参考資料1-7 浜口班の議論における参考資料(令和3年10月25日開催)(令和3年度第6回安全技術調査会参考資料1-2) (181 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27504.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会安全技術調査会(令和4年度第2回 8/23)《厚生労働省》 |
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(ver 2.0, 2021 年 6 月 2 日)
3 万/μL 以下
1) 免疫グロブリン静注療法‡‡
(高用量 IVIg、1g/kg/日を 2 日
間、完全分子型)
2) ヘパリン類§§
3) ヘパリン以外の抗凝固薬||||
(a) アルガトロバン
血小板数
3 万〜5 万/μL
5〜10 万/μL
推奨する‡‡
10 万/μL 以上
出血と血栓症のバランス
を考慮し投与を考慮する
すべてのヘパリン類の使用を避けるのが妥当であろう
専門家に迅速に相談のうえ、出血と血栓症のリスクバランスを考慮し、以下の抗凝固薬
の投与を検討する。薬剤の選択にあたっては、患者の状態、薬剤の特徴、使用経験など
をもとに判断する。重篤な出血症状を認める場合、上記 IVIg 製剤を先行させるのが妥
当と考えられるが、血小板数が回復基調を示して出血リスクが回避され次第、血栓症の
治療のために以下のいずれかの抗凝固薬の投与を開始する。
血小板 数の回復基 調 ベースラインのAPTTが正常であれば、正常対照値の1.5-2.5倍
が見ら れるまでは 投 程度(血小板数が低いときは1.5倍程度)を目安に投与量を増
与を見 合わせるの が 減するのが妥当と考えられる。出血性副作用のリスクに注意
妥当かもしれない。
する必要があり、十分な説明と注意深い用量調整が必要。
(b) 直接作用型経口抗凝固薬
治療薬の候補となり得る。用量は不確定。
(c) フォンダパリヌクス
2.5 mg 製剤を考慮
体重に応じて 5/7.5 mg 製剤を考慮
(d) ダナパロイド
(e) ワルファリン
4)
5)
6)
7)
8)
治療薬の候補となり得る。
急性期の投与は避ける
血小板数が回復するまで投与は避ける
ステロイド
血小板減少や出血が顕著な場合は、デキサメサゾン(40 mg/日、静注、4 日間)
もしくは プレドニゾロン(1-2mg/kg/日)の併用を考慮できる
抗血小板薬
抗血小板薬の使用は避けた方がよいと考えられる。
血小板輸血
原則として避ける。
避ける
ただし重篤出血合併
や侵襲的処置が必要
な場合は考慮可
新鮮凍結血漿
血液製剤の使用指針に基づき、フィブリノゲン低下(参考値:150 mg/dL 以下またはこ
れ以下に進展する危険性がある場合)、PT 延長(PT-INR 2.0 以上, または PT 30%以
下)、APTT 延長(各施設における基準の上限の 2 倍以上, または 25%以下)を伴う場
合には、投与を考慮
血漿交換
高用量 IVIg に治療抵抗性を示す症例に限定することが望ましい
個別の血栓症(脳静脈血栓症など)に対する治療法については、付録の中で言及する
TTS に対して、有効性や安全性のエビデンスが確立した治療法は存在しないので、症例ごとの状況に応じ、個別に判
断していただきたい。TTS は自己免疫性ヘパリン起因性血小板減少症(autoimmune HIT: aHIT)に類似していることか
ら、海外では aHIT に準じた治療が報告されている。本手引き作成時点で候補となる治療法を挙げた。治療に当たっ
ては最新版および本文を参照されたい。なお、本手引き作成時点では、いずれの治療も TTS の治療として保険適用
はない。
‡‡ TTS と考えられる場合、血小板減少や凝固異常が著しい症例の初期対応においては、高用量 IVIg を優先するのが
妥当と考えられる。具体的な製剤は本文参照(p.10)。
§§ TTS が疑われる時点で、すべてのヘパリン(未分画ヘパリン、低分子ヘパリン、ヘパリンロックや圧ラインを含
め)を避ける。
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