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「令和5年度 地域枠入学制度と地域医療支援センターの実情に関する調査報告」報告書 (59 ページ)

公開元URL https://ajmc.jp/news/2024/06/17/5741/
出典情報 「令和5年度 地域枠入学制度と地域医療支援センターの実情に関する調査報告」報告書(6/17)《全国医学部長病院長会議》
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第5章

両県の結婚協定は自治医大の制度を参考にしたものと思われる。茨城県の担当者は自治医大の卒業生も担
当している課であったが、青森県は異なる部署であった。両県とも他にも結婚協定について相談された例が
あったものの協定の締結に至ったのはこの事例のみであった。
どちらの県で先に勤務するかについては、義務終了後の医師定着に関わるため、重要な事項と考えられる。
本事例での協議の過程の詳細は不明である。しかし、義務終了後の医師定着には、どちらの県での勤務を先
にするかだけではなく、協定締結後の丁寧なフォローが重要であろう。両県には、協定締結後、数次にわた
り貸与者およびその配偶者との面談を実施した記録が残っているとのことである。
【方策について】
現在、地域枠/修学資金貸与制度は、条例等で定められており、都道府県によって異なっている。そのため、
異なる都道府県の修学資金受給者同士の結婚により双方の義務を履行するための制度が整っていない。事例
が発生した際に、当事者、各都道府県の担当者同士の調整に委ねるだけではなく、何らかの制度整備が必要
ではないかと考えられる。
地域枠医師のライフイベントに関する離脱防止策好事例調査および、およびその後の詳細照会の中で各都
道府県担当者から以下の意見があった。
◦結婚協定は、自治医科大学でも運用されてきており、離脱防止としての有効な方法の一つとして考えてい
る。しかし、結婚協定は、他県との調整が難航した場合、現状の仕組みのままでは、少なくとも片方は制
度から離脱してしまう可能性がある。
◦地域枠医師の養成には、人的にも財政的にも大きな労力をかけていることから、都道府県と地域枠医師本
人の双方にとって不幸な結果とならないよう、各都道府県において結婚協定が可能となるような制度改正
を期待する。
◦2024年4月から「医師の働き方改革」が始まるなど、医師の労働環境の改善がより一層求められる時代
となっており、結婚などのライフイベントによる義務離脱を防止することは、医師確保の観点からも重要
である。
◦各県で制度が違う地域枠こそ、各都道府県の制度を把握されているような相談対応があると、より、結婚
協定を検討しやすくなる。
◦結婚協定検討の第一歩として、結婚協定が制度上可能な都道府県の一覧があると、地域枠学生・医師から
相談があった場合にも対応しやすい。
◦令和5年度、日本専門医機構から不同意離脱に係る新たな方針が示されたところであり、結婚協定に限ら
ず、こうした新たな動向も踏まえ対応していくことが重要である。

2.復職支援
様々な傷病により一時的に休業せざるを得ない場合、傷病の状況により、通常の業務に復職することが難
しいこともあり得る。地域枠/修学資金受給医師の場合は、離脱防止の観点からも、また、通常の勤務がで
きない場合に勤務義務の取り扱いをどのようにするのかも重要であろう。
新潟県がおこなっている復職プログラムについて詳細を照会した。
【回答部署】
新潟県福祉保健部医師・看護職員確保対策課

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