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参考資料1-7 浜口班の議論における参考資料(令和3年10月25日開催)(令和3年度第6回安全技術調査会参考資料1-2) (187 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27504.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会安全技術調査会(令和4年度第2回 8/23)《厚生労働省》
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あり、十分な説明と注意深い用量調整が必要である。また、APTT 試薬には多様性があり、アルガト
ロバンに対する感受性も異なるため、高感度の試薬を用いている施設では治療域が 1.5-2.5 倍より
も高く、感度の低い試薬を用いている施設では治療域が 1.5-2.5 倍よりも低くなることに注意が必
要である。
b. 直接作用型経口抗凝固薬(DOAC):本邦において非弁膜症性心房細動および静脈血栓塞栓症以外の

適応はないが、比較的軽症で経口摂取可能な TTS 症例に対しては、有望な治療薬候補となり得る。
用量をどのように調節するかは不確定である。また、WHO の暫定ガイドラインでは、抗凝固薬の第
一選択として、経口活性化凝固第 X 因子阻害薬(リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバ
ン)が提案されている[10]。
c. フォンダパリヌクス:本邦において急性肺血栓塞栓症、急性深部静脈血栓症、術後静脈血栓塞栓症

予防に対して適応のある Xa 阻害剤である。海外では HIT に対しての使用実績があり、アルガトロバ
ンに劣らない有効性と安全性が示唆されている[24]。血小板数が 5 万/μL 以上の場合には、体重に
応じて 5/7.5 mg 製剤の投与を考慮する[9]。血小板数が 3-5 万/μL の場合には 2.5 mg 製剤の投与
を考慮する。半減期が 14-17 時間と長く、中和剤がないため、出血性副作用に注意する必要があ
る。
d. ダナパロイド:DIC に対して適応のある Xa 阻害剤である。海外では HIT に対しての使用実績があ

り、アルガトロバンよりも重大出血が少ない可能性が示唆されている[24]。ただし、半減期が 17-28
時間と長く、出血した際に薬効をキャンセルしにくい点には注意する必要がある。
e. ワルファリン:ワルファリンは凝固因子だけでなくプロテイン C 系抗凝固因子も抑制し、導入時期

の血栓リスクを高めることから、HIT では急性期には投与しないことが推奨されている。TTS におい
てもこれに準じて血小板数が回復するまでは投与を避けるべきと考えられる。
4)ステロイド

血小板減少や出血が顕著な場合、デキサメサゾン(40 mg/日, iv, 4 日間)もしくはプレド
ニゾロン(1-2 mg/kg/日)の併用を考慮できる。有効性に関するコンセンサスは得られていないが、
有害性を上回る可能性が考えられる。ただしワクチンの効果を損ねる可能性は否定できない。ステロ
イドによって血栓症が増悪する懸念もあるため、投与に当たっては十分な説明とモニタリングが必要
である。
5)抗血小板薬(アスピリン、クロピドグレル、プラスグレル、シロスタゾールなど)

HIT ではヘパリン以外の抗凝固薬のみで治療することが提案されており、TTS でもこれに準
じて抗血小板薬の使用は避けた方が良いと考えられる。抗血小板薬のみでは TTS における血小板活性
化を抑制しきれないことが想定され、出血のリスクを増大させるおそれがある。動脈系の血栓症を併
発している患者で、ヘパリン以外の抗凝固薬に加えて抗血小板薬を投与することの有効性は不明であ
る。また、TTS 以外の疾患に対して抗血小板薬を使用している患者で、抗血小板薬を中止または継続し
てよいかどうかを判断する十分なデータはない。

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