抗剤以外の降圧剤を 2 週間
併用投与した後に,拡張期血圧が降圧目標に達しなかった
本態性高血圧症患者71例に40mgを 1 日 2 回と他の降圧剤を
52週間併用投与したとき,収縮期及び拡張期血圧のベース
ライン
(150.6/93.5mmHg)からの変化量の平均値は,19.1/
13.1mmHgの低下を示した.
⃝腎実質性高血圧症に対する有効率は73.0%(27/37),腎血管
性高血圧症に対する有効率は77.8%
(7/9)
であった.
2.狭心症,異型狭心症
⃝狭心症に対する有効率は73.4%
(94/128)
であった.また,二
重盲検比較試験において本剤の有用性が認められている.
⃝異型狭心症に対する有効率は88.2%
(45/51)
であった.また,
二重盲検比較試験において本剤の有用性が認められている.
3.高齢者への投与
65歳以上の高齢者における有効例は,高血圧症で127/138例
(92.0%)
,狭心症で51/69例
(73.9%)
,臨床検査値異常を含め
た副作用発現例は21/206例(10.2%)であった.75歳以上の高
齢者での使用経験は少ないが,有効例は高血圧症で8/10例
(80.0%)
,狭心症で6/8例
(75.0%)
,臨床検査値異常を含めた
副作用発現例は4/19例
(21.1%)
で,頭痛,めまい,総コレステロ
ールの上昇,AST
(GOT)
・ALT
(GPT)
・LDHの上昇が各 1 例
にみられた.
■ 薬効薬理
考〉 分 布4 , 5)
14
ラットに C-ニフェジピンを 1 回 1 mg/kg経口あるいは静脈内投
与した実験では,骨格筋よりも心筋に高濃度の放射活性が認め
られている.投与後 2 日以内に放射活性の97%以上が排泄され,
この時点で肝臓にはわずか0.4%以下が残存しているに過ぎな
い.いずれの組織においてもニフェジピン又は代謝産物の選択
的蓄積作用を示唆する所見は認められていない.授乳ラットに
14
C-ニフェジピンを 1 回 3 mg/kg静脈内投与した実験では血中濃
度の1/2〜1/4の濃度で乳汁中に移行し,血中濃度の低下とともに
速やかに低下するのが認められる.
**肝機能障害(外国人での成績)
軽度の肝機能障害
(Child-Pugh分類A 8 例)
又は中等度の肝機能
障害
(Child-Pugh分類B 8 例)のある患者にニフェジピンGITS
錠
(GastroIntestinal Therapeutic System,承認外剤形)30mgと
カンデサルタン シレキセチル 8 mgとの配合錠
(国内未承認)を
単回投与したとき,健康成人と比べてニフェジピンのAUCはそ
れぞれ93%,253%上昇し,Cmaxはそれぞれ64%,171%上昇
した.
ニフェジピンは筋の興奮収縮連関物質であるCaの血管平滑筋及
び心筋細胞内への流入を抑制して,冠血管を拡張するとともに
全末梢血管抵抗を減少させ,抗高血圧作用と心筋酸素需給バラ
ンスの改善作用をあらわす.
⃝全身細動脈の拡張により全末梢血管抵抗を減少させ,安定か
つ持続的な降圧作用をあらわす.また左室後負荷を軽減して
心機能を改善する.
⃝冠血管を持続的に拡張して冠循環を増強するとともに側副血
行路の発達を促進し,また冠血管攣縮を抑制することにより,
心筋虚血部への酸素供給を増加する.
⃝ATP,CP等高エネルギーリン酸化合物の消費を抑制すること
により,心臓のエネルギーバランスを改善し,低酸素状態に
対する耐性を高める.
⃝血管平滑筋の細胞内Ca過負荷による動脈壁へのCa沈着やアテ
ローム性動脈硬化等の抑制並びに持続性高血圧に伴う血管病
変の進展を抑制する.
1.血圧に及ぼす作用
⃝軽・中等症本態性高血圧症患者43例に 1 回20〜40mgを 1 日 1
回, 8 週間経口投与した場合,収縮期及び拡張期血圧は投
与前の169/101mmHgより,投与後 2 週目には149/89mmHg,
4 週目には143/88mmHg,6 週目には144/86mmHg,8 週目に
は141/85mmHgと,有意な降圧が認められている12).
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また必要に応じて輸液,カルシウムの静注,昇圧剤の投
与など積極的な支持・対症療法を行う.なお,蛋白結合
率が高いので,強制利尿,血液透析等は本剤の除去には
それほど有用ではないと考えられる.
9.適用上の注意
⑴服用時:本剤は割ったり,砕いたり,すりつぶしたり
しないで,そのままかまずに服用させること.
[割った
り,かみ砕いたりして服用すると,血中濃度が高くな
り,頭痛,顔面潮紅等の副作用が発現しやすくなる可
能性がある.]
⑵薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出
して服用するよう指導すること.
[PTPシートの誤飲によ
り,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起
こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報
告されている.]
■ 薬物動態
吸収・排泄
健康成人に20,40mgを単回経口投与したときの血中未変化体濃
度の推移は図のとおりである1).
尿中には未変化体は検出されず,投与後60時間までに約60%が
代謝物として排泄された1).
*本態性高血圧症患者に40mgを 1 日 1 回又は 1 日 2 回 2 週間経口
投与したときのトラフ時血中未変化体濃度は, 1 日 1 回投与で
26.7ng/mL, 1 日 2 回投与で68.1ng/mLであった2).
軽〜中等度の腎機能障害を伴う高血圧症患者に経口投与したと
き,腎障害のない本態性高血圧症患者と比較してCmax及びAUC
が約1.4倍であり,代謝物の尿中排泄がやや遅延した3).
