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「令和5年度 地域枠入学制度と地域医療支援センターの実情に関する調査報告」報告書 (25 ページ)

公開元URL https://ajmc.jp/news/2024/06/17/5741/
出典情報 「令和5年度 地域枠入学制度と地域医療支援センターの実情に関する調査報告」報告書(6/17)《全国医学部長病院長会議》
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第2章

3.医師国家試験合格以降の状況
奨学金の有無や義務年数・具体的な義務内容の設定のみならず、義務不履行への対応にもA区分(奨学金
支給枠)とB区分(奨学金を支給しない枠)では大きな差がある。A区分では、義務を履行しない場合には
奨学金を返還しなければならず、さらに一括返還で利子加算のある制度が多い。一方B区分では、卒業に関
する部分を除けば、地域枠出身者の道義的責任ともいうべきところに依存している。B1区分では、一定の
義務年数を明示し、誓約書の提出を義務付けていることが多いものの、B2区分の誓約書では「県内医療に
貢献」などといった抽象的表現に留まっている場合が多い。B1区分はA区分に比べ義務内容の自由度が高く、
専門医取得などのキャリア形成が容易であるという傾向がある。
なお、以下では、具体的な義務年数が設定されていないB2区分については、国家試験合格後の勤務先情
報等について記載がないデータが多かったため集計から除いている。
3.1.義務履行者数と勤務先病院の状況(規模・設置地域)
(1)義務履行者数
令和5年度調査時点(5月末)では、編入学卒業生や留年生等を除くと平成20~29年度の入学生が卒業し
た段階である。初期研修を義務履行に含めているか、義務履行の猶予もしくは中断を認めているかなどの違
いにより、各地域枠卒業生の義務履行開始時期は異なる。このため、実際に義務履行中の人数は医師国家試
験合格者数より少ない。
調査時点の義務履行者数(義務履行中の者と義務終了者の合計)は、10年間全体で、卒前離脱者を除く
国試合格者8,457人のうち義務履行中の者(義務とみなされる初期研修中の者を含む)は6,754人で、義務
履行率(国試合格者数に対する義務履行者・義務終了者数の割合)は85.9%であった。また、設立別、中大・
小都市別、制度区分別で義務履行率を見ると、私立(79.3%)およびA2区分(79.1%)で低かった。また、
国試合格年度別の義務履行率を見ると、経年的に増加傾向にある。なお、A区分、B1区分とも義務履行中
以外の者には、国試合格以降の離脱者と猶予期間中の者もしくは何らかの理由による義務履行中断中の者お
よび初期研修が義務に含まれない場合の初期研修中の者が含まれている(p25~27図・表B-3参照)。
(2)義務履行先病院
地域枠卒業生が初期研修後本年度調査時点で勤務している病院については、県内大学勤務(35.9%)、県
内中核病院勤務(51.8%)、県内中小医療機関(9.4%)、県外医療機関(1.9%)であり、県内大学勤務が
昨年度より減少した(表B-3(1))。また、勤務先の地理区分では、医師不足でない地域勤務が68.6%を占
め、医師不足地域の勤務は31.4%と少ないが、昨年度より医師不足地域での勤務が0.7%増加している(表
B-3(2))。また、専門研修の可否については、不明を除くとほぼ全ての回答で「可」であり、昨年度よりさ
らに0.7%増加している(p27表B-3(3)参照)

(3)専攻診療科
回答のあった専攻診療科については、未定が40.9%と最も多く、それ以外では、内科(18.9%)
、外科
(5.8%)、小児科(4.6%)、産婦人科(4.2%)
、麻酔科(3.5%)、整形外科(3.4%)の順であり、昨年度
に比べ大きな変化はなかった(p34表B-6参照)。

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