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「令和5年度 地域枠入学制度と地域医療支援センターの実情に関する調査報告」報告書 (45 ページ)

公開元URL https://ajmc.jp/news/2024/06/17/5741/
出典情報 「令和5年度 地域枠入学制度と地域医療支援センターの実情に関する調査報告」報告書(6/17)《全国医学部長病院長会議》
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第4章

い期間頑張った人の方が離脱の負担が大きくなるような利子のつけ方をしている場合があり、改
善が必要かもしれない。医師と地域病院でマッチングをすることで配置先を決める県もある。制
度を条例規定にしないほうが、問題に対して柔軟に対応しやすい。
・診療科の縛りをなるべくかけない、定期的な面談をする、入学にあたって学校長からの推薦を必
須とする、臨床研修のうち少なくとも一年間は大学病院を指定する、大学の医局が離脱者を受け
入れないという方針を持つといった対策もある。
・ワールドカフェ形式で地域枠の卒業生と学生が交流する企画を行って有意義だったという報告も
あった。
【テーマC】離脱の理由について
◆ グループC-1、C-2、C-3、C-4
発表者:井口 清太郎 委員(新潟大学)
ファシリテータ:C-1井口清太郎(新潟大学)、C-2前野哲博(筑波大学)、C-3前田隆浩(長
崎大学)、C-4阿波谷敏英(高知大学)
・指定診療科に進みたくない、保険外診療に進みたい、キャリアパスが描けない、僻地が嫌、結婚
など家族の事情、入学時の理解の不足、学業不振などが離脱理由としてよく挙げらる。
・入学時の説明をしっかり行う、同意の確認を行う、どの診療科にも進むことができるようキャリ
アプランを準備する、診療科指定が適切かどうかをよく吟味する、低学年から定期的な面談をす
る、セミナーの実施、義務の中断を柔軟にできるような制度にする、などの対応が考えられる。
・異なる都道府県の地域枠同士の結婚について結婚協定を結べるかどうかは、各都道府県の地域枠
制度が非常に多様であるため、実現困難と考える都道府県が多いようだ。
・入学前および入院時の制度説明は本人だけではなく保護者にもしっかり行うべきである。
・学業不振による離脱については、入試レベルで防ぐべきである。
・僻地医療との親和性が低い診療科の指導医に、地域枠学生や研修医を誘わないようお願いすると
いう手もあるかもしれない。
・保険外診療(美容医療)に地域枠の離脱者が流れている傾向がある。その業界の現実をよく知ら
ないまま進んでいる可能性があるため、現実をよく知る形成外科医などから正しい情報提供をし
ていただくという方策もある。
・地域枠の学生・卒業生の数は増え続けており、丁寧なフォローアップを行うには人手もコストも
かかるという問題もある。
● 総合討論
講演およびグループワークを踏まえて、以下の意見や情報提供があった。
・コミュニケーション力等に問題がありそもそも臨床医に向かない地域枠医師や、地域病院側がすべて
受け入れを拒否するような地域枠医師、アンプロフェッショナルな行為で派遣先の病院に迷惑をかけ
る地域枠医師が少数ながらいる。このような医師をどうするか、本気で考えないといけない。
・自治医科大学では、そのような卒業生であっても、義務の枠組みから放出するのではなく、何とかや
れる場を見つけてきた歴史がある。
・地域病院に受け入れてもらえないような医師については、国家試験にいつまでも合格できない人と同
じであり、返還免除要件を満たすことができないわけだから、奨学金を返還してもらうのが筋であろ
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