〈参
■ 臨床成績
*二重盲検比較試験を含む臨床試験の概要は次のとおりである6〜11).
*1.高血圧症,腎実質性高血圧症,腎血管性高血圧症
⃝本態性高血圧症に対する10〜40mg 1 日 1 回投与時
(漸増法)
の有効率は89.8%(386/430)
であった.また,二重盲検比較
試験において本剤の有用性が認められている.
⃝40mgを 1 日 1 回 4 〜 6 週間投与後に,拡張期血圧が降圧目
標に達しなかった本態性高血圧症患者351例を 2 群に分け
て,40mgを 1 日 2 回又は 1 日 1 回 8 週間投与したときの収
縮期及び拡張期血圧のベースライン
( 1 日 2 回 投 与 群:
148.7/95.3mmHg, 1 日 1 回投与群:146.4/95.6mmHg)からの
変化量の最小二乗平均値は,1 日 2 回投与群で11.1/7.7mmHg
の低下, 1 日 1 回投与群で3.7/3.6mmHgの低下であり,両群
間に統計学的に有意な差がみられた.さらに,
継続して40mg
を 1 日 2 回通算して52週間投与した長期投与試験の有効解
析対象となった119例では,収縮期及び拡張期血圧のベー
スライン
(147.8/96.4mmHg)か ら の 変 化 量 の 平 均 値 は,
16.8/12.0mmHgの低下を示した.
⃝40mgを 1 日 1 回とカルシウム拮抗剤以外の降圧剤を 2 週間
併用投与した後に,拡張期血圧が降圧目標に達しなかった
本態性高血圧症患者71例に40mgを 1 日 2 回と他の降圧剤を
52週間併用投与したとき,収縮期及び拡張期血圧のベース
ライン
(150.6/93.5mmHg)からの変化量の平均値は,19.1/
13.1mmHgの低下を示した.
⃝腎実質性高血圧症に対する有効率は73.0%(27/37),腎血管
性高血圧症に対する有効率は77.8%
(7/9)
であった.
2.狭心症,異型狭心症
⃝狭心症に対する有効率は73.4%
(94/128)
であった.また,二
重盲検比較試験において本剤の有用性が認められている.
⃝異型狭心症に対する有効率は88.2%
(45/51)
であった.また,
二重盲検比較試験において本剤の有用性が認められている.
3.高齢者への投与
65歳以上の高齢者における有効例は,高血圧症で127/138例
(92.0%)
,狭心症で51/69例
(73.9%)
,臨床検査値異常を含め
た副作用発現例は21/206例(10.2%)であった.75歳以上の高
齢者での使用経験は少ないが,有効例は高血圧症で8/10例
(80.0%)
,狭心症で6/8例
(75.0%)
,臨床検査値異常を含めた
副作用発現例は4/19例
(21.1%)
で,頭痛,めまい,総コレステロ
ールの上昇,AST
(GOT)
・ALT
(GPT)
・LDHの上昇が各 1 例
にみられた.
■ 薬効薬理
考〉 分 布4 , 5)
14
ラットに C-ニフェジピンを 1 回 1 mg/kg経口あるいは静脈内投
与した実験では,骨格筋よりも心筋に高濃度の放射活性が認め
られている.投与後 2 日以内に放射活性の97%以上が排泄され,
この時点で肝臓にはわずか0.4%以下が残存しているに過ぎな
い.いずれの組織においてもニフェジピン又は代謝産物の選択
的蓄積作用を示唆する所見は認められていない.授乳ラットに
14
C-ニフェジピンを 1 回 3 mg/kg静脈内投与した実験では血中濃
度の1/2〜1/4の濃度で乳汁中に移行し,血中濃度の低下とともに
速やかに低下するのが認められる.
**肝機能障害(外国人での成績)
軽度の肝機能障害
(Child-Pugh分類A 8 例)
又は中等度の肝機能
障害
(Child-Pugh分類B 8 例)のある患者にニフェジピンGITS
錠
(GastroIntestinal Therapeutic System,承認外剤形)30mgと
カンデサルタン シレキセチル 8 mgとの配合錠
(国内未承認)を
単回投与したとき,健康成人と比べてニフェジピンのAUCはそ
れぞれ93%,253%上昇し,Cmaxはそれぞれ64%,171%上昇
した.
ニフェジピンは筋の興奮収縮連関物質であるCaの血管平滑筋及
び心筋細胞内への流入を抑制して,冠血管を拡張するとともに
全末梢血管抵抗を減少させ,抗高血圧作用と心筋酸素需給バラ
ンスの改善作用をあらわす.
⃝全身細動脈の拡張により全末梢血管抵抗を減少させ,安定か
つ持続的な降圧作用をあらわす.また左室後負荷を軽減して
心機能を改善する.
⃝冠血管を持続的に拡張して冠循環を増強するとともに側副血
行路の発達を促進し,また冠血管攣縮を抑制することにより,
心筋虚血部への酸素供給を増加する.
⃝ATP,CP等高エネルギーリン酸化合物の消費を抑制すること
により,心臓のエネルギーバランスを改善し,低酸素状態に
対する耐性を高める.
⃝血管平滑筋の細胞内Ca過負荷による動脈壁へのCa沈着やアテ
ローム性動脈硬化等の抑制並びに持続性高血圧に伴う血管病
変の進展を抑制する.
1.血圧に及ぼす作用
⃝軽・中等症本態性高血圧症患者43例に 1 回20〜40mgを 1 日 1
回, 8 週間経口投与した場合,収縮期及び拡張期血圧は投
与前の169/101mmHgより,投与後 2 週目には149/89mmHg,
4 週目には143/88mmHg,6 週目には144/86mmHg,8 週目に
は141/85mmHgと,有意な降圧が認められている12).
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