「令和5年度 地域枠入学制度と地域医療支援センターの実情に関する調査報告」報告書 (42 ページ)
出典
公開元URL | https://ajmc.jp/news/2024/06/17/5741/ |
出典情報 | 「令和5年度 地域枠入学制度と地域医療支援センターの実情に関する調査報告」報告書(6/17)《全国医学部長病院長会議》 |
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医科大学と一部で新設の医科大学・医学部を除いた77大学について行った。以下の結果が報告された。
・77大学中、69大学(89.6%)で地域枠入学制度が導入されていた。このうち67大学(97.1%)
の地域枠入学制度で奨学金が支給されていた。
・全 国の地域枠制度数は162制度で、入学定員は1,523人(A1区分:1,033人、B1区分:283人、
B2区分:135人、A2区分:72人)であり、入学後に手上げ方式で選抜し奨学金を貸与するA2区
分が急速に減少していた。
・全地域枠入学制度(全国)の充足率(入学者数/定員数)は、90%程度に一時落ち込んだ時期もあっ
たが近年は持ち直しており、直近の3年間は95%以上で安定していた。
・既に地域枠入学制度を導入している大学のほとんどで地域枠制度存続の意向があり、枠の拡大を希
望する大学も少数あった。
・地域枠学生と一般枠学生のストレート卒業率は、制度開始当初は地域枠学生のほうが明らかに高
かったが、近年は徐々に85%程度で近似してきている。
・地域枠学生と一般枠学生の医師国家試験現役合格率についても、制度開始当初は地域枠学生のほう
が一般枠学生よりも明らかに高かったが、徐々に両者の差が縮まっており、近年はほとんど差が無
くなっている。
・9年間(平成20年度〜平成28年度入学者)の義務履行率、つまり医師国家試験合格者に対する義
務履行者・義務終了者の割合(義務離脱者および義務中断者を除く)は85.9%であった。
・初期研修修了後の勤務先は、県内大学(39.0%)、大学以外の県内中核病院(49.2%)が多かった。
・勤 務先の地理的区分では、医師不足でない地域での勤務が69.3%で、医師不足地域での勤務は
30.7%であった。医師不足地域での勤務率は前年度に比べて上昇していた。
・令和3年度までの医師国家試験合格者のうち令和3年時点で7.2%が義務中断中であった。中断理由
としては不明、専門研修などが多かった。
・平成20年度〜令和3年度までの地域枠入学者のうち3.3%が離脱していた。大学の設立区分別では
私立5.7%、国立3.2%、公立0.9%であった。調査区分別でみるとA2区分(入学後手上げ方式)
が8.8%で最も高かった。
・離脱時期としては、6年次から卒後3年目までが圧倒的に多かった。
・離脱理由としては、
「その他の個人的な理由」が最も多く、
「不明」、
「県外への居住地変更」が続いた。
・地域枠入学生のうち24.8%が県外出身者であった。離脱率は県内出身者が2.2%であったのに対し、
県外出身者は6.5%と高率であった。
● 文部科学省の講演
文部科学省高等教育局医学教育課の堀岡伸彦企画官より、地域枠に関連した文部科学省の取り組みの
現状と今後の方向性について次のような講演があった。
・医学部定員については、昭和57年及び平成9年の閣議決定に基づき、定員の削減及び管理を行っ
てきている。他方、平成18年以降、地域における医師不足対策の観点から、臨時的に医学部の定
員増を認めており、令和6年度の全国の大学医学部入学定員の合計数は9,403人となっている。
・現状、臨時定員による増員分は978名である。この増員分については、文部科学省、厚生労働省と
もに地域偏在だけでなく診療科偏在の改善にもつながる診療科選定地域枠の設置を推進している。
現在41大学で診療科選定地域枠を設置している。
・臨時定員による地域枠は938名であり、必ず修学支援金の貸与がある。これ他に恒久定員内に設置
された地域枠もあり、合計すると1,770名が地域枠の総数ということになる。地域枠のうち臨時定
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