よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


「令和5年度 地域枠入学制度と地域医療支援センターの実情に関する調査報告」報告書 (18 ページ)

公開元URL https://ajmc.jp/news/2024/06/17/5741/
出典情報 「令和5年度 地域枠入学制度と地域医療支援センターの実情に関する調査報告」報告書(6/17)《全国医学部長病院長会議》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

第2章

第2章

地域枠入学者の転帰(卒前、卒後の状況)

地域枠入学者の転帰情報について、令和5年度は国立1大学から回答が得られず、経時データを含めて69
校での集計とした。
既に卒業者が出ている平成20~29年度地域枠入学生(平成25~令和4年度卒業生)について、1.入学状況、
2.医師国家試験合格まで、3.医師国家試験合格以降に分け、1.については定員数との充足状況を、2.につい
ては入学生の学修成果等をストレート卒業率注1)と医師国家試験現役合格率注2)ならびに退学・転学率を指
標として全国平均注3)と比較した。3.については地域枠出身者の義務履行状況を義務履行率、中断率などを
指標として評価した。また、卒後一定の義務を有する全入学生について、離脱率(中途辞退率)を入学者数
に対する割合として算出した。
転帰調査の全対象大学(69大学)からのデータ集計に際しては、設立別、都市規模別、制度区分別に分
けて集計し、一部の項目については出身地(県内、県外)別注4)、男女別の集計を行った。注5)注6)
注1).ストレート卒業率:入学者数に対する修業年限で卒業した人数の割合。
注2).医師国試現役合格率:卒業者数に対する卒業年度の医師国家試験に合格した人数の割合。
注3).ストレート卒業率の全国平均については、平成28年度までは全国医学部長病院長会議「平成29年度医学教育カ
リキュラムの現状」より引用した。平成29年度からは文部科学省公表データを用いた。また、医師国家試験現役
合格率については厚生労働省医師国家試験合格状況より引用した。
注4).義務履行地である都道府県出身者を「県内」、それ以外の都道府県出身者を「県外」として区分した。
注5).地域枠制度の内容(奨学金額、選抜時期、義務年限、出身地指定等)に変更があった場合には、集計上の必要
性に応じ、変更年度以降を別の制度として集計したものがある。
注6).全体の集計は1年次入学時を基点としたため、編入学については、6年制と仮定した遡る年度の入学者数に合
算して集計した。このため、編入学生については、平成24年度以前の卒業生を集計から除外した。中途貸与者(奨
学金の中途学年からの貸与者)についても、貸与開始年度ではなく入学年度で集計した。

1.定員と入学者数の推移
令和5年度の本調査では、地域枠定員総数は1,581人であった(編入学は入学年度の定員とし、奨学金の
中途貸与枠の定員については、入学年に遡る年度の定員に加えて集計した)。内訳は、A1区分:1,098人、
A2区分:70人、B1区分:298人、B2区分:115人であった。また、中大都市群と小都市群の定員総数は、そ
れぞれ654人、927人であった(p18~19図・表B-1(1)~(3)参照)。この理由は、中大都市と小都市との医
師不足の程度の差によるものであろう(県またぎ制度を考慮すれば、その差はさらに広がる)。また1校当
たりの定員は、国立24.1人(36校)、公立37.1人(8校)、私立17.3人(24校)で、公立が最も多かった。
地域への貢献を重視する自治体が設立主体であるためであろう(p18表B-1(1)参照)。
全地域枠の充足率(入学者数/定員数)は、年度ごとの変動はあるもののほぼ90%程度で推移してきたが、
直近の4年はやや増加傾向にある。
なお、定員充足率に関しては、二つの制度で合計何人のように個々の制度の定員が明確でないものがあり、
そのような場合は実質入学者数の平均で按分した人数を個々の定員とし、充足率を算出した。

17